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癌細胞はアミロイド前駆体タンパク質で血管を殺す

2016-08-17 06:06:28 | 
Loophole for cancer cells found

Cancer cells kill blood vessel cells so that they can slip through the vascular wall, form metastases

August 10, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/08/160810104248.htm


(Diagram of the mechanism by which metastatic cancer cells exit blood vessels.
The APP molecule on cancer cells activates the DR6 receptor on vascular wall cells (endothelial cells).
As a result, the endothelial cell is selectively killed (through a process called necroptosis).
In this way, the cancer cell creates an escape route from the bloodstream.
It then either slips directly through the resulting gap (1) or interferes with chemical messengers from neighbouring cells around the dead endothelial cell, causing a gap to form between them (2).)

多くの癌が致死的なほど危険になるのは、体内のどこかに転移を形成した時だけである
そのような二つ目の腫瘍は個々の細胞が元の腫瘍から逃れ、血流を通じて遠くまで移動すると形成され、移動するためにはまず血管の壁を通り抜けなければならない

バート・ナウハイムのマックス・プランク心肺研究所とゲーテ大学フランクフルトの研究者たちは、腫瘍細胞が血管壁の細胞を殺すことを研究で示した
これにより腫瘍細胞は血管から離れて転移を確立することが可能になり、このプロセスはAPPとDR6という分子によって促進される


癌で死ぬ最も大きな原因は元の腫瘍それ自体ではなく、その後に形成される転移である
ほとんどの腫瘍細胞は血流を通じて広がるため、個々の腫瘍細胞は血管に入り、元の腫瘍から離れた場所で血流から外へ出なければならない


ケルン大学University of Cologneとハイデルベルク大学University of Heidelbergの研究者たちと共に、
マックス・プランク心肺研究所の薬理学部の部長でありゲーテ大学フランクフルトの教授でもあるStefan Offermanns率いる研究グループは、血管を通じた転移の根底にあるメカニズムを明らかにすることに成功した

彼らは細胞培養を使った研究で、個々の腫瘍細胞がどのようにして血管壁の内皮細胞endothelial cellを殺すのかを初めて観察した
このネクロプトーシスnecroptosisとして知られるプロセスは、癌細胞が内皮細胞の層を越えることを可能にした

「我々は次に、同じプロセスが生体内でも起きることをマウスで示すことができた」
筆頭著者first authorのBoris Strilicは言う


また、科学者たちは内皮細胞それ自体が自らの死についてのシグナルを発することを発見した
血管壁の細胞はその表面に『死の受容体/Death Receptor 6 (DR6)』という受容体を持ち、癌細胞の表面には『アミロイド前駆体タンパク質/amyloid precursor protein(APP)』というタンパク質が存在する

Strilicが次のように説明する
「癌細胞が内皮細胞と接触すると、癌細胞のAPPが内皮細胞のDR6を活性化する
これが癌細胞による血管壁への攻撃の開始の合図となりmarks the start、最終的にネクロプトーシスという血管壁の細胞死によって終わる」


細胞膜の『死の受容体』
Death Receptor in the cell membrane

次にマックス・プランクの研究者は、死の受容体6/Death Receptor 6が使えないように遺伝子を操作したマウスでは内皮細胞のネクロプトーシスが少なく、転移の発生も少ないことを示した

「この影響はDR6を阻害、またはAPPを阻害した後にも見られ、したがって我々の以前の観察を裏付けるものである」
Strilicは言う


しかし、結果として生じた血管壁の割れ目gapを通じて直接癌細胞が移動するのか、それとも他に間接的な影響が存在するのかどうかはまだ完全には明らかではない

「血管壁の細胞が死ぬ時にさらに多くの分子が放出され、それらが周囲の領域を通過しやすくするという証拠evidenceを我々は持っている」
Offermannsは言う

「このメカニズムは、転移の形成を防ぐための治療の有望な出発点になりうる」

しかしながら、DR6の阻害が望ましくない副作用を引き起こすかどうかをまず確定しなければならない
また、この観察がどの程度までヒトに移し替えることができるかについても確かめる必要があるだろう


http://dx.doi.org/10.1038/nature19076
Tumour-cell-induced endothelial cell necroptosis via death receptor 6 promotes metastasis.
腫瘍細胞によって誘発されるDR6を介する内皮細胞のネクロプトーシスは転移を促進する

Abstract
転移は癌関連死の主な原因である
転移は複雑で多段階のプロセスであり、遠隔臓器に定着するcolonizeために個々の腫瘍細胞は主に循環系を通じて広まる (1, 2, 3.
いったん循環に入ると、腫瘍細胞は脆弱vulnerableなままであり、その転移ポテンシャルは内皮バリアを通過することによって血流から逃れるための急速かつ効率的な方法に強く依存する (4, 5, 6, 7, 8, 9.

腫瘍細胞の血管外遊出extravasationは、白血球の内皮細胞を通過する移動transendothelial migrationに似ているというエビデンスが提供されてきた (7, 8, 9.
しかしながら、腫瘍細胞が遊出する間どのようにして内皮細胞と相互作用し、これらのプロセスがどのようにして分子レベルで調節されるのかは不明のままである

今回我々はヒトとネズミmurineの腫瘍細胞が内皮細胞に『プログラム化されたネクローシス/programmed necrosis (ネクロプトーシスnecroptosis) 』を誘発し、それが腫瘍細胞の遊出と転移を促進することを示す

マウスに対してRIPK1阻害剤のnecrostatin-1を投与するか、内皮細胞特異的にRIPK3を削除すると、腫瘍細胞による内皮細胞のネクロプトーシスは減少し、腫瘍細胞の血管外遊出と転移も抑制された

※RIPK1: 受容体と相互作用するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼ1/ receptor-interacting serine/threonine-protein kinase 1

対照的に、薬理学的なカスパーゼ阻害、または内皮細胞特異的なカスパーゼ8の欠損は、これらのプロセスを促進した

我々はさらに、遊出と転移につながる腫瘍細胞誘発ネクロプトーシスには 腫瘍細胞が発現するアミロイド前駆体タンパク質/amyloid precursor protein(APP)と、その受容体であるdeath receptor 6 (DR6) が内皮細胞上に存在することが これらの効果の主なメディエーターとして必要であることをin vitroとin vivoで示す

我々のデータは腫瘍細胞の遊出と転移の根底にある新たなメカニズムを同定し、そして内皮細胞のDR6を介するネクロプトーシスのシグナル伝達経路が転移を抑制する治療標的であることを示唆するものである



References
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19225519
APP binds DR6 to trigger axon pruning and neuron death via distinct caspases.
(APPはDR6に結合し、異なるカスパーゼを介して軸索の刈り込みとニューロンの細胞死を引き起こす)



Extended data figures and tables
http://www.nature.com/nature/journal/v536/n7615/fig_tab/nature19076_SF9.html
Extended Data Figure 9: APP is expressed in different murine and human TCs.


http://www.nature.com/nature/journal/v536/n7615/fig_tab/nature19076_SF10.html
Extended Data Figure 10: Effects of loss of APP on TCs and on metastasis formation.

h,
モデル:
腫瘍細胞はAPP-DR6を介して RIPK1/RIPK3/MLKLに依存するネクロプトーシスを内皮細胞に誘発し、腫瘍細胞は内皮細胞の死後に生じた割れ目gapを直接通過する
代わりにalternatively、または並行してin parallel、傷害関連分子パターン/damage-associated molecular pattern molecules (DAMPs) の分子がネクロプトーシスを起こした内皮細胞から分泌され、
それが腫瘍細胞と、ネクロプトーシスを起こしていない内皮細胞などの他の細胞のどちらかまたは両方に作用し、腫瘍細胞の遊出と転移を促進する



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