アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

The Calendar of the Soul (Michaelmas)

2011-09-28 20:50:44 | calender of the soul

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

26. Michaelmas

 

O Nature, your maternal life

I bear within the essence of my will.

And my will’s fiery energy

Shall steel my spirit striving,

That sense of self springs forth from it

To hold me in myself.

 

おお自然よ、あなたの母なる命よ。

わたしはわたしのうちに、わたしの意志の本質を抱いている。

 

そしてわたしの意志の燃えるような力は

私の霊の衝動を剣へと変容させる。

 

自我の感覚がそこから湧き出すところである霊の芽生えから

真のわたしをわたし自身の中に抱いていくために。

 


The Calendar of the Soul (September 22-28)

2011-09-22 20:53:47 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 By Rudolf Steiner

25Twenty-fifth Week (September 22-28)

 

I can belong now to myself

And shining spread my inner light

Into the dark of space and time.

Toward sleep is urging all creation,

But inmost soul must stay awake

And carry wakefully sun’s glowing

Into the winter’s icy flowing

 

 

私はいまや私自身に属することができる

そして輝きながら私の内なる光を拡張することができる

時間と空間の暗がりの中へと。

 

私の中の自然はとてもとても眠りにつきたがっている

しかし、うちの奥なる魂は目覚めたままでいなければならない。

 

そして用心深く太陽のあたたかさを運ぶのだ

冬の、氷のような冷たいながれのなかに。

 


第九十六話 マジカルミステリーツアー

2011-09-16 23:54:46 | イギリス旅行

                          

 

             (ジョンレノン、自宅の前) 

 

 

*今年もまた中秋の名月「ハーベストムーン」を患者さんたちと描きました。まん丸の黄色に青をまわりにぬった瞬間、月がピカーッと輝きだします。ぬらし絵なので、色が自然ににじみ合ってぼんやりとあたりに輝いているよう。

 

第九十六話 マジカルミステリーツアー

 

十代の前半に学校の前で突っ込んできた車に轢かれて不自由となった若い患者さんのアートセラピーセッションはいつも、「You say Yes, I say No, you say Why, and I say I don’t know…Oh, No… You say Good bye , and I say Hello」のビートルズソングで始まります。ここまで歌ってやっと、「Hello」といってくれるのです。

  

わたしのビートルズとの出会いは中学生のころ、同級生のかなり変人のもずの巣頭のユリカと、クラス中の男の子がみんな好意を寄せていた体操部のマリちゃんとの3人でハーモニーをつくってはビートルズナンバーを歌っていました。新潟大学の学園祭のビートルズフィルムコンサートにも行ったっけ。自宅の勉強部屋の障子におおきなポスターを貼っていたのも覚えています。

 

あれから数十年。ついに、ビートルズ発祥の地リバプールに行ってきました。

シュールレアリズムのマグリットの展覧会を見に行ったのですが、ナショナルトラストがジョンレノンとポールマッカートニーの子供時代の家を管理公開しているのを知って、ミニバスツアーに参加。

 

ポールが10代の頃住んだ家は、市営住宅で、イギリス式長屋。お父さんも弟もおじさんも音楽好きで、古いイギリスの歌を聴いて育ったのが、曲つくりにも影響したといわれています。壁紙も床のレノリウムもそのままに、まるで1960年代にタイムトリップしたかのよう。

  

           (ポールマッカートニーの子供時代の家)

 

15歳のジョンがいまにもキッチンのドアーから「ただいま」と入ってきそうな家は、おばさんのミミが、戦時に空襲を逃れ田舎に疎開した隣人の家に不法に住み始めた家。(その後ヨーコオノが買い取り、トラストに寄付したのだそう。)

ジョンのお母さんは、一人でジョンを育てることが出来ず、ミミが5歳のジョンを引き取ってそこでわが子のように育てたのでした。テーブルの上にはジョンとミミの古い白黒写真のアルバムもおかれていて、まるでジョンの家にほんとによばれているようでした。ミミおばさんが植えた庭のりんごの木も今もたわわに実をつけ、訪れる人たちにもおすそわけ。

  

          (写真はジョンの家の前。イギリスではほんとにありふれたいえです。)

 

ジョンもポールも母を十代で亡くし、その気持ちを歌にすることで自らを慰めていたといわれていますが、BEATLESがまったく普通のリバプールの若者たちの出会いで生み出されたということが、人間のエネルギーのアルケミーの不思議をしめしてくれます。二人の家はどこにでもある住宅街のありふれた小さな家なので、なおさら人間の無限の可能性は生まれ持った才能というよりも、その後にあると確信させられました。

 

ジョンとミミそして15歳で再会した実母のジュリアとの関係を描いた映画「Nowhere Boy」もおすすめです。

 

http://www.youtube.com/watch?v=vyS2EYJngt0

http://www.youtube.com/watch?v=EvL3pwdjy4k&feature=related

 

(間美栄子 2011年 915  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

 

(なずな。アルバートドックにて。ものすごい風。)


The Calendar of the Soul (September 15- 21)

2011-09-14 19:56:40 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

24. Twenty -fourth week (September 15- 21)

 

 

Unceasingly itself creating,

Soul life becomes aware of self;

The cosmic spirit, striving on,

Renews itself by self-cognition,

And from the darkness of the soul

Creates the fruit of self-engendered will.

 

 

 

とまらない とまらない どんどんとつくられている

ソウルライフがもっともっと 自覚されてきている

コズミックスピリットがおし進めている

それ自身 人間の自己認識によって新たにされるのだ

 

そして魂の暗がりから

自ら起る意志の果実がつくられているのだ


The Calendar of the Soul (September 8- 14)

2011-09-07 21:19:43 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

23. Twenty -third week (September 8- 14)

 

There dims in damp autumnal air

The senses’ luring magic;

The light’s revealing radiance

Is dulled by hazy veils of mist.

In distances around me I can see

The autumn’s winter sleep;

The summer’s life has yielded

Itself into my keeping.

 

しめった秋の空気の中で 薄暗くなっていく

感覚の誘惑的な魔法よ

 

輝きをあらわしていた光はいまや

霧のぼんやりかすんだベールで鈍くなっている

 

遠くのほうに見える

この秋の中に 来るべき冬がねむっているのが 

 

夏の命は もはや 自らを明け渡したのだ


第九十五話 歴史の旅「ヘイスティングの戦い(1066年)」

2011-09-05 22:44:26 | 社会

 

           Hastings  南イングランド  

 

 

 

*このところ涼しく、秋の気配がしていたのですが、9月になってまたお天気のいい、暖かい日があり、それだけでなんだかうれしくて、にこにこしてしまいます。

この夏は、日本から何人もゲストが来てくれて、南東イングランドを一緒に日帰り旅行して楽しんでいたのですが、皆さん日本食をお土産に持ってきてくださって、「水ようかん」、「わらびもち」などもいただきました。おいしかった!ありがたや。今日は久しぶりに車ふの入ったひじきの煮物にごま塩ふりかけご飯を料理しましたよ。

の脱原発やリサイクルの運動を出発点に、環境、経済、平和などの、さまざまなNGO活動に

第九十五話 歴史の旅「ヘイスティングの戦い(1066年)」

 

むかしばなしの浦島太郎は竜宮城で楽しくのめや歌えやの3年間の日々をすごしていたのですが、あるとき、乙姫に不思議な四方に窓のある部屋へ案内され、ふるさとの四季を見ることに。美しい桜の春。せみの声が聞こえる夏の窓。もみじが赤く染まる秋の窓。太郎は、北風が吹き荒れた雪の海が見える冬の場面で、ふるさとの年老いた両親を思いだし、いてもたってもいられず、地上に戻ることにしたのでした。

 

3.11で日本は変わったといわれますが、外国で暮らす日本人は「故郷喪失」のような感じの、悲しさがあるようです。(もちろん毎日を日本で暮らす人たちはもっと大変な思いをしているでしょう。)わたしは勉強で精一杯の十年を過ごしていたので、日本のニュースもウェブも見ることもなかったのが、3.11以来日本のニュースを見るようになりました。思いは日本へ、の日々。そんな時イギリスを訪ねてくれた日本からのゲストからは、ほんとうのところ、日本はどうなっているのかを聞くことができました。

 

 

劇団無形舎の早津さん(本町2丁目居酒屋「鳥の歌」店長) に連れられて、寺泊の近くの田んぼに通って素人無農薬栽培を試みていたのは20代のころでしたが、先日その田んぼのグループのHさんが私を訪ねてくれました。現新潟市沼垂にあった日本最古の古代城柵「渟足柵の研究会で世界の歴史の「柵」をまわっているとのこと。

 

歴史に興味があるならばと、私が住むタンブリッジウェルスから汽車で20分の、その名も「Battle」という、海の向こうからノルマン軍が攻めてきて、イギリスを征服した1066年の「ヘイスティングの戦い」の歴史の町に一緒に行ってきました。

戦いの場となったフィールドがそのまま残されていて、ぐるりと歩きながらそこここにあるパネルで戦いの様子を想像力で再現。矢が当たって倒されたイギリス王の首があったところを祭壇にして、そこに大きな修道院を建てたという、なんとも生々しい宗教なわけです。

 

世界史、日本史を語りながら、Hさんは、田んぼのグループのみなさんのその後20年の個人史も話してくれました。Hさんは今もジャズのベース奏者で、信濃川の土手を走っているとのこと。何十年たっても、いろいろなことに興味を持っていて、一人暮らしのお母さんのお世話に通いながらも第二の青春という感じです。話を聞けば、みなさん、人のため、社会のため、なにかできることをしつつ、楽しんでいる。

 

歴史を学ぶことで見えてくる長いスパンで見た今回の地震、津波、原発事故の意味。

向かっているのはお金でも地位でも権力でもない、人間の生きる道の上での、自分の役割

 

新潟にいれば早津さんの居酒屋「鳥の歌」の常連客となって毎晩、おいしい魚とおしゃべりを楽しんでいるところなのに、こうしてイギリスの地で暮らしているのも、また、私の役割であるのかもしれないなと思いはじめています。いつでも「Cup of Tea」、なんでも「Well Done」の、こののんびりしたイギリスの暮らし方を紹介するのも日本社会への貢献になるかもしれません。

 

そんなことを考えながら、Hさんが、ヘイスティングの漁師の魚直売所で買ってわたしにプレゼントしてくれた白身魚を、パクチーと生唐辛子野菜炒めソースでタイ風にしていただきました。おいしかった!ごちそうさまでした。

 

 

(間美栄子 2011年 91  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

      

                                 

 

(写真はヘイスティング独特の黒い細く背の高い網小屋。当時土地が足りなかった)


The Calendar of the Soul (September1- 7)

2011-09-01 21:20:27 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

22. Twenty -second week (September1- 7)

 

The light from world-wide spaces

Works on within with living power;

Transformed to light of soul

It shines into the spirit depths

To bring to birth the fruits

Whereby out of the self of worlds

The human self in course of time shall ripen.

 

 

宇宙の広い世界から来る光は

生命の力とともに私のうちに届いて機能している

 

その光は魂の光へと変化し

スピリットの深みへと輝く

 

広い世界の本当の自分から果実をもたらすため

人間自身もやがて熟すでしょう