賀東招二のフルメタル・パニックシリーズとは、初めてアニメ化された2002年頃から長い付き合いがあります。
第一巻では主人公の相良宗介が、陣代高校に転校してきて、千鳥かなめの護衛を始めるところから物語が始まります。
アームスレイブというロボットが登場するロボットアニメでも有るのですが、高校が舞台ということも有り、学園モノの要素も入れた作品です。
装丁は2008年頃に新しくなりましたが、自分が持っているのは旧版の方で、数年の差を感じます。
フルメタル・パニックの中で、最大の名シーンだと思うのが、アニメ第七話の相良宗介、千鳥かなめ、クルツ・ウェーバーの3人が、敵に取り囲まれたところでする会話です。
相良「ばれた」
クルツ「つけられたな」
相良「時間の問題だった」
クルツ「万事休すか」
相良「そのようだ」
千鳥「私、こんな感じの映画で見たことあるよ。ちょうどあんたたちみたいな、むっつり男とナンパ男のお尋ね者が、アメリカの西部から南米あたりまで、どんどん逃げていくの。で、最後敵に取り囲まれちゃって」
クルツ「俺も見たぜ、その映画。たしかヒロインの可愛い子ちゃんは、ナンパ男の方にも優しくしてくれるんじゃなかったけ」
相良「どうなる」
千鳥「え!」
相良「そいつら、最後はどうなるんだ」
千鳥「わかんない。ピストル打ちながら、かっこ良く飛び出していったところで、映画が終わっちゃうの」
相良「そっか」
千鳥「昔の映画ってさー、主人公が平気で死んじゃたりするんだよね。あれって反則じゃん。やっぱ映画はハッピーエンドが」
ここで、一斉に敵が銃を撃ってくる。
千鳥「そうだね、こっちのほうが現実なんだよね」
クルツ「どうだい。いっちょ俺達もかっこいいラストシーンやってみるかい」
千鳥「賛成、うんと泣かせるシーンにしようね」
相良「千鳥、すまん。一緒に帰ることは出来なくなった」
千鳥「後悔してないよ。相良くんと会えてよかった」
クルツ「ほんじゃいきますか」
明日に向かって撃てのパロディですが、これは原作になく、アニメのオリジナルシーンです。
ハイジャックによって、北朝鮮に拉致されるというシーンがあり、この小説の発行は1998年なので、現実を少し先取りしているシーンもあります。