Many targeted cancer therapies suppress T cell immune responses
New 'superagonist' can help overcome these immunosuppressive effects while preserving the powerful anti-cancer benefits of these drugs
March 22, 2016
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/03/160322120045.htm
(José Conejo-Garcia, M.D., Ph.D.
Credit: The Wistar Institute)
癌への標的治療targeted therapiesは多くの場合化学療法や手術よりも好まれるが、その理由は標的治療が腫瘍を促進する変異を持つ特定の癌細胞を攻撃して殺す一方で、そのような変異を持たない通常の健康な細胞は残すからである
臨床試験では標的治療の腫瘍細胞への効果を調べることが強く強調されてきたが、しかしそれが免疫系に与える影響はまったく調査されてこなかった
しかしながら、ウィスター研究所の新たな研究により標的治療の多くはT細胞の活性を抑制することが実証された
T細胞は本来腫瘍と戦う細胞である
さらに、FDAによって承認された標的治療であるトラメチニブ/trametinibとシグナル伝達タンパク質『スーパーアゴニストsuperagonist』とを組み合わせることで、T細胞の活性を刺激しつつ癌を阻止する能力はそのまま保たれることを明らかにした
「腫瘍細胞に標的治療を使うと免疫系にどのような結果が起きるのか、我々は知りたかった」
首席著者のJosé R. Conejo-Garcia, M.D., Ph.D.は言う
彼はウィスター研究所の腫瘍微小環境・転移プログラムで教授でありプログラムリーダーでもある
「もし我々が標的治療と免疫療法の組み合わせまたは逐次的投与の効果を最大化するつもりならば、これらの薬が腫瘍細胞と白血球との間の相互作用に与える影響を理解しなければならない
白血球は免疫原性immunogenicの腫瘍細胞の増殖をコントロールするために必須の免疫細胞である」
Conejo-Garciaたちは様々な小分子の阻害剤41種類とそれがヒトT細胞に与える影響を調べた
T細胞は病原体や癌細胞から体を守る細胞である
そして研究でテストしたあらゆるevery標的治療がことごとくT細胞を阻害し、しかも癌細胞よりも強力potentlyに妨害した
研究者が注目したのはメラノーマの全患者のほぼ半数に見られるBRAFV600E/K突然変異を持つ転移性メラノーマの治療用としてFDAに承認されたトラメチニブ(メキニストMekinist)というMEK1/2阻害剤で、これが特に強くT細胞の活性を阻害した
研究者たちはもしサイトカインという細胞シグナル伝達タンパク質が免疫細胞へのシグナルだけを促進できればトラメチニブのネガティブな影響からT細胞を解放できると推測し、そして実際に一般に投与されるサイトカインがT細胞の活性を保護することを示した
中でもインターロイキン-15(IL-15)がトラメチニブと共に使うことが適切なサイトカインであることを彼らは明らかにした
IL-15はエフェクターT細胞のシグナル伝達活動をより強力に促進する一方で、エフェクターT細胞を抑制する可能性がある制御性T細胞の集団は増殖させなかった
Conejo-Garciaたちは現在第一相/第二相の臨床試験中であるIL-15の『スーパーアゴニストsuperagonist』、ALT-803を使ってトラメチニブによって抑制されたT細胞を解放rescueできるかどうかを調べた
彼らがin vivoでの効果をテストしたところ、T細胞の増殖proliferationはもはやトラメチニブによって影響を受けなかった
この結果はトラメチニブがT細胞を阻害する影響とIL-15がこの抑制を克服する能力、その両方を立証するものだった
※IL-15スーパーアゴニスト: IL-15と可溶性IL-15Rαを組み合わせた複合体を指す
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18458113
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26216888
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26567920
「トラメチニブのようなMEK阻害剤は様々な腫瘍で現在試験中であり、我々はこれらの薬剤がT細胞に与える影響を制御する効果的な方法を実証した
T細胞は癌との戦いでさらなる助けとなりうる細胞である」
Conejo-Garciaのラボでpredoctoral traineeであり筆頭著者のMichael Allegrezzaは言う
「我々は標的治療が腫瘍微小環境に与える影響を研究し続けたいと考えている
我々がエフェクターT細胞で観察したような影響が他の免疫細胞にも見られるかどうかを調べる計画だ」
ウィスター研究所のビジネス開発チームは現在MEK阻害剤とIL-15スーパーアゴニストの組み合わせから得られる臨床的な利益を実現すべく、開発パートナーを積極的に探しているところである
http://dx.doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-2808
IL-15 AGONISTS OVERCOME THE IMMUNOSUPPRESSIVE EFFECTS OF MEK INHIBITORS.
IL-15アゴニストはMEK阻害剤の免疫抑制的効果を克服する
Abstract
癌の治療法として開発されている多くのシグナル伝達阻害剤は腫瘍を攻撃する白血球の適切な機能にとっても重要な経路を標的とするため、その治療効果を弱める可能性がある
今回我々は複数のシグナル伝達経路を標的とするほとんどの阻害剤が、癌細胞に有効な容量で特に強い負の影響をT細胞の活性化に与えることを示す
我々は特に最近承認されたMEK阻害剤がT細胞に対してin vitroで強力な抑制効果を示すことを発見した
しかしながら、この影響は癌患者に投与することが可能な特定のサイトカインによって弱められる可能性がある
T細胞選択的にPI3Kを活性化させるIL-15スーパーアゴニストが現在臨床的に利用可能だが、これが特にMEK阻害剤との相乗効果をin vivoで発揮し、強力かつ永続的durableな抗腫瘍応答を引き出す
その応答には腫瘍の再負荷re-challengeに対する抵抗性をもたらすというワクチンのような効果も含まれる
我々の研究はMEK阻害剤がT細胞に与える抑制的な影響を克服するための臨床的にすぐにも使用可能actionableなアプローチを明らかにし、加えてin vivoでの望ましい免疫効果を妨害するシグナル伝達阻害剤による欠陥をどのようにして両立reconcileさせるかを実証するillustrate
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http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/c13f9b05824cf1ff4aa3e1996a2f9912
エイズウイルスの薬でメラノーマの薬剤耐性を回避する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150317122801.htm
BRAF V600E/KメラノーマのBRAF阻害剤への抵抗性と、マクロファージとの関連
マクロファージはメラノーマで最も多く見られる炎症性細胞で、その存在は患者の予後と全てのステージで逆相関する
BRAF阻害剤はマクロファージのMAPKを活性化してVEGFを分泌させ、これがメラノーマのMAPKを活性化して増殖を促進する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/05/150528123853.htm
メラノーマのBRAF阻害剤への抵抗性はJAK1経路による
BRAF抵抗性のメラノーマでJAK1はEGFRの発現を増大させる
JAK1の増大は、JAK1を調節するユビキチンリガーゼRNF125のレベル低下による
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141211124530.htm
メラノーマはBRAF阻害剤やMEK阻害剤に対して抵抗性が生じることが多いが、
その原因は、チロシンキナーゼ受容体(RTK)やSRCファミリーキナーゼ(SFK)シグナル、または変異NRASによる
汎RAF阻害剤のCCT196969とCCT241161は、RAFもSFKも阻害して抵抗性が起きない
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150112110401.htm
メラノーマの抵抗性は、細胞表面のEphA2による
EphA2は膠芽腫の幹細胞でも見られる
http://dx.doi.org/10.1158/2159-8290.CD-14-0293
Ligand independent EphA2 signaling drives the adoption of a targeted therapy-mediated metastatic melanoma phenotype
リガンドとは独立したEphA2シグナル伝達は、標的治療を介する転移性表現型メラノーマの選定を促進する
BRAF阻害剤に抵抗性を生じた多くの患者は新しい箇所でも疾患を発症するが、これは阻害剤による選択圧が転移を促進していることを示唆する
今回我々は質量分析を用いてリン酸化タンパク質スクリーニングを実施し、リガンド非依存的なEphA2シグナル伝達がBRAF阻害療法への適応として生じることを明らかにした
BRAF阻害の結果として転移性の表現型が選択adoptionされる
EphA2シグナルはリガンドに依存せず、そしてAKT/PI3Kに依存的である
New 'superagonist' can help overcome these immunosuppressive effects while preserving the powerful anti-cancer benefits of these drugs
March 22, 2016
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/03/160322120045.htm
(José Conejo-Garcia, M.D., Ph.D.
Credit: The Wistar Institute)
癌への標的治療targeted therapiesは多くの場合化学療法や手術よりも好まれるが、その理由は標的治療が腫瘍を促進する変異を持つ特定の癌細胞を攻撃して殺す一方で、そのような変異を持たない通常の健康な細胞は残すからである
臨床試験では標的治療の腫瘍細胞への効果を調べることが強く強調されてきたが、しかしそれが免疫系に与える影響はまったく調査されてこなかった
しかしながら、ウィスター研究所の新たな研究により標的治療の多くはT細胞の活性を抑制することが実証された
T細胞は本来腫瘍と戦う細胞である
さらに、FDAによって承認された標的治療であるトラメチニブ/trametinibとシグナル伝達タンパク質『スーパーアゴニストsuperagonist』とを組み合わせることで、T細胞の活性を刺激しつつ癌を阻止する能力はそのまま保たれることを明らかにした
「腫瘍細胞に標的治療を使うと免疫系にどのような結果が起きるのか、我々は知りたかった」
首席著者のJosé R. Conejo-Garcia, M.D., Ph.D.は言う
彼はウィスター研究所の腫瘍微小環境・転移プログラムで教授でありプログラムリーダーでもある
「もし我々が標的治療と免疫療法の組み合わせまたは逐次的投与の効果を最大化するつもりならば、これらの薬が腫瘍細胞と白血球との間の相互作用に与える影響を理解しなければならない
白血球は免疫原性immunogenicの腫瘍細胞の増殖をコントロールするために必須の免疫細胞である」
Conejo-Garciaたちは様々な小分子の阻害剤41種類とそれがヒトT細胞に与える影響を調べた
T細胞は病原体や癌細胞から体を守る細胞である
そして研究でテストしたあらゆるevery標的治療がことごとくT細胞を阻害し、しかも癌細胞よりも強力potentlyに妨害した
研究者が注目したのはメラノーマの全患者のほぼ半数に見られるBRAFV600E/K突然変異を持つ転移性メラノーマの治療用としてFDAに承認されたトラメチニブ(メキニストMekinist)というMEK1/2阻害剤で、これが特に強くT細胞の活性を阻害した
研究者たちはもしサイトカインという細胞シグナル伝達タンパク質が免疫細胞へのシグナルだけを促進できればトラメチニブのネガティブな影響からT細胞を解放できると推測し、そして実際に一般に投与されるサイトカインがT細胞の活性を保護することを示した
中でもインターロイキン-15(IL-15)がトラメチニブと共に使うことが適切なサイトカインであることを彼らは明らかにした
IL-15はエフェクターT細胞のシグナル伝達活動をより強力に促進する一方で、エフェクターT細胞を抑制する可能性がある制御性T細胞の集団は増殖させなかった
Conejo-Garciaたちは現在第一相/第二相の臨床試験中であるIL-15の『スーパーアゴニストsuperagonist』、ALT-803を使ってトラメチニブによって抑制されたT細胞を解放rescueできるかどうかを調べた
彼らがin vivoでの効果をテストしたところ、T細胞の増殖proliferationはもはやトラメチニブによって影響を受けなかった
この結果はトラメチニブがT細胞を阻害する影響とIL-15がこの抑制を克服する能力、その両方を立証するものだった
※IL-15スーパーアゴニスト: IL-15と可溶性IL-15Rαを組み合わせた複合体を指す
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18458113
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26216888
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26567920
「トラメチニブのようなMEK阻害剤は様々な腫瘍で現在試験中であり、我々はこれらの薬剤がT細胞に与える影響を制御する効果的な方法を実証した
T細胞は癌との戦いでさらなる助けとなりうる細胞である」
Conejo-Garciaのラボでpredoctoral traineeであり筆頭著者のMichael Allegrezzaは言う
「我々は標的治療が腫瘍微小環境に与える影響を研究し続けたいと考えている
我々がエフェクターT細胞で観察したような影響が他の免疫細胞にも見られるかどうかを調べる計画だ」
ウィスター研究所のビジネス開発チームは現在MEK阻害剤とIL-15スーパーアゴニストの組み合わせから得られる臨床的な利益を実現すべく、開発パートナーを積極的に探しているところである
http://dx.doi.org/10.1158/0008-5472.CAN-15-2808
IL-15 AGONISTS OVERCOME THE IMMUNOSUPPRESSIVE EFFECTS OF MEK INHIBITORS.
IL-15アゴニストはMEK阻害剤の免疫抑制的効果を克服する
Abstract
癌の治療法として開発されている多くのシグナル伝達阻害剤は腫瘍を攻撃する白血球の適切な機能にとっても重要な経路を標的とするため、その治療効果を弱める可能性がある
今回我々は複数のシグナル伝達経路を標的とするほとんどの阻害剤が、癌細胞に有効な容量で特に強い負の影響をT細胞の活性化に与えることを示す
我々は特に最近承認されたMEK阻害剤がT細胞に対してin vitroで強力な抑制効果を示すことを発見した
しかしながら、この影響は癌患者に投与することが可能な特定のサイトカインによって弱められる可能性がある
T細胞選択的にPI3Kを活性化させるIL-15スーパーアゴニストが現在臨床的に利用可能だが、これが特にMEK阻害剤との相乗効果をin vivoで発揮し、強力かつ永続的durableな抗腫瘍応答を引き出す
その応答には腫瘍の再負荷re-challengeに対する抵抗性をもたらすというワクチンのような効果も含まれる
我々の研究はMEK阻害剤がT細胞に与える抑制的な影響を克服するための臨床的にすぐにも使用可能actionableなアプローチを明らかにし、加えてin vivoでの望ましい免疫効果を妨害するシグナル伝達阻害剤による欠陥をどのようにして両立reconcileさせるかを実証するillustrate
関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/c13f9b05824cf1ff4aa3e1996a2f9912
エイズウイルスの薬でメラノーマの薬剤耐性を回避する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/03/150317122801.htm
BRAF V600E/KメラノーマのBRAF阻害剤への抵抗性と、マクロファージとの関連
マクロファージはメラノーマで最も多く見られる炎症性細胞で、その存在は患者の予後と全てのステージで逆相関する
BRAF阻害剤はマクロファージのMAPKを活性化してVEGFを分泌させ、これがメラノーマのMAPKを活性化して増殖を促進する
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/05/150528123853.htm
メラノーマのBRAF阻害剤への抵抗性はJAK1経路による
BRAF抵抗性のメラノーマでJAK1はEGFRの発現を増大させる
JAK1の増大は、JAK1を調節するユビキチンリガーゼRNF125のレベル低下による
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141211124530.htm
メラノーマはBRAF阻害剤やMEK阻害剤に対して抵抗性が生じることが多いが、
その原因は、チロシンキナーゼ受容体(RTK)やSRCファミリーキナーゼ(SFK)シグナル、または変異NRASによる
汎RAF阻害剤のCCT196969とCCT241161は、RAFもSFKも阻害して抵抗性が起きない
関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/01/150112110401.htm
メラノーマの抵抗性は、細胞表面のEphA2による
EphA2は膠芽腫の幹細胞でも見られる
http://dx.doi.org/10.1158/2159-8290.CD-14-0293
Ligand independent EphA2 signaling drives the adoption of a targeted therapy-mediated metastatic melanoma phenotype
リガンドとは独立したEphA2シグナル伝達は、標的治療を介する転移性表現型メラノーマの選定を促進する
BRAF阻害剤に抵抗性を生じた多くの患者は新しい箇所でも疾患を発症するが、これは阻害剤による選択圧が転移を促進していることを示唆する
今回我々は質量分析を用いてリン酸化タンパク質スクリーニングを実施し、リガンド非依存的なEphA2シグナル伝達がBRAF阻害療法への適応として生じることを明らかにした
BRAF阻害の結果として転移性の表現型が選択adoptionされる
EphA2シグナルはリガンドに依存せず、そしてAKT/PI3Kに依存的である