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ADD?傾向のある塾教師がADHDやアスペルガー症候群の子にどうかかわり教えたらいいのか模索していくブログです。

発達障害の子の持っている得意な分野、優れた才能 2

2009-01-17 20:48:27 | 教育論
アメリカでの2E教育は、実践はまだ限られているものの、
重要性の認識は広がってきているそうです。

2Eプログラム(障害と才能が共存する子の教育)では、
学力、創造性、意欲などの観点から、
才能をしるす子を見つけるそうです。

「個別の教育支援計画」に才能を伸ばすこと、
才能を利用して障害を補うことなどを盛り込みます。
公立学校では、できるだけ通常学級で個別のニーズに対応して
特別支援が要らなくなることを
目指すのだそうです。

アメリカのどこでも…ということではないでしょうが、
そうした実践がされていること、それが広がりつつうることは
うれしいことです。
日本もそうした教育の理念が取り入れられていく事を願います。

すごいな…と感じるのは、その柔軟な考え方です。
障害が目立たず認定されない子は、
子どもが自分の才能を利用して障害を目だたなくさせているケースがあります。
そうなるとその子は、障害児教育にも才能教育にも入れてもらえないので、
先生方が注意深く観察し、
特別なニーズのある子は決まった基準で認定されなくても、
2Eプログラムに加えたりするそうです。

私が接したグレーゾーンの子や広汎性発達障害、ADHDの子のなかには、
「学力」にはムラがあるものの、
創造性と興味のある分野への意欲を見ると
とても能力の高い子がたくさんいます。

日本では、万べんなく何でもきちんとこなす…
こと
イコール学力とされています。
それはあまりにも狭い学力感ではないでしょうか。

学習全般に優れた行動特徴のチェックリストをこしらえて
小学校の担任にアンケートをおこなったところ、

学力・勤勉
独創性
空間的想像力

の3つ因子のうち、学力・勤勉は通常の学力のの児童の方が平均点が高く、
空間的想像力ではちがいがなく、
独創性では、学習につまずく児童の平均点の高い項目が多くなったそうです。

理科に関する調査では、

学習につまずく子は、「ひらめき型」が多く、「科学者型」は通常の児童と
かわりがありませんでした。
勤勉型の才能スタイルだけが、学習につまずく子が
弱い部分だったそうです。

そこで、ADHD傾向のある2Eの児童たちに、授業を工夫して
熱気球など自分の手で創造的につくれる活動をおこなったところ、
予想をびっしり書き込み、積極的に発言して、
実験に興味深く集中して楽しく取り組んでいたそうです。

私も教室に来る発達障害の子たちと、
科学実験や特別な数学の学習などをすると
その子たちの能力の高さと、独創的な発想に驚かされます。

けれども学校で評価が、そうした個性的な能力をまったく無視しているため、
結局、学習への意欲を失っていく子が多いです。
とても残念です。
日本の教育が少しずつ柔軟で
ひとりひとりの子の成長を見つめたものになっていくことを願っています。





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引用は『本当に「才能」見つけて育てよう』 松村暢隆 ミネルウ゛ァ書房




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