狸  森  日  記

                 ムジナnoモリnoクラシカタ

今・・・何故

2008-07-19 00:38:54 | ひとりごと

「蟹工船」が注目を集めているのだろうか。
作者の「小林多喜二」は僅か30歳で亡くなっている。1903年に
生まれ1933年に永眠した。僕の亡くなったオヤジは1901年生まれ
だから20世紀に生まれて1991年に亡くなった。


オヤジと同年代・・と言うことになる。最初に読んだのは20代後半
だから随分前だ。我が家に有る本は、大抵が古い。その頃に集中し
て読んでいたからだろう。近年は余り本を買わない。大抵が一度
読んだものを読み返している。



小林多喜二はプロレタリア文学の作家で昭和の10年代まで生きてい
たら酷い目に遭っていたかもしれない。


僕が20代後半の頃には第一線でバリバリ仕事をこなしていた
そういう時期だから読んだのかも知れない。「大岡昇平の野火」
とか石川達三・水上 勉・島崎藤村・芥川龍之介・坂口安吾・
太宰 治などの本を読み漁っていた。


ただ大江健三郎の本だけは難しすぎて・・何冊も読んでいない。
その後は山本周五郎の本ばかり読んでいた。
倉田百三の「出家とその弟子」は捨てがたい本である。
高神覚昇の「般若心経講義」と共に座右の書になっている。


今手元に有る「蟹工船」は昭和54年版のもので、随分古い。
若い人には是非読んで欲しい一冊だろう。


派遣社員が多数を占める今の社会で、蟹工船が受け入れられる
要素はある。・・・で、今「蟹工船」なのかも知れない。



人間本を多く読んだからと言って、読んだ分だけ賢く生きて
いけるとは限らない。知識は知識だけのもので、大事なのは
「実践」である。知識を身につけ実践して、初めて自分の
血肉になる・・そう思っている。