70歳までに3分の1が乳癌になるリスク遺伝子
ケンブリッジ大学を中心とする8カ国17センターからの国際的なPALB2研究グループは、BRCA1またはBRCA2突然変異を持たない154組の家族のデータを分析した。その中にはPALB2遺伝子の突然変異を持つ362人が含まれた。
その結果、PALB2のまれな突然変異を持つ女性が70歳までに乳癌を発病する可能性は、平均して35%であることが判明した。
しかしながら、そのリスクは乳癌の家族歴にきわめて依存的であり、乳癌に冒された親族がより多い突然変異保因者の方がリスクは高かった。
PALB2はBRCA1とBRCA2両方と相互作用することが知られており、最初に乳癌と関連づけられたのは2007年だった。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17200668
BRCA1またはBRCA2の突然変異を持つ女性と同様に、PALB2突然変異をもつ女性は生まれた年代が最近になるほど、乳癌を発病する危険が高い傾向があった。
その理由は不明だが、例えば第一児の出産が遅いことや、家族が小さいこと、そして検査精度の向上により癌と診断される年齢が早まるなどの因子が関連するのだろうと研究者は推測している。
学術誌参照:
1.PALB2突然変異を持つ家族の乳癌リスク。
ニューイングランド・ジャーナル・オヴ・メディシン、2014;
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/08/140807105547.htm
<コメント>
BRCA1/BRCA2と相互作用するPALB2(Partner And Localizer of BRCA2)も乳癌リスクを高めることが確認されたという記事です。
PALB2はBRCA2と複合体を形成して遺伝子の損傷を修復を促進します。
http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/10/100418_nakayama.html