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nishimino

にしみの鉄道情報局付属ブログ

屋鋪要の保存蒸機完全制覇

2014-04-20 | 書評


レイルマガジン誌に連載している時から、屋鋪要氏の保存蒸気機関車の撮影連載は注目していました。
全国の保存蒸気機関車は約600両のうち、個人所有で非公開の蒸気機関車以外はほぼ撮影されたようです。
大洋ホエールズでスーパーカートリオとして活躍した同氏ですが、小学生時代は野球少年であると同時に鉄道少年でもあり、引退後本格的に鉄道趣味を再開されたようです。

エピソードとして紹介されていますが、現役時代末期とコーチとして訪れた読売巨人のキャンプ地に蒸気機関車が保存されいたのに気がつかないというのは、灯台下暗しというか気が付かない時は気がつかないと言うか。友人が協力してくれたり、鉄道を通して親子の絆を深めたりと、蒸気機関車を撮影していく紀行記としても面白いと思います。

鉄道ファン(というより蒸気機関車ファン)としても知られる、前原誠司代議士との対談もあり、帯の推薦文は前原代議士が書いています。

フルメタル・パニックシリーズ・1

2014-02-24 | 書評
賀東招二のフルメタル・パニックシリーズとは、初めてアニメ化された2002年頃から長い付き合いがあります。



第一巻では主人公の相良宗介が、陣代高校に転校してきて、千鳥かなめの護衛を始めるところから物語が始まります。
アームスレイブというロボットが登場するロボットアニメでも有るのですが、高校が舞台ということも有り、学園モノの要素も入れた作品です。

装丁は2008年頃に新しくなりましたが、自分が持っているのは旧版の方で、数年の差を感じます。



フルメタル・パニックの中で、最大の名シーンだと思うのが、アニメ第七話の相良宗介、千鳥かなめ、クルツ・ウェーバーの3人が、敵に取り囲まれたところでする会話です。

相良「ばれた」
クルツ「つけられたな」
相良「時間の問題だった」
クルツ「万事休すか」
相良「そのようだ」
千鳥「私、こんな感じの映画で見たことあるよ。ちょうどあんたたちみたいな、むっつり男とナンパ男のお尋ね者が、アメリカの西部から南米あたりまで、どんどん逃げていくの。で、最後敵に取り囲まれちゃって」
クルツ「俺も見たぜ、その映画。たしかヒロインの可愛い子ちゃんは、ナンパ男の方にも優しくしてくれるんじゃなかったけ」
相良「どうなる」
千鳥「え!」
相良「そいつら、最後はどうなるんだ」
千鳥「わかんない。ピストル打ちながら、かっこ良く飛び出していったところで、映画が終わっちゃうの」
相良「そっか」
千鳥「昔の映画ってさー、主人公が平気で死んじゃたりするんだよね。あれって反則じゃん。やっぱ映画はハッピーエンドが」
ここで、一斉に敵が銃を撃ってくる。
千鳥「そうだね、こっちのほうが現実なんだよね」
クルツ「どうだい。いっちょ俺達もかっこいいラストシーンやってみるかい」
千鳥「賛成、うんと泣かせるシーンにしようね」
相良「千鳥、すまん。一緒に帰ることは出来なくなった」
千鳥「後悔してないよ。相良くんと会えてよかった」
クルツ「ほんじゃいきますか」

明日に向かって撃てのパロディですが、これは原作になく、アニメのオリジナルシーンです。

ハイジャックによって、北朝鮮に拉致されるというシーンがあり、この小説の発行は1998年なので、現実を少し先取りしているシーンもあります。

日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか

2014-01-16 | 書評
このブログの書評のネタには文化放送の武田鉄矢今朝の三枚おろしで紹介された本を、たまに取り上げています。毎日は聞けませんが、地元のラジオ局でもネットされていて、たまに聞いています。武田鉄矢氏ですが、故児玉清氏と並ぶぐらいの読書家のようで、その一部をラジオのネタや、たまに世界一受けたい授業で話しています。

世界一受けたい授業の方では日本語関係の話題しか話しませんが、今朝の三枚おろしでは結構幅広く本を紹介しており、たまにかなり過激な事も言っています。



一昨年2012年の12月末に、台湾出身の作家、黄文雄氏の本を取り上げ、その中でラジオの中で中国や韓国に日本が謝っても、無駄で「中韓にいくらおわびしても同じ」「謝っても日本許す気ない」という発言をしています。ラジオの音源はネット上の動画サイトなどに有りますので、興味のある方は検索してみてください。

自分も数回たまたま聞いていたので、かなり過激な発言をすると驚いた覚えがあり、しばらくしてその元になった黄文雄氏の著作「日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか」を読んでみました。
武田鉄矢氏の感想と同じですが、ここまで書くのかと。事実を積み上げたとはいえ、ここまで中国と韓国を書けるものなのかと驚いてしまいました。

差し障りの無いところを書くと、韓国の歴史ドラマはほとんど時代考証が出来ていないファンタジーで、中世の朝鮮はあれほど豊かではなく、鮮やかな服も存在しなかったということです。
かなりの歴史捏造もあったりして、フィクションとしては良く出来ているが、現代の価値基準で作られた妄想幻想にすぎないと同氏は述べています。


中国人と韓国人の思想を理解しないと、反日は理解できないというのが、この本から読み取れた最大のことだと思います。

たんぽぽ娘

2013-08-23 | 書評


ビブリア古書堂の事件手帖で紹介されて、一躍有名になった「たんぽぽ娘」。長らく絶版でしたが、再度発売されることになりました。

たんぽぽ娘が入った、ロバート・F・ヤングの短篇集はいくつか有ったのですが、復刊ドットコムから出たものは、たんぽぽ娘のみが収録されています。たんぽぽ娘はごく短い短編なので、かなり薄い本だったりします。

以下一部ネタバレが入っていいます。
ある日所用の妻とは別に休暇を過ごしていた男性の元に少女が現れ、その少女は23世紀からタイムマシンで20世紀に来たと自己紹介していた。休暇の間、何回かその少女と男性は遭って会話をし、親しみを感じ始めたが、ある日、タイムマシンを発明した少女の父が死んで、タイムマシンの修理ができなくなり、過去にはもう行けなくなると少女から告げられ、少女と男性が会うことはそれが最後になった。
休暇を終えた男性は家に帰ると、妻のある持ち物を発見し、それは少し前に見た見覚えのあるドレスだった。

「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」について

2013-07-20 | 書評
この本、去年の10月に出た本ですが、いろいろ有ってあまり読む気になれず、出てから半年もたって読んでいます。

東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと (幻冬舎新書)
福島の事故の当事者ともいうべき、当時総理大臣だった菅直人氏の著書です。当時、首相官邸で何が起きていたのか、その克明な記録というべき本です。
東電本社と福島の間のゴタゴタや意思疎通の悪さは、この本からも伝わってきます。詳しくは書きませんが、僅かな幸運によって最悪の事態、東日本全体の避難区域は避けられたと述べています。
事故に関しては官邸の介入とか言われていますが、東電本社が機能不全状態だったため、その機能を官邸が代行したというのが同氏の主張です。後々問題になった海水注入中止の指示については、明確に否定しており、福島第一原発の吉田所長の独断で継続したということです。

同氏は物理学が専攻で、原子力工学の専門家ではないのですが、理系であることが知られています。この本にも書かれている通り、多少の知識はあり、大学時代の人脈を活かすことが出来た点も僅かながら幸運だったのではと思います。


いろいろ情報を得ていますが、福島第一原発への津波到達後に出来たことは限られ、誰がどのようにしても、このような事態になったと思います。福島第一原発1~4号機の沸騰水型原子炉GEマークI形は自己冷却が出来ない、致命的欠陥があったのは明らかですし、地下一階に非常発電機を設置した単純な設計ミスであったと思います。津波に関しては、あまりに無防備だったということなのでしょう。

震災にも津波にもびくともしなかった屈強な女川原子力発電所と、脆弱だった福島第一原発、あまりに対照的ではないかと思います。

自分は鉄道ファンで、国鉄分割民営化後のJR7社の体質や考え方などを傍から見ていて、同じ国鉄から分離したとはいえ、特に本州三社は随分違うなということを感じています。
電力会社もJRと同じく、10社の体質や考え方などは、かなり異なるということが、この事故から見えて来ました。自分は使いこなせない技術はない、技術には限界はない、生命倫理の問題を除いて人間が入ってはいけない領域など無いと考えていますが、この電力会社の会社ごとに違う体質を見ていると、どうも原子力発電所を使う資格の有る会社と無い会社が有るようです。


現状で電力は全国的に需要を満たして安定してるように思えますが、老朽化した火力発電所の無理な延命で、いつ破綻しても不思議ではない危なっかしい状態での安定です。
10年以内には、高効率のコンバインドサイクル式の火力発電所が増設されます。経済的に安価なこれらの発電所が出揃い、ロシアや北米から輸入が始まり天然ガスの価格が下がれば、原子力発電所にこだわる必要性は無くなるのではと考えています。それまでは、原子力発電を使わざるを得ない状況ではないかと考えています。