先日、新聞を読んでいたら『県内でファッションショー』『50歳以上の女性 モデルになりませんか』と言う見出しが目に留まった。
おお、これは絶好のチャンス。
私にはスタイル抜群、容姿端麗の友人がいる。
彼女の若き日の夢はモデルになる事だったと以前聞いたことがある。
しかしその夢を現実に移すことなく彼女はこの町で生きてきた。
1日限りのファッションショーのようだが、是非彼女にモデル体験させてみたい。
おせっかいオバサンの私はムクムクとそういう気持ちがわいてきて彼女に電話して誘った。
「私もチャレンジするから一緒にオーディションを受けに行こうよ」
そして二人はモデルオーディションを受けることに決定。
その事を家族に話すとみんな大笑い。
どこをとってもそういう要素のかけらも無いのに・・・匙はとっくに投げられている。
実は息子に「『吉本新喜劇』のオーディションの方が向いている」と言われたのはこの時。
「でも、よく芸能人が、『友達がオーディションを受けるのでついて行ってスカウトされました。』って言ったりするじゃない。お母さんの場合、そういう可能性があるんじゃない?」と娘は茶化す。
そして今日がそのオーディション当日。
友達の車に乗せてもらって一緒に会場へ。
受付に応募者の名前が書かれた用紙が置かれていた。
新聞では20人選ぶと書かれていたが果たして応募者は何人くらいいるのかとチラ見するとNO.85まで名前がある。
高倍率!
このシチュエーションでは容姿もスタイルも『それなりに』の私は、『浮いた(?)存在(浮くというより沈むと言った方が良いかも?)』になること間違いなし。
それで良し!友達の夢が叶えられるなら・・・!
行くと採寸、バスト・ウエスト・ヒップ測定。身長・体重・靴・洋服のサイズなども記入。
ぐるりと見回すと輝く女性たちがずらり・・・中には私のように勇気ある女性も、ちらほら・・・
次に5人ずつグループになってオーディション。
「荷物を置いて印をしているところにたって番号と氏名・年齢を言って次の印があるところまで歩いて、そこでターンしてまた最初の場所に戻り、そしてまたターンしてそのまま進んで審査員の前に並んでいる椅子に座って下さい」
そう説明を受けていた。
受付番号順ではなかった。なぜか私がそのグループの先頭を切ってしまった。
人の後ならそれを見て真似ればよいのだが、いきなりチャレンジ。
一度聞いたくらいでは、どう動いてよいのかこの大雑把な頭には入らない。
「ここまで歩いてきて」と教えてもらいながらのウォーキング(?)
次に審査員からの質問。
また真っ先に私から。
「どうしてこのオーディションを受けようと思ったのですか」
「(オーディション)番号○○番の○○さんは私の友達です。彼女の若い頃の夢はモデルになる事だったそうです。その夢を実現することなく今まで来ましたが、この企画で彼女の夢をかなえたいと思い私が彼女に勧めて一緒に応募しました。あわよくば私も・・・と思っています。いろいろなことにチャレンジして生きれば、人生、より楽しくなるのではないかと思っています」と答えた。
「あわよくば私も・・・」と言ったところで審査員が一斉に笑った。
この質問はみんな共通だった。こういう時に先頭は心の準備なく答えなくてはいけないので不利。
でも、まあ、99パーセント落ちることを覚悟している応募者なので、これで上等。
近々、結果通知が来るだろう。
友達の合格を祈っている。