日本のゆくえ

日本の経済と、日本人の精神はどこへ行くのか? 新自由主義社会に反乱を起こし、生き残るためのブログ

紺屋高尾(こうやたかお)の話し

2008-09-12 09:26:34 | Weblog
20年前に北海道で、「日高晤郎ショー」をラジオで聞いていているときに、「こうやたかお」「こうやたかお」という言葉が何度も出てくるので、長年気になっていたのが紺屋高尾の話なのでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%BA%E5%B1%8B%E9%AB%98%E5%B0%BE

調べてみると、古典落語の演目の一つだったのですが、神田にある紺屋に勤めている染物職人、久蔵が、吉原の最高位の花魁に恋をして、彼女に会うために3年間闇雲に働いてお金をためて、彼女に会ったというストーリーでした。

彼女に会って初見さんには体を許さないと言われた久蔵は、もう3年働かなければ会えないという現実に泣きじゃくり、本当の自分の身分を彼女に明かすのですが、その直向きさを彼女に見初められて、嫁にもらい、商売にも成功してしまうというスーパー・サクセスストーリーなのでした。

このストーリーのポイントは、源・平・藤・橘といった日本では超メジャーな四姓の人間達を相手にしているような花魁が、地位やお金ではなく、染め物職人の情の深さに価値を見いだしたという点が第一です。

もう一つは、放っておけば、どうしても散財してしまう人間の性分を3年もの長期間耐え抜いて、貯金ができたという久蔵の生真面目さでしょう。

上の二点が、日常ではなかなか困難なので、落語の話しとしても取り上げられたのでしょうが、これは現代でも通用する話で、何となく、野島伸司のドラマ『101回目のプロポーズ』に、似ているような気もしないでないです。

お金なり、女性なり、安易に手に入れたものは、安易に手放しますな。

僕のように、チマチマしたものに散財しているようでは、やっぱりダメですな(笑)