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nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

プリズンホテル冬

2016-11-26 | 書評



以前紹介したプリズンホテル夏の続編、プリズンホテル冬を今回紹介します。

今回はお馴染みのメンバーに登山家と、医療関係者が登場します。安楽死の問題や、救急医療の問題など結構重いテーマも出ています。この作品、やくざが経営するというより、やくざそのものが旅館の番頭というか、ホテルの従業員という設定は、悲劇を通り越して、喜劇状態になっています。
ところで、作品の中で血液型B型にたいして、破れかぶれの変人とか、偏屈とかかなり偏見的なことが書かれていますが、作者はうらみでもあるのでしょうか(笑)。


京都の凸凹を歩く

2016-08-16 | 書評


ブラタモリの京都編でお馴染みの梅林秀行さんの初の著書「京都の凸凹を歩く」を、京都駅の書店で見つけて購入しました。発行元が京都の出版社の青幻舎なので、京都市内の書店では並んでいるようですが、地元の書店では見かけませんでした。もっとも普通にAmazonで入手できますが。

京都というと、盆地で平らな街のイメージがありますが、周辺部や北部は高低差がかなりあります。この本では祇園、聚楽第、大仏(方広寺周辺)、御土居、巨椋池、伏見指月、淀城が紹介されています。御土居と巨椋池はブラタモリで紹介されており、それよりも詳しくこの本では紹介されています。
最後にブラタモリのプロデューサーの山内太郎さんとの対談が紹介さてていて、この対談も読み応えがありました。

刑事コロンボ 13秒の罠

2015-10-09 | 書評


刑事コロンボというと、金曜ロードショーで年に数回放映されていたイメージが強いのですが、1970年代からNHKで放映していました。
小説も何冊か発刊されていて、その中には小説オリジナルの作品もあります。
そのオリジナルの作品の1つが、この13秒の罠です。

大学の特別講演に訪れたコロンボが、殺人事件に巻き込まれるお決まりの展開となっています。
ここからはネタバレになりますが、この13秒の罠で使われた録音を聞いて、その場で起きたことを詳細に語り、録音ではわからなかった出来事を語らなかったため、犯人と見破られるというトリックは、2時間ドラマなどでも数回見たことにあるトリックだったりします。

使命と魂のリミット

2015-07-19 | 書評


久々に東野圭吾の小説を読んでみました。手術室を舞台にした医療ミステリーですが、医療のみをメインにはしてない特徴があり、医療技術的に難しい話は出てきません。

難しい心臓の手術がこの物語のメインテーマで、自分の父親の手術中の死がきっかけで、医療の道へ進む主人公氷室夕紀。主人公の母と父親の手術を担当した執刀医が親しくなり、やがて再婚することになり、父親の死に疑惑を持ったため、その執刀医の下で研修医として経験を積むことになります。その疑惑に対する答えも、結末では示されます。

また病院に対する脅迫、その犯人の動機をめぐる話も物語の中で同時並行的に進み、あちこちに伏線がはられたストーリーは読み応えがあり、読んでよかったと思える内容です。実を言うとハードカバーで購入して以来、数年間読まずに本棚に置いたままだったので。

使命な何なのかがメインテーマですが、使命というものは考えさせられるものがあります。

プリズンホテル秋

2015-05-30 | 書評



以前紹介したプリズンホテル夏の続編、プリズンホテル秋を今回紹介します。
ホテルに集まるいろいろな人のいろいろなドラマの悲喜こもごもが、同時並行的に進むのがこのプリズンホテルシリーズの魅力ですが、2作目はさらにすごい状況になります。

プリズンホテルはヤクザが経営する、ヤクザ専門のホテルなのですが、ふとした手違いから警察の団体旅行が訪れてしまい、ヤクザと警察が同じホテルに宿泊し、さらに宴会場が隣り合うという状況になります。警察関係者でもマル暴以外はヤクザとは普段あまり接点が無いわけで、大半はヤクザと気がつかないまま宴会を行うことになります。かなり泥酔した状況なので当然騒ぎになるわけです。

主人公的な存在の作家の女性関係も今回変化があります。作家はシングルマザーの子持ちの女性を秘書というより家政婦的に使っているわけですが、このホテルに旅行に行こうと呼び出した所、母親の急な入院で来られなくなりました。
そこで、その女性の女の子が初めて登場します。この女の子が、この2作目の主人公ともいえるような活躍をします。