あざみの気まぐれ日記

備忘録のつもりで書いています。

秋晴れの日に・・・

2017年10月27日 | 日記

 

今日は秋晴れの良い天気。

朝、洗濯物を干しながら『洗い張り』という言葉が何故か頭に浮かんできた。

そして、子どもの頃の実家の洗い張りの光景が蘇った。

明治12年生まれの曾祖母が解いた着物をタライで手洗いし、糊を付け、

板に張って、軒下の壁に立てかけ、乾かしている光景・・・。

そうやって一つの布も使い捨てることなく大切にしてたのだなあ。

アイロンが無かった時代、板に張ることで

しわを伸ばしていたのかもしれないなあ。

それをまた着物に仕立てる作業がいる。

昔の人はよくそんな丁寧なことをしていたものだ。

そんなことなど思いながら洗濯物を干した。

そんなことを思ったのは一瞬と思えるほど短い時間だったと思う。

なのに夕方、私は『洗い張り』をしたと思える布に出合った。

不思議。何かの力が働いたのではないかという気がする。

 

今日、しなければいけないことは明日行く予定の「お茶会」の準備。

着て行く服。持ち物。作法。

 

そのつもりだったのだが、途中からやけに二階のタンスやクローゼットが

気になって来た。

まず、タンスの横の桐箱、母から貰ったミンクのコート。

何年ぶりかに開けてみた。桐の箱だから虫もつかないだろうと

放りっぱなしだった。開けてびっくり。毛先に白いカビがついていた。

即、燃えるゴミ袋を持って来て、それに入れた。捨てる決断ができた。

そこからタンスやクローゼットの点検が始まった。

着物など全部広げてチェック。この際、虫干しもした。

途中、誰から貰ったのか記憶にない着物を見つけ、むちゃくちゃ流に

ちょっと着てみたり・・・

(服の上から滅茶苦茶に着ています)

気のおもむくまま楽しみながらしていたら・・・

娘が小さかった頃のパジャマと枕カバーも出てきて・・・

あの頃は可愛かったなと幼い娘の姿を思い出したり・・・

 

そしてクローゼットの中の桐ダンスの一番下・・・

ここはもう長い事開けていない。

夕方、そこにたどり着いた。そこに地味な反物が幾つか入っていた。

もう、これは、手芸好きな義姉に貰ってもらおう。

何か使い道があるかもしれない。

そう思いながら広げてみると、反物ではなかった。

切った布などがあった。切れ端なのか・・・と最初思い

しばらくしてハッと気が付いた。

洗い張りした布だ!しわも無く、一見、真っ新の反物のように見えたのに・・・。

こういうのが5着分(?)あった。

曾祖母が座敷のお縁で繭から糸を繰り、機を織る姿・・・

それが俄かに蘇って来た。たしかに曾祖母は機織りをしていた。

これらは曾祖母が機織りし、着物を作り、それを解き、

洗い張りしたものに違いない。

セピア色の思い出。懐かしい匂い。・・・はるか昔に思いを馳せた。

思い出が行ったり来たりの良く晴れた秋の1日。

日暮れ前の空は真っ赤な夕焼け。

明日は雨になるようだ。

 

※夜、チケットを確認したらお茶会は明日ではなく明後日だった。