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nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

首都高速の科学

2015-02-25 | 書評


首都高速を技術面から取り上げた、首都高速の科学を今回は紹介します。
1960年代の建設時の技術や、湾岸線の建設の技術、さらに中央環状線の山手トンネルの建設の技術が紹介されています。

中央環状線の山手トンネルの建設技術については、開削トンネル、シールドトンネルの使い分けと合流区間の接合などが紹介されています。

この本の最終章で、今後の首都高の補修について述べられています。老朽化に対する対策もありますが、中央環状線や外郭環状線や圏央道が全通すると、首都高の環状線を通過する車が減少するので、首都高の環状線の存続問題なども出てきます。環状線の完全地下化や、環状線の撤去なども検討されているようです。

ビブリア古書堂の事件手帖3

2015-01-05 | 書評



ビブリア古書堂の事件手帖の3冊目は以前に紹介したたんぽぽ娘とチェブラーシカ、宮沢賢治が取り上げらた短編が3本構成になっています。

うち2話が本にまつわるトラブルで、本を探す話になります。1話目は古書業界の古書取引の形態が紹介されており、そちらの方面でも面白い内容でした。

五輪のロシア代表のマスコットとしても知名度が高いチェブラーシカが2話目に紹介されています。

3作目の宮沢賢治の話ですが、春と修羅という詩集に関する話です。初版が出た後に作者自身が、本に対して文章の書き直しをしていて、それが大いなるキーポイントになります。

店主の栞子の母親の話が少しずつ紹介されいますが、これが4冊目の伏線になっています。


古代道路の謎

2014-11-02 | 書評



奈良時代の駅路、その道幅は狭いところで6m、広いところで30mの道幅がったと言われています。
自分は数年前のブラタモリの国分寺編で、駅路の東山道の発掘結果が紹介されていましたが、その道幅が長い直線で12mもあることに驚いた記憶があります。その総延長は東北から四国、九州に至る6500kmもあります。
文献等で古くから駅路の存在は知られていましたが、このような広大な規模とは予想されていませんでした。
江戸幕府が整備した近世の五街道の道幅が3.6m程度の曲がりくねった道なので、にわかには信じがたい事実ですが、発掘調査によって裏付けられています。

その駅路について扱ったのが古代道路の謎―-奈良時代の巨大国家プロジェクトで、筆者の近江俊秀氏は、文化庁の文化調査官です。

筆者は大化の改新による律令国家、中央政権が国の末端まで管理する時代に、駅路はその国家の権威で地方支配のため、建設された道路と推理しています。地方の実情などお構いなしに建設されたため、低湿地などにも無理やり直線で道路作っています。そのため道路の維持管理はかなりの手間がかかったと言われています。さらに建設や維持は中央政権からの援助はなく地方が行っています。
そのためこの方法は中央政権に権威が有った時代のみこの方法は成立し、律令制度が崩壊すると、道路の維持管理ができなくなり、駅路は廃絶されています。
筆者は駅路は律令国家と運命を共にする事に定められていたと推理しています。

古代史は発掘調査によって一般常識が塗り替えられる事があり、駅路もその一つだと感じました。

プリズンホテル夏

2014-09-27 | 書評

浅田次郎のプリズンホテル、ヤクザが暴対法逃れで山奥の倒産しかかった温泉旅館を買収して、そこで起こるドタバタやら、ヒューマンドラマやらをまとめた面白い作品です。
4部作になっていて、夏秋冬春の順の作品になっています。

主人公は木戸孝之介という作家で、人気作家なのですがかなりの偏屈者で、それが作品の面白さを出しています。その伯父の木戸仲蔵がヤクザ(大物総会屋)にもかかわらず、リゾートホテルを始めます。

もう一人の主人公という人物が、このホテルに引きぬかれた花沢一馬というベテランのホテルマンです。もともと大手ホテルのホテルマンでしたが、客のことを第一に考えるあまりホテルの利益主義と反する事件を何度か起こして、各地のホテルをたらい回しにされていました。
その窓際ホテルマンを、木戸仲蔵が自分のホテルに引きぬき、支配人にしました。

このホテル、一般的な宿泊施設だと敬遠されがちな、ヤクザが運営するヤクザむけのホテルになるので、いろいろ普通のホテルとは違うところがあり、それも面白さの一つです。

花沢支配人の息子の繁が暴走族で、それをヤクザの若頭が更正?させるのもひとつの見どころといえます。

もう一つのポイントは、主人公である木戸孝之介の母親の話で、若い男と駆け落ちした母親との再会の話も挙げられます。といっても感動の話と言えるような話ではありませんが。

いくつかのストーリーが並行して話が進みますが、それがこの作品の魅力でもあります。

フルメタル・パニックシリーズ・2

2014-06-30 | 書評


フルメタル・パニックシリーズ2作目は、東京が舞台となっています。1作目の戦うボーイミーツガールが、ハイジャックという題材でしたが、2作目の疾るワンナイトスタンドはロボットが暴れまわるというストーリーです。



前作で軍事組織ミスリルの傭兵である主人公の相良宗介は、一人の少女千鳥かなめを守るように命令されて、転校生として千鳥かなめの通う高校に入学しています。
その相良宗介のマンションへ、ある事情で東京に訪れたその上司のテレサ・テスタロッサがテロリストから追われて転がり込むところから本格的にストーリーが始まります。そこへ千鳥かなめがたまたま訪れて、そこから3人の逃避行が始まってしまいます。
1作目は、まだメインヒロインが千鳥かなめか、テレサ・テスタロッサ(通称テッサ)か、決まっていなかったのですが、完全にシリーズの方向性が決まったシリーズです。
千鳥かなめは1作目のゲストヒロインの予定だったのですが、学園モノの要素を入れるために、千鳥かなめを通う高校を舞台の一つにしました。
学園モノの要素が有ったため、フルメタル・パニックシリーズはここまでの人気シリーズになったと思いますが、メインヒロインが異なるフルメタル・パニックも読んでみたい気がします。