白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

白洲正子文学逍遥記-005

2013-07-06 | 日本の伝統芸術

 

       白洲正子文学逍遥記

           & 能面・仏像・日本人形・・etc

                                    -005

 

 

 

 連日天気が続くと青空が恨めしくなります。夕方ともなると夕立が今にも来るような気配になるのですが、いつもポーズだけ。翌朝まで一滴も降らない状態。 朝は日の出と共に起きだして、蚊が飛ばないうちに畑で雑草を取ったり、水撒きをしたりと大忙しです。 先日、ちょっと実を付けたばかりのキュウリがもう20cm以上にもなって、今すぐにも収穫が可能な状態。兎に角南国の作物は生育が早い。一晩であっという間に成長してしまいます。

傍の苦瓜の花には熊蜂が飛んで来て、せっせと蜜を集めています。お陰で苦瓜の受精も捗るということになります。 かと思えばバラの葉や野菜の苗を食い荒らす食害虫。これはまだ許せるが、朝から人の血を吸うためだけに飛び掛ってくる蚊の類。これらが数週間の短い一生を終えたあと、どのような展開が待っているのか。神ならぬ身では解かりませんが・・・・・

                                              

 

 室生寺と金堂の諸佛達

 

 先回、室生寺の金堂内の諸仏の内、創建当時からの仏像は2体で後、安産寺の「地蔵菩薩」がそれであると書いた。その事についてもう少し踏み込んで書いてみたい。これらの三体の仏像群が創建当初のものである根拠は、

- 掌の造りが良く似ている。手首から掌にかけてのY字型の皺が共通する。

              十一面観音の右手       釈迦如来の左手

           

 

 B- 漣波式衣文、腹部と両脚部の接合点の衣文のY字型。

           釈迦如来               地蔵菩薩(安産寺)

             

C- 先般もご紹介した仏像の板光背の繧繝彩色と室生寺の光背のサイズが、安産寺の仏像に合うというところにある。

                                地蔵菩薩の板光背

         

             

               室生寺の金堂の仏像配置の特殊性

 

 室生寺の金堂の諸仏は像高のバラつきがあり、衣文の様式、肉付きの表現に違いが見られ、五体が同時に製作されてはいないと考えられている。製作様式から何れも平安時代前期の特徴を示しているとされている。

金堂の本尊・釈迦如来(古い形の薬師如来)には、通常の脇侍とは異なる、諸仏が配置されている。・・・薬師如来 、 地蔵菩薩 、 文殊菩薩 、十一面観音菩薩

この独特な配置は、春日大社の一宮から四宮、若宮の計五祭神の本地佛と共通し、室生寺の金堂はこれにならったものとされている。これは「本地垂迹説」に基づき、変化する前の仏・菩薩をさす。春日大社は藤原氏の祖先を祭る神社でもあり、以前にご紹介した「観菩提寺」「笠置寺」「海住山寺」などにもこの影響が有ったのである。

 

               ちょっと、一服                      

 

 8世紀頃のジャワと新羅の仏像遺跡の作品です。石造の仏像は韓国にも素晴らしい作品が残っておりますが、ジャワの仏頭は素晴らしい出来ですね。このような静かで穏やかな作品は写真で始めてみました。鉄佛は材料が硬いので、なかなか類例が少ないのです。

 

             ジャワ・ポロブドール 仏頭          新羅 鉄造・釈迦如来

                   

    

                   十二神将

 

 薬師如来の十二神将が五体の諸仏の前列に並んでおります。本尊の釈迦如来が創建当時古い形の薬師如来であったという、事情から来たものでしょう。十二神将は鎌倉時代の作とされている。写実的で動きもあり溌剌とした新鮮さを感じさせる。

古い作例ですが、奈良市内の「新薬師寺」にも塑像の類例がある。

 

 

                      十二神将・01

 

               亥神像    戌神像            酉神像    申神像

 

                      十二神将・02

                

                  丑神像         巳神像

 

十二神将・03

                  寅神像    子神像   亥神像   卯神像

次回は紹介し切れなかった諸仏をご紹介しよう。

 

 

                              

                          答礼

 

                                                                      

                                  元・「青森」・・竹館小学校蔵

 今回は Miss 青森 をご紹介しましょう。

2012.07-15 のブログでも、Miss 長崎 のところでご紹介しました。一部記事がダブります。

* http://blog.goo.ne.jp/nippondentougeinou/e/a6d0134fc5645b6c8490d5452b45041f

 

所蔵場所  ニューヨーク州 ロチェスター  ロチェスター 博物館

 

 

製作者   瀧澤 光龍斎

紋      人形 山桜

                                元 Miss 青森

                      

 

* http://wgordon.web.wesleyan.edu/dolls/japanese/aomori/index.htm 

 

 上の写真の赤の振袖の人形は、最近までマンチェスター州で個人蔵の不明人形でしたが、調査の結果Miss 青森という事がわかりました。 モノクローム写真の竹館小学校の写真の人形と着物の柄模様が同じですね。     

 ということで、今までMiss 青森 とされて来た人形が何処の人形かと。いう事になり調査が開始されました。結果的にはMiss 長崎 と言う事が判明されました。

 

           Miss 長崎瓊子

 

                 答礼人形「長崎瓊子」を丁寧に着付け直しする武さん

                        

                                          Miss 長崎 

  

 

上下の写真の人形は、一見違うように見えますが、帯の柄。顔つきは同じです。

 

                  

 

ということで、Miss 青森、Miss 長崎 は特定されました。次回はもう一体の不明人形について、書いてみたいと思います。Miss もも ちゃんです。

 

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