トライアングルの部屋

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幻色江戸ごよみ 宮部みゆき

2021-09-12 09:06:09 | 本 2021年
鬼子母火(きしぼび)

酒問屋伊丹屋で神棚から火が出た
すぐに消されたが
番頭の藤兵衛が
注連縄の中に人の髪の毛を見つけた

それはまだ十二の奉公人おかつが
流行病で亡くなった母親の髪の毛を入れたのだった

大急ぎの弔いだからと
お経も読まず線香も上げなかった
その上
土葬ではなく火葬にされてしまった

母親の髪の毛を少しだけこっそり
奉公先に持ってきたのだと

おかつは母親を供養したいと
神棚の注連縄にそれを隠した
そうすればみんなに拝んでもらえて
お灯明もあげてもらえ
お榊も餅も供えてもらえると

女中頭のおとよは
情にほだされ叱ることもせず
一緒に念仏を唱えて
それを処分した

そのあとおかつの母親の魂のようなものが
おとよの周りに漂う気配が・・・

あかつの面倒はみるから
安心して成仏するよう言い聞かせると
気配は消えた

原作に茂七は出てこないが
高橋英樹さん演ずるドラマ茂七シリーズでは
おとよの役は
木の実ナナさん
怖いけど情のある奉公人想いの役だった

紅の玉

贅沢禁止令の出ている中
銀のかんざしを頼まれた佐吉

病気の妻を抱えて薬代欲しさに
引き受ける

原作は捕まる気配で終わっているが
ドラマでは茂七が妻を死んだことにして
二人を逃がす

春花秋燈

古道具屋の主人が
曰くつきのものを売りたい気配の客に
いろいろ話して聞かせる

器量のぞみ

醜女で大女のお信に縁談が持ち込まれる

相手は下駄屋「木屋」の一人息子で
評判の美男子

それも一目惚れしたとのこと

からかわれているのかと思ったけど
そうではなく真剣そのもの

変だ変だと思いながらも
嫁いでしまう
幸せいっぱいのお信

繁太郎の妹二人に会ってみれば
それはそれは可愛らしいのに
自分の顔を嘆いて気の病を罹っていた
数多くの縁談は断り
義姉であるお信を綺麗で羨ましいと

そんな時夢枕に
この家に憑りついている幽霊が現れる

綺麗な顔が綺麗に見えず
不器量が器量よしに見えるように
祟っていると

そして二十年もたつので
そろそろ意地悪をやめたいと
祟りを取り除く方法をお信に教える

しかしそこで
祟りが消えてしまったら
お信は醜女だと離縁されるのではと悩むお信

そうしているうちにお信は
女の子を産む
それはそれは可愛らしい子だった

お信はその子の将来のために
祟りを取り除く決心をする
それでどうなったかって?
どうもなりはしなかったと
妹二人は無事いい所へ
嫁いでいけたしお信も離縁されず
繁太郎と仲睦まじく・・・


庄助の夜着

これも怪談っぽい

居酒屋いなり屋の主人
五郎兵衛の娘の縁談が決まり
嫁いでいくことになった

その準備に幸せいっぱいの五郎兵衛

そのころいなり屋で働く庄助が
夜着に憑りついだ幽霊に惚れてしまったと言う

げっそりやつれていく庄助

まもなく庄助は姿を消す

庄助は本当は娘に惚れていたのではないかと
幽霊は本当にいたのかと五郎兵衛は思う・・・

まひごのしるべ

火事で夫と子供を亡くした女が
子だくさんの家の産まれたばかりの子供をさらい
自分の子として育てる

しばらくしてその子が迷子になるが
表立っては探せない

江戸時代には迷子石というのがあって
迷子や行方不明の者を探すために
設けられたもので
一種の公共掲示板

そこに来ていた女を町役人が見つけて
真相がわかると言う話

その町役人がドラマでは茂七
女の役はが中山忍さんが演じてた

火事で逃げるときに
抱いていた自分の子を
力を入れすぎて窒息死させてしまったという
母親としてはこんなつらい事はない

だるま猫

火消しになりたいと
組に弟子入りしたが
火事場へ行くと恐怖で
体が動かなくなる男の話

それをかぶると恐怖心が消えると言う
不思議なだるま猫の図柄の頭巾を
手に入れる

しかしそれは悪いことも招くというもの
どっちをとるか?

頭巾をくれた一膳飯屋の親父
原作ではそれをかぶって火事で焼け死んでるのだが
ドラマはそんなシーンはなかったなあ

親父を演じていたのは米倉斉加年さんだった

小袖の手
古着屋で買った小袖には
前に来ていた人の魂が宿っているかも

首吊り御本尊

捨松は奉公先がつらくて逃げ帰ってしまったが
すぐに連れ戻された

その捨松に大旦那さまが直々に見せたいものがあると言う
それは首吊り男が描かれた掛け軸だった

首吊り本尊として家の家宝なのだと

大旦那さまが丁稚奉公していた時
番頭さんが教えてくれた話を捨松に語る

番頭さんが丁稚だったころ
辛くて辛くて首をくくろうかと
土蔵に行ったら
そこには首を吊っている男がいた
そして「ここはもういっぱいだよ」と
怖くなり急いで部屋に戻ったが
次の日も行ってみたら同じことが・・・

そのうち仕事がつらくなくなってきた
(にぎり飯の話は略)
それは奉公人の神様か

しばらくして
捨松も仕事が辛い時
土蔵に行ってみた

そこにはおっかちゃんが首をくくっている姿が・・・
見えた気がした

自分が頑張らなければおっかちゃんも弟妹達も
首をくくって死ぬほかはない

それに気付かされた

その後大旦那さまが大往生をとげる

が、その話をほかの奉公人たちに聞いても
誰も知らない様子だし
そんな掛け軸があったと言う話もない

大旦那さまにおこわにかけられたらしいとあるが
これは人をだますという意味だと

神無月

毎年神無月になると十両だけ盗まれる

家の構造を知った下手人
畳屋だと目星を付ける

それは病気の娘の薬代の為だった

捕まるのかどうかという所で話は終わっている

茂七ではどうだっけ
確か捕まったはず

侘助の花

看板屋の要助の描く看板には
侘助の花が描かれて好評だった

その理由を口から出まかせに話していた

火事で生き別れになった娘がいる
自分が侘助の花が好きだという事を知っているので
看板に描いていたらいつか会いに来てくれるのではと

そしたら自分がその娘だと女が会いに来てしまった

紙吹雪

高利貸し井筒屋のせいで
無理心中した母と兄の仇を討とうと
井筒屋の女中として入り込んだぎん

母親は食べ物にねずみ取りの薬を混ぜたが
ぎんはまだ小さく吐き出して生き残った
兄は母親の気持ちを理解して呑み込んだと

ぎんは主夫婦を殺して借用書を屋根の上から
紙吹雪にして降らせた

飛び降りるのか?




好きな話は
器量のぞみと首吊り御本尊

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