帰りのウシュアイア発の飛行機との時間調整のためでしょうか。南極ブナの原生林が広がる「フエゴ島国立公園」の散策が待っていました。 南極帰りの身に取っては、もう何にふれても無感動でした。 ウシュアイアの街並みを抜けると無舗装道路。国立公園内ならいざ知らず、国立と名前の付いた公園に通ずる道路が未舗装とは日本ではちょっと考えられません。 そこで質問。そして帰ってきた答えは「アルゼンチンには、まだ未舗装道路がいっぱいあるんです」とのこと。
SL列車「地の果て号」世界でもっとも南を走る列車での観光です。環境に配慮してか、あの懐かしい石炭のにおいがしないSL列車、煙突から煙が出ない。さて、燃料は?
遠いお話ですが、1910年この鉄道が敷設されたとのこと。これが「囚人列車」。ウシュアイアは、死刑の一歩手前の重罰を課せられた罪人の流刑地だったのです。現在もその刑務所は刑務所博物館(?)として広く公開されていますが。囚人たちは、線路の敷設や刑務所の建築資材の確保、台所用や暖房用の薪の切り出しなどのため、この囚人列車で森林に向かい伐採運搬の重労働ついたと言います。
この鉄道は、資源が亡くなるとさらに奥地まで敷設され、その走行距離は25kmに及んだそうですが、観光列車の走行距離は7km。放牧された馬が憩うのどかな風景の中に見える切り株は当時の伐採跡、100年前極寒の地で、森を切り開く労働に耐えた彼らの姿が忍ばれます。
遠くアラスカからこの地まで「パンアメリカンハイウェイ」の南の終着点に立ち寄るとは思ってもみませんでした。パンアメリカンとの名称は、14もの国の既設の幹線道路をつなぎ合わせてそう銘々しているとのこと。定かではないようですが、その総延長は48,000kmとか。