ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

第9話 ぼくはカメラマン・・・4  撮影

2016-01-14 | 第9話 ぼくはカメラマン



 翌日ぼくはずだ袋にカメラを入れて別館下へ行った。まずカーストの高いサフランババから撮り始め順次、下の方へと進むつもりだ。写真のアングルを決めているとババはいそいそと着替えを始めた。それが済むと目の前にこうもり傘や食器等ありとあらゆる持ち物を並べだした。誰か櫛を貸してくれと言って櫛を手にすると丁寧に髪と髭をとかして、さあどうだと定位置に座った。インド人の場合まばたきをして撮り直すという心配はない、彼等は目をかっと見開いてその状態を続けられるという特技を持っている。2枚目はやはりガンガをバックにして写してくれという、当然だろうガンガと一緒の写真が欲しいババの気持ちはぼくにでも分かる。その後2人のババを撮ったところでチラムを吸うことになった。ババ達の持ち物といえば大小の器がセットになったステンレス製の食器や野宿用の少し厚いシーツと腰巻くらいだ。それともう1点は真新しい白かサフラン色の布地を大切にずだ袋の中に持っていた。写真を撮るときババはその布を肩にかけた。彼等にとって衣服はそれほど必要ではない、それは定住していないからだ。リシケシの冬は寒いがババ達は暖かい聖地へ移動する。旅をするババにとって荷物は少ない方が楽で良い。
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