アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第三十一話.  異国で暮らす

2009-02-11 16:46:28 | イギリスでの暮らし

* 師走で皆さん忙しい事でしょう。私は今日はキャンドルライトでクリスマスキャロルを歌ってきました。
今年もメール通信におつきあいくださってありがとうございました。
いろいろなところに行った話、そしてシュタイナーのことなど、書きたいエピソードは、まだまだたくさんあるのですが、さらに数年かかってしまいそうです。どうぞ気長にお付き合いください。それでは、笑いがいっぱいの、よいお年をお迎えください。           
                                   
 第三十一話.  異国で暮らす

イギリスにいて、さまざまな理由でいろいろな国から来た人々に出会います。いつもお世話になっている大学のコンピュータテクニシャンのエクタは中国系マレーシア人で、子供たちの高等教育のためにイギリスに移民しましたが、エクタもホームオフィース(内務省)を相手取って裁判をしたといっていました。

アサイラムシーカーの人たちのことを考えると、私などは働けるだけでもありがたいといわねばなりませんが、ふと,このちょうどの経済状態で異国で暮らすというのは、巡礼をしているのに似ているのではないかと思いました。
お金、もの、家族、友人。自由とは何か。幸せとは何か。人間とは何か。人生とは何か。限られた状態の中で、さまざまなものの価値が見えてくるというかんじです。
そんなことやらを考えながら、毎日歩き続けていると、いつか、たどり着く、そんな信念が、一見何の変わり映えもしないいちにちを感謝の言葉で終わることができるようにしてくれています。

11年前の冬、フィンドホーンでイギリス移住を決意して以来、シュタイナーの哲学、アンソロポソフィーを学んだり、アートセラピーを学んだりと自分をストレッチしてきましたが、先週ついに、イギリスでの永住権をもらうことができ、初めてほっと、リラックスしています。

不思議なことに、いつもああだこうだと言い争いをしているなずなとわたしが、それぞれ学校や職場で一日を楽しく過ごし、家でも二人で笑いあっているときに、この良い知らせが来ました。私は、「これがタイミングなのかな」と思いました。それはまるで、探すことをやめて家に戻ったとき、幸せの青い鳥はそこにいたという、メーテルリンクの青い鳥のお話のようで、永住権もお金もない不安定な状態でも、十二分に幸せだといえる心になれた私たちへのご褒美のようでした。

(間 美栄子 2008年 12月15日 )



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