村上春樹 誤解は理解である

ゲーデルの不完全性定理のKleene理解によれば、
妄想は現実である、
ユークリッドは非ユークリッドである、
嘘は真実である、
非実在政治経済は現実である、
といったことが成立する。
だがこれは証明できない。

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だから誤解の中にただの誤解もあれば、
誤解の中に理解もある。

この文脈で、誤解から理解を取り出せる。
即ち、誤解の中に誤解と理解がある。
それを証明することはできない。

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紫式部は「嘘は真実である」という。
嘘の中にも嘘と真実がある。
それを証明することはできない。

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光源氏は立派な男か、とんでもない男か。
それを証明することはできない。

人が勝手に思えばいい。
これが多様性かもしれない。

*。
光源氏は立派な男ということは無矛盾である。
だがそれを証明できない。
証明しようとすれば、それは矛盾しているからだ。

*。
だから紫式部はこれが人間の存在構造だというのだ。

嘘になるか、本当になるか。
確率を適用もできよう。

だが紫式部はこの世界が、命の世界だといっているのだ。

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クール・ジャパンは昔からそうしてきた。

現実は嘘もあれば、本当もある。
人はそれぞれにチューニングし、共鳴・共振する。

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いろいろの人がいる。
それが命の世界だ。

嘘もあれば、本当もあれば、その混合もある。

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だからこそ、この世にいい音楽が奏でられる。

この世は雑音といい音楽の混合だ。
それが現実の関係だ。

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この世でいい音楽をする人と、禄でもない人がいる。

紫の上はいい音楽を奏で、光源氏は雑音であった。
それらの共生する現実だ。
これが生物多様性であろう。

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これがクール・ジャパンの世界だ。

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誤解の総体は、真の理解である。
真の理解に中に、誤解と理解が入っている。
それは証明できない。

理解の中に誤解と理解が入っている。
それを証明することはできない。

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誤解の中に、真の理解も入れられる。
だがそれは証明できない。

それを識別するのが、意識だ。
ゲーデル意識と呼べるものだ。