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膵臓癌ではγδT細胞とαβT細胞がお互いに争う

2016-09-13 06:06:41 | 
Immune system infighting explains pancreatic cancer's aggression

August 25, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/08/160825130612.htm

なぜ免疫系は、膵臓癌を認識して攻撃するのに悪戦苦闘するのか?
その理由を説明するのは細胞同士の『内輪もめinternal conflict』かもしれない

ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターとパールマターがんセンターを中心とする研究によれば、この内輪もめinfightingを抑えることが膵臓癌の治療をより効果的にするかもしれないという

Cell本誌で8月25日に発表された研究では、免疫細胞の強力なサブセットである『ガンマデルタT細胞(γδT細胞)』がどのようにして『腫瘍を攻撃するT細胞』を妨害するのかについて説明する
γδT細胞による干渉がなければ、αβT細胞のCD4+T細胞とCD8+T細胞は増殖し、ウイルスや細菌を攻撃するのと同じようにして腫瘍を積極的に攻撃する
しかし不幸なことに、免疫系は腫瘍を進行させるγδT細胞を大量に作り出し、それらは膵臓癌の腫瘍に浸潤する

最近の進歩した免疫療法では患者自身の免疫系を活性化させて癌と戦わせるというアプローチが用いられ、CD4+T細胞やCD8+T細胞の影響を加速する
今回新たに発表された研究結果は、膵臓癌では、この種の免疫療法はより厳密に標的を定める必要があることを証明するものだ
γδT細胞を阻止しなければ、CD4+T細胞もCD8+T細胞も機能することはできず、癌の増殖を阻止することもできない

「標準的な免疫療法は膵臓癌ではうまくいかない
それが一体なぜなのか、今回我々はその理解を助ける情報を得た」
首席著者senior authorのGeorge Miller, MDは言う
彼はパールマターの免疫学プログラムの部長headであり、外科部では副部長vice chairで、ランゴンの細胞生物学部では準教授associate professorである

「腫瘍に対する主な防御メカニズムは、膵臓癌では完全に無力化される」


Millerの研究では膵管腺癌/pancreatic ductal adenocarcinoma (PDA) に焦点を当てた
過去20年間に次々と新たな治療が現れてきたことで全ての癌の生存率は劇的に改善したが、どんなタイプの膵臓癌でも診断から5年後に生存しているのは約8パーセントに過ぎない

γδT細胞はヒトのPDA腫瘍で数が多くprolific、T細胞の約40パーセントを占める
このことから、Millerと、そしてランゴンで外科研修医surgery residentのDonnele Daley, MDたちはγδT細胞が膵臓癌の促進において独特な役割を演じるという仮説を立てた

複数のテストの結果、γδ細胞が単独では腫瘍の成長を促進しないことが明らかになった
γδ細胞は腫瘍と戦う他の免疫細胞の作用を妨害していたのである

この発見は免疫系の複雑さをも強調するものだとMillerは言う
膵臓癌の腫瘍がノーチェックで増殖することを可能にするγδT細胞は他の癌、例えばメラノーマやいくつかの腎癌、結腸癌とは戦うことが示されている
様々な癌において全ての免疫細胞が同じ役割を持つわけではなく、時折それらはお互いに邪魔をする


この研究は膵臓癌の診断と治療の開発にとって重要な意義を持つが、Millerは研究結果をヒトに当てはめるのは簡単ではないと警告する
なぜなら、ヒトのγδT細胞を阻害することが可能な既知の薬剤や他の方法が現在まったく存在しないからである

今回の研究でMillerのチームは、膵臓癌を生じさせたマウスの腫瘍のサイズと免疫細胞の量を時間を追って分析した
通常のγδT細胞よりも数を減らした膵臓癌マウスは、通常のγδT細胞を持つマウスよりも平均で1年近くも長く生存し続けた


http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2016.07.046
γδ T Cells Support Pancreatic Oncogenesis by Restraining αβ T Cell Activation
γδT細胞はαβT細胞の活性化を抑制することにより膵臓の腫瘍形成を補助する



Highlights
・γδT細胞はヒトの膵臓癌で非常に優勢highly prevalentである
・γδT細胞を消去するかリクルートを妨害することは膵臓癌において保護的である
・膵臓癌に浸潤するγδT細胞はチェックポイントリガンド(PD-L1)を高レベルで発現する
・γδT細胞はαβT細胞の活性化を不可能にするが、それはチェックポイント受容体(PD-1)との結合ligationを介する


Summary
炎症は膵臓の腫瘍形成で中心的paramountである

我々は独特に活性化したγδT細胞の集団を突き止めた
γδT細胞はヒトの膵管腺癌(PDA)において腫瘍に浸潤するT細胞の40パーセントまでを占める

γδT細胞のリクルートと活性化は、様々なケモカインシグナルによって決まるcontingent
γδT細胞の消去、枯渇、またはリクルートの阻害はPDAに対して保護的であり、Th1に分化polarizationしたαβT細胞の浸潤と活性化が増大するという結果になった
αβT細胞はPDAの結果に対して重要ではないdispensableが、γδT細胞を除去した際の腫瘍からの保護を仲介するものとしては必須indispensableである

PDAに浸潤するγδT細胞は高レベルの『疲弊リガンド/exhaustion ligands』を発現し、それにより腫瘍に対する適応免疫を無効化するnegate
γδT細胞のPD-L1を阻害すると、CD4+T細胞とCD8+T細胞の腫瘍浸潤infiltrationと免疫原性immunogenicityが促進され、腫瘍からの保護が誘導された
このことはγδT細胞がPDAにおける免疫抑制性チェックポイントリガンド(PD-L1)の決定的に重要な源であることを示唆する

我々は新たなクロストークを介して癌におけるT細胞活性化を調節する中心的な因子central regulatorsとしてγδT細胞を記述する



参考サイト
http://www.space-arch.com/medicalcost.html
ガンマ・デルタT細胞療法は1回の投与で33万円が目安です。1セットを6回とした場合、それに初診料と相談料を合わせると、合計で200万円程度になります。



参考サイト
http://www.j-immunother.com/gdt/
実際の治療では、患者さんの血液中に存在する少量のガンマ・デルタT細胞を取り出して、その数を莫大に増やし、攻撃力を強化してから、身体に投与します。


<コメント>
莫大に増やしちゃっていいんですか?



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https://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150330122354.htm
腫瘍によってγδT細胞を介して活性化した好中球は、CD8+T細胞を抑制する
 [腫瘍]─(IL-1β)→[γδT細胞]IL-17─(G-CSF)→好中球─┤CD8+T



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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/8e8d593bb231a0d168333508e582e009
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https://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150416112826.htm
21歳から41歳の健康な成人52人に4週間の乾燥シイタケを1日4オンス(120グラム)食べさせたところ、γδT細胞の機能が向上し、炎症タンパク質は減少した



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https://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140908121504.htm
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