「かくれ里」編
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葛川 明王院
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千日回峰行
回峰行は7年間の「千日回峰行」と3年籠山僧が行う「百日峯行」の2種類がある。
千日回峰行は相応が開創した千日回峯行 と叡南祖賢大阿闍梨の2種類があるようだ。
今回は簡単にそのやり方を書いてみよう。
山中の行者
比叡山の近くに住んでいる方でも、千日回峰行の行者を実際にに見た方は少ないのではないだろうか。
筆者もこの眼で拝見したことはない。人が寝静まった早朝2時から寺を出立のであるから当然でもある。
千日回峰行の行程
無動寺
無動寺谷・明王堂
不動明王と童子
峯前に不動明王や二童子に向かい供養をする。小田原提灯の灯りで「無動寺谷明王堂」を出立する。
出峯に際しては死者と同じく室内から草履履きにより出立する。初日のみ大阿闍梨が先導する。
山中の行者道を進み、各所で約260回ほど礼拝<但行礼拝>しながら、
東塔<根本中堂・大講堂・戒壇院・山王院・浄土院>→西塔<椿堂・にない堂・釈迦堂>
→峯堂<玉体杉>→横川<中堂・慈恵大師御ちょう・四季講堂・恵心院>→八王子山
→日吉神社→滋賀院門跡→坂本→不動坂を上る→無動寺到着
以上で6~7時間を要する。冬季と夏季では違ってくるであろう。
寺に帰着すると、日常の勤行をこなしたうえで、翌日の回峯に備える。
睡眠時間は5~6時間である。超人的な行だ。
途中で事故などを起こすなどして、行を止めた場合には短刀で自決する決まりである。
1000日間の全行程は38.000Km 。おおよそ地球一周分を走破するに相当する。
四国八十八か所巡礼は全行程は1.500kmと言われている。途轍もない行である。
千日回峰行の種類
3流派が存在している。
1-本流・・無動寺の総本坊・法曼院の玉泉坊流・・「無動寺回峰」
2-1864年以来途絶した西塔の正教坊流・・「石泉坊流」
3-1987年に復活した横川飯室谷の恵光坊流・・「飯室回峰」
記録によると、安土桃山時代(1585)から2003年までに49人が満行者となっている。
この荒行を2度行った方は3人存在する。1987年に酒井大阿闍梨が2度の満行を行い、飯室回峯が復興された。
1回目は1980年、2回目は1987年で60歳であった。戦後、2015年までに13人が満行を果たしている。
酒井大阿闍梨
次回はもう少し立ち入って、回峯行について書いてみたい。