日本の伝統芸術と芸能
能面と能楽・佛像と佛像彫刻
<その028>
人形特集-022
もう本州、北海道は晩秋か冬だというのに、西南諸島はハイビスカスが咲き、海水は生暖かく、泳ぎもできる感じ。山はいつも青々として紅葉なんてことはなし。アメリカのフロリダと同じ緯度ですから、当たり前という感じかな。
さて、市松人形のご紹介も押し迫って来ました。M清子さんのコレクションを紹介させていただきました。素晴らしい市松人形が沢山有りました。関東市松人形、京市松人形の特徴ある面立ちも分かってきました。
昭和、大正、明治だけでなく現代の市松人形にも探せば名品は有ります。ただ、著作権の問題もあり、M清子さんのような協力が得られる訳にはいつも行くものでは有りませんので、苦労してしまいます。
このブログは能面・仏像の紹介が本来の趣旨なのですが、いつの間にか人形のブログに変身してしまいました。それでも、これからは能面、仏像、人形をミックスして様々形で紹介させて貰います。これらは日本の文化そのものです。互いに影響しあって独立しているわけでは有りません。世界に冠たるこの文化を出来るだけ庶民の目線から研究、紹介してみたいと思います。
本日もM清子さんのコレクション人形のご紹介から。
抱き人形・大正期・43cm
ちょっと見には女の子のように見えますが、男の子だそうです。着物はコレクターのM清子さんの仕立て。淡い色目の縮緬。大きな瞳が特徴。静かな表情です。そう云えば。市松人形には女の子が圧倒的に多いですね。需要層の違いかな。国が違うとこの傾向が変わるかも。日本の場合は「端午の節句」、「雛祭り」といってハッキリと性別が分けられますので。
その内に「青い目の人形」の性別を調べてみましょう。どうなりますでしょうか。
抱き人形・十一代伊東久重・43cm
十一代久重はさまざまな表情の抱き人形を作っている。男女の区別が付きにくい作とされております。 初代久重は1767年生まれ、以後当代12代目は京都 金閣寺近くに在住。御所人形、高盛金彩絵を制作されているそうです。
* 高盛金彩絵・・伊東家は、有職御人形司として代々朝廷の御用を承ってきた由緒ある家柄。伊東久重氏はこの伊東家十二代の当主として、御所人形の制作や、古い人形の復元、修理などをおこなっている。
筆者もHPで高盛金彩絵を初めて拝見しました。古典の工芸品の中で見たような記憶は有るのですがハッキリとしません。奈良の正倉院の御物の中でしたでしょうか・・・・・御所人形は以前ご紹介しましたが、市松人形とは頭の作り方は基本的に同じですので、応用が利くのでしょう。
最前より「答礼人形」の京都・大木平蔵商店で製作された市松人形の頭などの製作者が誰かいろいろ考えてきましたが、このような方が居られたのでしょうね。
* 伊東家は現在の京都四条烏丸付近で江戸時代初期より「桝屋庄五郎」の屋号で薬種商を営む家筋でしたが、江戸時代中期の享保年間(1716~36)、手先が器用で人形作りの才に秀でた当時の当主が家業を人形制作としました。
次回をまた、お楽しみに!
それでは<答礼人形>に移りましょう。
「答礼人形」
「答礼人形」や「青い目の人形」の資料を取り寄せながら、アメリカの美術館・博物館の公開資料、日本のHPの公開資料を紐解きながら、<新・答礼人形>という形で、新しい出発をしてみたいと思います。
Miss 大日本・倭 日出子・ワシントンDC(スミソニアン博物館)
答礼人形のトップバッターとして紹介したかったのですが、なかなか人形の資料が有りませんでした。アメリカの博物館の資料はモノクロームの写真でした。もう少し鮮明な大きなサイズが欲しかったのですが、いまのところこの程度です。
この市松人形は天皇家からの下賜人形ですから、当初からアメリカの首都・ワシントンD・Cに贈られることは決まっていたそうです。製作者は京都の丸平大木平蔵商店となっておりますが、実際の製作者は公表されておりません。
頭の顔付きから判断すると、後日紹介することになる「Miss 名古屋市」の顔の表情に良く似ておりますので、先に紹介した十一代伊東久重氏でないかと思います。
パスポート ・大日本帝国人形旅券
パスポートの内容
このパスポートは「Miss 朝鮮」のものですが、写真は<Miss 大日本>が使用されております。他の人形のパスポートもこの形式が取られた模様です。
パスポートの右下の人形の写真はMiss 大日本
人形・道具の紋
十二葉菊菱
ミス・大日本は最初から特別扱いを受けておりましたそうで、展示される時もほとんど単独であったそうです。道具類もほとんど揃って居りました。「侍女人形」も一緒に展示されておりましたそうです。
どういう訳か日傘が3本あり、中に行方不明の「Miss 東京市」のものも有るそうです?
今まで紹介してきました答礼人形と比べると、堂々たる風格が人形から感じられますし、顔の表情も大分違います。小さいことですが、人形の足の開き加減をよく見てください。間隔がかなり大きいでしょう。これがそのように感じさせるのでしょう。
現在、資料を書店から送付中のものも有りますので、新たに分かりましたら次回以降に追記しましょう。現在書籍、HPなどから大分の資料に悪戦苦闘している最中です。紹介は少しの間一体に留めて紹介します。
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