前回の「9から始まる奇妙な物語」第3シリーズ(以下S3)エピソード・リストで入りきらなかった
番組クリエイターのリース・シェアスミス&スティーヴ・ペンバートンのQ&Aでの回答をまとめました。
(第3シリーズのエピソード・リストはこちら。)
このQ&Aはツイッター上で第5話”Diddle Diddle Dumpling"の放送後、2017年3月14日に行われたものです。
特にネタバレな内容はないのでご安心ください。
区別しやすいようにリースは青、スティーヴは緑で表示しています。
クリックすると、元ツイートを見ることが出来ます。
今夜10時は「9から始まる奇妙な物語」、
その後は、僕とスティーヴのライヴQ&Aがあります。
ハッシュタグは #insidequestions 。1時間の予定です。
(2017年3月14日 午後2:14)
さて、子供たちを寝かしつけに行かなくちゃだけど、
今夜の放送をお楽しみに。後で会いましょう。
(2017年3月14日 午後9:33)
好きなエピソードは訊かないでね。選べないよ?
(2017年3月14日 午後9:34)
【執筆について】
書いている時にうまくいくことはわかっている。うまくいって当たり前
何ヶ月も詳細を考えて脚本を作っているから、見返してショックを受けることはない
考えすぎたと思うこともある。が、それは細かい人が何を見ているか知っているから。
すべてに答えを出してなきゃいけない
最初から結末がわかっている場合と物語の行く末を見守る場合と両方ある
執筆のヒントは特にない。20年の経験が役に立つ。明確な特徴を一つ決めて、それを主役に据えよう
古いキャラクターの再利用は多分ない。アンソロジーの目的を破るから。前に進み続ける。
それとも同じキャラを新しい名前で使うか!
【相方について】
スティーヴが演じた役でやってみたかったと思ったものは「全部」
執筆パートナーから得る刺激? 裁定者としてスティーヴは必要不可欠だ
演じたいリースの役? いい質問だ。「地獄降り」のヘクターを選ぶ!
喧嘩をしたらどちらが勝つか? 僕らは愛し合ってる、喧嘩相手じゃない。そういう意味じゃないけど
議論して時には意見が合わないこともあるけど、最終的には平和的な結論に達するよ
【製作について】
エピソードにノーと言った俳優? 少数いる、けどちょっと衝突しただけ
BBCがアンソロジー番組に対する考えを変えたかはわからない。が、S4(の製作決定)はかなりの成果だ
(毎回セットに置かれてる)野ウサギはプロデューサーが保管してる
S1で壊れた野うさぎは僕が持ってて、2つ目は(プロデューサーの)アダムが持ってる
【スピンオフについて】
シリーズ化できる可能性のエピソードはあるけど今のところは1話完結だね。
「おばあちゃんの誕生パーティー」はシリーズ化を希望されてた
舞台化するなら「かくれんぼ」がいいだろう。もしくは「招かねざる客」
スクリーンに出てこない話を本やグラフィックノベルで出すのはいいかも
生中継エピソードへの興味? 無駄にストレスがたまる。汗だくで成し遂げようとしても誰もそれに気づかない
(ところが1年後に生放送スペシャルを放送することに…)
【他の番組・作品について】
素晴らしいと思うプロット・ツイストは、映画「隣人は静かに笑う」の結末
【番組の将来について】
S4のシチュエーションについて? 言えない!撮影さえしてない!そのために5時起きだ!
ベン・ウィートリー演出もいいね。
また一緒に働きたい。彼はエースだ
(リースは「ハイ・ライズ」や"A Field in England"など、ベン・ウィートリー監督作品に出演しています)
S5の放送は、S4が好かれて評価されたら、もしかしたら。もちろんやろう
(S5はその後2020年に放送されました)
最後に
【リースのポリシー】
さて、S4の撮影のために午前5時に起きなきゃならない。
すべての質問にありがとう。もし答えてなかったらごめん。
おやすみ、子供たち
(2017年3月15日 午前0:32)
【おまけ】
第2話の放送前にもBBC Comedyが質問を募集しており、2人がビデオで回答していました。
上述のQ&Aとかぶる質問もありますが、素の2人のトークをお楽しみください
It's here! @ReeceShearsmith and Steve Pemberton answer your #InsideNo9 questions. 😍 Part 1! #Askin9 pic.twitter.com/V5OfsZxqn0
— BBC Comedy (@bbccomedy) February 9, 2017
内容を荒っぽく紹介しますと…
ダークでひねくれたユーモアのセンスをお互い共有していると知ったのは、
大学時代にパーティーに行って、片方がトイレから出てきた時に映画「赤い影」のドワーフの真似をして待っていた時
執筆に影響を受けたのはヴィクトリア・ウッドにアラン・ベネット…
でも僕らの脚本はストーリーテリングに寄ってきているので、コメディから離れてきている
S3はホラーの要素がかなりたくさんある。直球のホラーをやるとコメディの要素がなくなってしまう
これはコメディ、これはホラーと、レッテルを貼らない方がいい。どっちも含まれていい
よりダークな題材を思いつくのは、たぶんリース。
しょっちゅう「もし〜したらもっと恐ろしい、こうしたらもっと怖いぞ」って言ってる
確かに
それで僕は「全く、リースは…」ってなる
本当だ!それよくあるね
演技と執筆、リースは演技の方が好きだって知ってる。僕は執筆の方が好きだ。
だから僕らは完璧なチームなんだ
ミュージカル回は、ある意味今回のS3でやってる。
カラオケボックスの回は、ミュージカルが出来ないかと考えたところから到達した
でもちゃんとしたミュージカルがやりたい
ララランドみたいな
なんて呼ぶ?
キルキルランド? ブーブーランド?
現場でNGを出すことはない。その時間がない。
他の番組の映像を見ると「みんな笑ってるし楽しいな」って思う
毎回異なるキャラクターを出して、全部使いつくしてる!
でも再利用しているキャラクターのタイプはある。2人の役者がそのタイプの役を演じれば異なる解釈が生まれる。
するとうまく2つのキャラを作り上げたようになるが台本の上では同じなんだ
Was your #InsideNo9 question answered? Is League of Gentleman returning? @ReeceShearsmith and Steve Pemberton in the final part of #Askin9. pic.twitter.com/yYQmpzEz8w
— BBC Comedy (@bbccomedy) February 21, 2017
ストーリー性のある"Psychoville"より、1話完結の「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)の方が難しい。
"Psychoville"も毎週物語を続けながら同じキャラで驚かせるのは難しかった。
でも、(例えば)ミスター・ジェリーは子供の嫌いなピエロで…と、一旦役を決めてしまえば毎週訪れることができる
"Psychoville"は異なる1話1話がうまくいくよう、どこで交わり、どれがどこのエピソードに入るかをもっと悩んだと思う。
一方で、IN9は40ページで物語を語るだけだ。それにもっと速い
翌週に続かないから全く違うものを追加してもいい
やりたかったけど悪趣味だからやめたってことはそんなにない。よく訊かれるけど。
僕らはよく心得ていて自己検閲する頭を持ってるから。抑えた方がいいと思う。
どう怖くするか注意深くなると物事は難しくなる
SFをやろうと話したけど、2人とも特別SFファンじゃない。
すごくよく出来たロマコメがやりたい
つまんねー!
筋書きは文字どおりあらゆるところからくる。一つの場所に収まっていればなんでも「9号」になりうる。
だから、ヒントが目の前に現れるのを願うだけだ
僕らは仕事部屋に行って座り、苦悶の何時間かを過ごすこともあるし、
アイディアがあってすぐに書けてしまうこともある。
書く前にたくさん話し合う。それが行き詰まらないためのコツだ
リーグ・オブ・ジェントルマンの20周年には何かやりたい。
みんながリーグ・オブ・ジェントルマンにすごくいい思い出を持ってるからちょっと怖いんだ。
復活するか、何をやるかはよくわからないけど、
マーク(・ゲイティス)やジェレミー(・ダイソン)と会って、何かしようと話し合うつもりでいる
(その後、2018年に特番が放送されました)
どのような環境で仕事や復習をすればいいか?
復習、ね… もし十代ならやることは一つだ。
フェイスブックを見ながら出来るとは思わないこと。音楽もイヤホンもなし。テレビも見ない
一画面だけだ!
画面もいらない!本だけだ。紙と鉛筆
引き返してもページしかない
IN9の映画化? 一つの部屋の中の映画なんて見たいかな?
…棺の中の男の映画ってあったね?
…俺見たな。あんまりよくなかった。忘れた
もし誰かが「さあ、資金はあるから映画を作ってくれ!」って言ったら、作るだろうね
僕ら率直だから
以上、Q&A特集でした!
ちなみにInside No.9はこのシリーズでついにBAFTA Craft Awardsのコメディ脚本賞を受賞!
Steve Pemberton and Reece Shearsmith win the award for Writing: Comedy, for Inside No. 9! 9️⃣ #BAFTATV pic.twitter.com/0m4Em6Dq6U
— BAFTA (@BAFTA) April 22, 2018
.@ReeceShearsmith accepts the award for Writer: Comedy for Inside No. 9! (the sample clip got a bit gory) 🤣 @bbctwo @bbcstudios #BAFTATV pic.twitter.com/7eXTYAoTNI
— BAFTA (@BAFTA) April 22, 2018
https://x.com/ReeceShearsmith/status/988325112163262465
ライターズギルドのベストシットコムにも"The Bill"で選ばれました!
#wggbawards Best TV Sitcom is won by @ReeceShearsmith & @SP1nightonly for Inside No.9: The Bill pic.twitter.com/MvJKWhhSKS
— The Writers' Guild (@TheWritersGuild) January 15, 2018
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