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メラノーマの9割が発現するlncRNA

2016-03-29 06:06:11 | 
Breakthrough in diagnosis of melanoma skin cancer

March 23, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/03/160323151848.htm

ルーヴェン・カトリック大学/Katholieke Universiteit Leuven(KU Leuven)からfromのフランダース・バイオテクノロジー研究所(VIB)の研究者は、ゲント大学(ベルギー)と協力して
悪性のメラノーマとノンコーディングRNAのSAMMSONとの間の注目すべきつながりを明らかにした

※VIB: Flanders Institute for Biotechnology。Flandersは、フランス語でFlandre、フラマン語(ベルギー北部で話されるオランダ語方言)ではVlaanderen。フランダース、フランドル、フランデレン

SAMMSON遺伝子はヒトの悪性メラノーマで特に発現し、印象的なことに悪性皮膚癌の増殖はこの遺伝子に強く依存する
今回の研究結果は皮膚癌の診断と治療の改善へとつながる可能性がある
研究を主導したJean-Christophe Marine教授 (VIB/KU Leuven) とPieter Mestdagh教授 (UGent) は、この結果が一流の科学誌であるNatureに発表されることで大きな騒ぎを引き起こすことが予想されている


ヒトのゲノムを主に占めるのは『ジャンクDNA』、つまりタンパク質をコードしない役立たずのガラクタであると長い間考えられてきた
しかし最近の洞察から実際にはゲノムが多くのノンコーディングRNA/non-coding RNA(タンパク質をコードしないRNA)を作り出し、生物学的なプロセスや疾患において重要な役割を演じることが示されている

Marine教授 (VIB/KU Leuven) とMestdagh教授 (UGent) のラボは現在ノンコーディングRNA遺伝子の癌への寄与について研究しており、中でも彼らが特に興味を持っているのは長鎖タイプのノンコーディングRNA(lncRNA)である


癌におけるlncRNAのスクリーニング
Screening for lncRNA genes in cancer

皮膚癌の発症における特定のlncRNA遺伝子の重要性を評価すべく、VIBラボはゲント大学の小児学部・遺伝医学部medical geneticsと手を組んだ
Pieter Mestdaghが率いるゲントの研究チームが様々なタイプのあらゆる癌で莫大な数のlncRNAの発現について大規模なスクリーニングを実施した結果、
メラノーマ特異的なlncRNAとしてSAMMSONを明らかにした


Pieter Mestdagh (UGent) は言う
「我々の研究では長鎖ノンコーディングRNA遺伝子のSAMMSONがヒトのメラノーマで特に発現し、患者の約10パーセントで重複duplicatedするか増幅amplifiedされていた
そしてSAMMSONはメラニンを作る通常の細胞であるメラノサイトや他の正常な成人組織ではまったく見られなかった
このSAMMSONの独特の発現プロファイルから我々はこの遺伝子がメラノーマの病因において重要な役割を演じているのかもしれないという仮説を立てるに至った」

VIBの研究チームはSAMMSONがヒトの悪性メラノーマ臨床サンプルの90パーセント以上で特に発現しており、良性では発現しないことを確認した
さらに、SAMMSON遺伝子はメラノーマ特異的な転写因子SOX10によって活性化されることも示した


メラノーマのSAMMSONへの依存
Melanoma addiction to SAMMSON

加えて、VIBの科学者たちはメラノーマ細胞がSAMMSONの発現に顕著な依存を示すことを発見した
培養したメラノーマ細胞でSAMMSONの発現を低下させると、メラノーマのタイプに関係なく癌細胞は急速にそして甚だしく死に絶えていったことから『SAMMSONへの依存』という重要な結論に至った

Jean-Christophe Marine (VIB/KU Leuven) は言う
「in vitroとマウス前臨床モデルの両方で、標的を限定するアンチセンス分子を通じてSAMMSONを阻害することによりメラノーマの増殖を劇的に抑制することを我々は示した
重要なことに、癌細胞にエネルギーをもたらすミトコンドリアにSAMMSONはリクルートされることを我々は発見した
これらのアンチセンス分子はSAMMSONの分解を促進することによって活発なミトコンドリアの活力を妨害し、腫瘍の成長を止めた
他の言葉で言えば、SAMMSON依存は明確な弱点であり、
通常の細胞に影響を与えることなく標的治療を通じて戦うことが可能である」


臨床試験に向けた次のステップ
Next steps for clinical trials

SAMMSONがメラノーマ悪性度のバイオマーカーとしてはたらくという仮説をしっかり確認するためにはさらなる研究が必要になるだろう
SAMMSONは良性メラノーマでは発現しないため、その出現はメラノーマの予後を劇的に改善する新たな診断ツールの開発において重要なファクターでありうる

おそらくより重要なことに、ゲント大学、VIB、ルーヴェン・カトリック大学が協力して努力した今回の結果は新しい皮膚癌治療に向けた堅い地盤となる
今回と同じ研究グループがすぐに毒物学的な/中毒の研究を開始する予定であり、現在互いに有益な未来の提携を探るべく様々な工業/産業的な参加者たちindustrial playersと話し合いを始めるところである


http://dx.doi.org/10.1038/nature17161
Melanoma addiction to the long non-coding RNA SAMMSON.

病巣での染色体3p13-3p14の増幅はメラノーマの約10%で生じ、予後の悪さと関連する
メラノーマ特異的な癌遺伝子MITFはこの増幅産物ampliconのepicentreに存在する(1
しかしながら、この増幅産物に存在する他の遺伝子座もまたメラノーマ形成oncogenesisに寄与するのかどうかは明らかではない

今回我々は最近アノテーションされたannotated長鎖非コードRNA/long non-coding RNA(lncRNA)遺伝子のSAMMSONが一致してMITFと共に得られるco-gainedことを示す

加えて、SAMMSONはこの系統特異的な転写因子であるSOX10の標的であり、その発現はヒトのメラノーマの90パーセントで検出可能である

外因的なSAMMSONはクローン原性ポテンシャルclonogenic potentialをトランスにin trans増大させる一方で、SAMMSONのノックダウンは転写的な細胞の状態ならびにBRAF・NRAS・TP53の変異状態に関係なく劇的にメラノーマ細胞の生存能力を低下させる

さらに、SAMMSONを標的にすることはin vitroならびに患者由来の異種移植モデルにおいてMAPKを標的とする治療法に対してメラノーマを感受性にする

機構的に見ると、SAMMSONはミトコンドリアの恒常性と代謝のマスターレギュレーターであるp32と相互作用し、そのミトコンドリアを標的にする機能ならびに腫瘍形成性の機能を増大させる

我々の結果は癌遺伝子SAMMSONへの系統的な依存のサイレンシングが、必須vitalのミトコンドリア機能を癌細胞特異的な方法で中断disruptさせることを示す
したがってこのサイレンシングは非常に有効かつ組織限定的な抗メラノーマ治療応答をもたらすと期待される



http://dx.doi.org/10.1038/nature17161
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Mitochondrial p32/C1QBP is highly expressed in prostate cancer and is associated with shorter prostate-specific antigen relapse time after radical prostatectomy.
ミトコンドリアp32/C1QBPは前立腺癌で発現が高く、根治的な前立腺切除術後のPSA再発時間の短さと関連する
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10.Fogal, V. et al.
Mitochondrial p32 protein is a critical regulator of tumor metabolism via maintenance of oxidative phosphorylation.
ミトコンドリアp32タンパク質は腫瘍代謝の決定的な調節因子であり、酸化的リン酸化の維持を仲介する
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11.Fogal, V. et al.
Mitochondrial p32 is upregulated in Myc expressing brain cancers and mediates glutamine addiction.
ミトコンドリアp32はMycを発現する脳腫瘍で上方調節され、グルタミン依存を仲介する
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http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20100866

12.Fogal, V., Zhang, L., Krajewski, S. & Ruoslahti, E.
Mitochondrial/cell-surface protein p32/gC1qR as a molecular target in tumor cells and tumor stroma.
腫瘍細胞と腫瘍ストロマにおける分子標的としてのミトコンドリア/細胞表面タンパク質p32/gC1qR
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13.Muta, T., Kang, D., Kitajima, S., Fujiwara, T. & Hamasaki, N.
p32 protein, a splicing factor 2-associated protein, is localized in mitochondrial matrix and is functionally important in maintaining oxidative phosphorylation.
p32タンパク質/スプライシング因子2関連タンパク質はミトコンドリアマトリックスに局在し、酸化的リン酸化の維持において機能的に重要である
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p32/gC1qR is indispensable for fetal development and mitochondrial translation: importance of its RNA-binding ability.
p32/gC1qRは胎児の発達ならびにミトコンドリア翻訳に必須である: そのRNA結合能の重要性
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15.Hu, M. et al.
p32 protein levels are integral to mitochondrial and endoplasmic reticulum morphology, cell metabolism and survival.
p32タンパク質レベルはミトコンドリアならびにERの形態/構造、細胞の代謝と生存にとって必須である
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栄養膜増殖の調節におけるミトコンドリア関連タンパク質p32の役割
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p32 regulates mitochondrial morphology and dynamics through parkin.
p32はミトコンドリアの形態/構造ならびに動態を調節するが、それはパーキンを通じてである
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18.Jiao, H. et al.
Chaperone-like protein p32 regulates ULK1 stability and autophagy.
シャペロン様のタンパク質p32はULK1安定性とオートファジーを調節する
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https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160229221011.htm
メラノーマはDNMT3b/メチル化によりmTORC2/Rictorを調節して増殖を促進する
DNMT3b↑─┤miR-196b↓─┤mTORC2/Rictor↑→増殖↑

http://dx.doi.org/10.1016/j.celrep.2016.02.010
DNMT3b Modulates Melanoma Growth by Controlling Levels of mTORC2 Component RICTOR

 

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