白洲 正子文学逍遥記

故・白洲正子様の執筆された作品を読み、その読後感と併せて能楽と能面、仏像と仏像彫刻、日本人形、日本伝統美術についてご紹介

「白洲正子文学逍遥記-かくれ里-葛川 明王院-04」 

2016-08-26 | 日本の伝統芸術

 

かくれ里 

-017 

 

葛川 明王院 

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千日回峰行

 

回峰行は7年間の「千日回峰行」と3年籠山僧が行う「百日峯行」の2種類がある。

千日回峰行は相応が開創した千日回峯行 と叡南祖賢大阿闍梨の2種類があるようだ。

今回は簡単にそのやり方を書いてみよう。

山中の行者

  

 

比叡山の近くに住んでいる方でも、千日回峰行の行者を実際にに見た方は少ないのではないだろうか。

筆者もこの眼で拝見したことはない。人が寝静まった早朝2時から寺を出立のであるから当然でもある。

 

 

 

千日回峰行の行程

 

無動寺

 

無動寺谷・明王堂

 

不動明王と童子

 

峯前に不動明王や二童子に向かい供養をする。小田原提灯の灯りで「無動寺谷明王堂」を出立する。

出峯に際しては死者と同じく室内から草履履きにより出立する。初日のみ大阿闍梨が先導する。

山中の行者道を進み、各所で約260回ほど礼拝<但行礼拝>しながら、

東塔<根本中堂・大講堂・戒壇院・山王院・浄土院>→西塔<椿堂・にない堂・釈迦堂>

→峯堂<玉体杉>→横川<中堂・慈恵大師御ちょう・四季講堂・恵心院>→八王子山

→日吉神社→滋賀院門跡→坂本→不動坂を上る→無動寺到着

以上で6~7時間を要する。冬季と夏季では違ってくるであろう。

寺に帰着すると、日常の勤行をこなしたうえで、翌日の回峯に備える。 

睡眠時間は5~6時間である。超人的な行だ。

途中で事故などを起こすなどして、行を止めた場合には短刀で自決する決まりである。

1000日間の全行程は38.000Km 。おおよそ地球一周分を走破するに相当する。

四国八十八か所巡礼は全行程は1.500kmと言われている。途轍もない行である。

 

 

 

千日回峰行の種類

3流派が存在している。

1-本流・・無動寺の総本坊・法曼院の玉泉坊流・・「無動寺回峰

2-1864年以来途絶した西塔の正教坊流・・「石泉坊流

3-1987年に復活した横川飯室谷の恵光坊流・・「飯室回峰

 

記録によると、安土桃山時代(1585)から2003年までに49人が満行者となっている。

この荒行を2度行った方は3人存在する。1987年に酒井大阿闍梨が2度の満行を行い、飯室回峯が復興された。

1回目は1980年、2回目は1987年で60歳であった。戦後、2015年までに13人が満行を果たしている。

 

酒井大阿闍梨

    

 

 

 次回はもう少し立ち入って、回峯行について書いてみたい。

 

 

 

 


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