アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

第七十七話 フィンドホーンの季節―アイリーンのことば

2010-11-30 16:40:23 | フィンドホーン

                      (なずなとメデューサの髪の木) 

 

  

 

*グリルで温めたクリスマスのミンスパイを食べながら、これを書いています。

もう12月ですね。イギリスでは記録的に早い冬の訪れで、冷凍庫の中にいるような寒さにヒーヒー言っている今日この頃です。雪に慣れていないこの国では、警察が一般市民に「外出はしないで家に閉じこもっていなさい」と警戒するという始末。私は赤や濃いピンクなどの暖かい色のセーターを着てがんばってサイクリングして通勤しています。    

 

第七十七話 フィンドホーンの季節―アイリーンのことば

 

クリスマスを待つアドベントの季節となりました。アドベントのフェスティバルはシュタイナースクールでは、もみなどの枝のグリーンでできた大きなスパイラルの中を子供たちが一人ずつ、ろうそくの明かりをもらいに入っていき、でてくる、という静かな美しいものですが、初めて経験したのは、フィンドホーンのシュタイナースクールでした。

私にとって、新しい人生が始まったのは、この季節のフィンドホーンからなので、過ぎ越し来たいくつものスパイラルやフィンドホーンを思いだすのです。

 

 

朝早く瞑想にいくのは わたしのつとめなのよ

サンクチュアリーに 猫のほかには 誰もいなくても

 

RRYUさんのプロデュースしたアルバムの中にフィンドホーンをはじめたアイリーンの声がはいっています。それは私たち1997年の晩秋フィンドホーンを訪れたグループが彼女の自宅にお邪魔したときの録音でした。

 

アイリーンのバイオグラフィーを読むと、当時、夫も子供もいる普通の家庭のよき妻、主婦であった彼女が、それらを捨てて家を出、フランクと人生をはじめた経過が書かれています。

 

フランクの霊的ティーチャーという女の人のところに身をおくことになったとき、その人から厳しく、パンの隅々までバターを塗らなければいけないと教えられたこと。

 

スコットランドの北の果てフィンドホーンで、ちいさなキャラバンで暮らし始めたころ、神の声を書き取るのに、ひとりになれる場所はトイレのなかしかなかったこと。

そんなディーテールがアイリーンの普通の人らしさを伝えてくれます。

 

当時80歳を越えていた、白髪をきれいにセットしたアイリーンは、私たちの質問にやさしくこたえてくれました。

 

これまでたくさんのすばらしいことが実現するのを

目の当たりにしてきたわ

 

 

光は暗闇をやさしく溶かすでしょう

私たち ひとりひとりが そのように生きていけば

 

私たちはここに「つかえるために」いるのよ

人に 自然に 世界につかえるために

 

 

13年たった今、わたしは、毎朝トーストにバターをぬるときアイリーンのことを思い出し、患者さんが反応するようになる、などのすばらしいことがほんとうに起きたことに驚きながら夜帰宅するといった日々を今日も送っています。

 

 

(間美栄子 2010年 121http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

 

RRYU さんが横浜で主宰するミュージッキングカフェ、ウェブはこちら。http://musikingcafe.jimdo.com/about-us/


The Calendar of the Soul (December 1-7)

2010-11-29 20:38:06 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

35. thirty –fifth week (December 1-7)

 

私に人生の真実を理解することができるだろうか

魂の創造の衝動の中に

それは再び見出されるだろう

 

私は力が与えられていると感じる

宇宙のハーモニーの一部分としての

役割を果たす私自身を創りだすために


The Calendar of the Soul (November24-30)

2010-11-24 22:44:16 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

34. thirty fourth- week (November24-30)

 

うちの奥なるところで ひそかに感じる

いったいどうやって古いものをためこんできたのものか、と。

 

いま、新たに沸き起こった自己感覚によって、命を与えられる。

これは、目覚めさせ、宇宙の力を前へと注ぎ込むのだ

わたしの外界での行動へと。

そして私を育て、かたちづくるのだ。


The Calendar of the Soul (November17-23)

2010-11-17 20:36:46 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

33. Thirty –third week (November17-23)

 

いま、ついに精神界の真実性を感じることができる

 

外の世界では私の魂とは相違して

霜が降りるような、空っぽな命の有様

そして、力の無いことを示している

 

魂のうちに世界をふたたびつくりだすために

まず、死を見出すのだ


第七十六話 旅の効用

2010-11-14 20:05:34 | 人生観

                ( レインフォレストのスカルプチャーガーデン)

 

  

* 新しい家で「グリーンウェイ共同住宅」をなんとかやっていこうとはりきっていたのに、ジンバブエ出身のフィジオセラピスト、レジィに突然ルーマニア出身のナースの彼女ができ、二人は病院の近くに引っ越していってしまいました。なずなはブリストルで下宿しながら働いて旅の資金をためているしで、わたしは広い家に一人住まい。

そこで、みなさん、広告です。「一週間1万円の家賃で部屋を貸します。光熱費、電話、インターネットこみ」

普通のイギリス生活をしてみたい方、シェアハウスを試したい方等、ぜひどうぞ。(申し込みはEmail    nefnefnef@mail.goo.ne.jp)

 

第七十六話 旅の効用 

 

不安があるならそれが出てくる源を探す。源がわからないときは、今不安にさせるきっかけとなっているものを見つける。誰かに悪く思われていると不安になるならその人に話しかける。やるべきことができていないならできていないと告げる。つまり逃げる、ごまかす、という行為そのものが不安に陥らせるのであるから、逃げずに自首すれば、怖いものと顔をつき合わせてしまえば、よいのである。

 

というのは私の不安対処法の覚書なのですが、心配はそれでもあとからあとからやってきて尽きることはないですね。ある年のお正月にはせっかく友達が日本から遊びに来てくれたのに、試験を控えていて、落ちたらどうしようと、心をゆったりとさせることができないでいました。

 

今現在の不安は、病院の経営者かつ創始者、ダイレクターのドイツ人男性が私の仕事を認めていず、いつ首になるかわからない、という根拠の無い妄想のようなもので、家を買って多額のローンを背負ってからそれがますます大きくなっていたのです。

 

実はオーストラリアのホリデーでビーチに寝転んでいても、まだ仕事のミーティングのことやらレポートのことやらで心配で完全リラックスできなかったという始末。

 

ところが、オーストラリアから帰ってきたら、その不安感がなくなったのです。

ウーフィングをさせてもらったおばあさんジョセフィンは、プロの手相師で、わたしの話と手相をもとに、フラワーエッセンスを処方してくれました。

そのフラワーエッセンスが効いたのか。

 

ほかにもオーストラリア以降の大きな生活の変化として毎晩夜10時には就寝するようになりました。そんな睡眠生活は小学生のころ以来してないわけで、まるで人間が変わったかのようにいらいらしなくなったことに驚いています。私の性格は、英語で言うとBitchy(いじわる) であったのに、これは貧しい睡眠のせいだったのか。旅をして普段の生活を離れると、こんな効用もあるんですね。

 

オーストラリアを懐かしがってか、先日パパイヤを初めて買ってみました。

しずかな、そしてうつくしいベトナム映画「青いパパイアの香り」で、主人公の女性が、パパイアをきりひらいてぎっしりとつまった透明な種をいつくしむシーンがあります。私も自分で切って、「はっ」としたかったというわけです。

 

オーストラリアで感じたことはいろいろあって、気候が人の性格や人生観を左右するだろうというのもそのひとつです。わたしは寒いイギリスに住んでいて、心も自分の殻の中にしまったままで肩をすくめて家の中に閉じこもって生きてきたのではないかと。オーストラリアの家は夏向きに、風通しがよく、涼しいようにこしらえてあり、どの家にもベランダがあり、外で食事をしたりできるようにデザインされているのです。暖かい国では心もからだも緩み、もっとリラックスして生きていけるのかもしれません。

 

レインフォレストでは日本やイギリスでは「観葉植物」 とされて家の中で鉢植えされている木が自由に繁茂し、絡み合ってものすごい生命の力を見せてくれます。ある種の大木は、実はほかの植物が絡み、囲い、中身の本来の植物はすっかり消え去っているというもので、そんな植物たちとスカルプチャーが一体となっている、スカルプチャーガーデンを訪れることができました。http://www.grahamradcliffe.com/index.php?option=com_igallery&view=igcategory&id=3&Itemid=57

 

旅はやっぱり、珍しいものを見たり、食べたり、経験したり、感じたりして、日常生活で「習慣」となっている「偏り」を見直すよい機会のようです。

 

(間美栄子 2010年 1115     http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef


The Calendar of the Soul (November10-16)

2010-11-09 22:31:33 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

32. Thirty-second week (November10-16)

 

私は果実を実らせるような私自身の力を感じている

そして、世界へと自身を捧げる強さを身に着けているところなのだ

 

私の最も奥深いところで力満ちてきているのを感じる

それはもっとはっきりとした洞察に変わっていくだろう

そして人生の運命のタペストリーを織り合わせていくのだ

 


The Calendar of the Soul (November 3-9)

2010-11-03 13:00:49 | 魂のこよみーセカンドスパイラル
 

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

31. Thirty-first week (November3-9)

 

霊の深みからの光が

外に向けて太陽のような光を投げかけている。

 

その光は命の力強い意志に変容された。

本当の力を生み出すために 

 

その光は感覚のにぶさに向けて輝く。

創造的な光は魂からのインパルス。

 

そしてそれはやがて人間の行為の中で熟すであろう。

 


第七十五話 距離感覚

2010-11-01 15:15:51 | 海外旅行

*3週間のオーストラリア東海岸滞在、よかったですよー。カラフルな鳥はあざやかな色の花の蜜を吸い、クカバラはおおきな笑い声をたて、「ここはいったいパラダイス!?」

ウーフィングは午前中庭の草取りをして、おいしい自家製の卵のオムレツ、パパイア、グレープフルーツジュースをお昼にいただいたあとは、テラスのカウチでヤシの木を眺めながら風に吹かれてうとうと昼寝。こんな生活が毎日続いたらほんとに天国ですね。

 

第七十五話 距離感覚

 

なずなが12歳になったころ、少し遠い友達のうちでも一人で遊びに行けるよう、地図の読み方を教えました。「マップリーディングは大切なスキルだよ。これでフリーダムがゲットできるからね。」と。

 

それにしてもオーストラリアは想像以上に広かった!地図を読むにしても、縮尺がわかっていないとどれくらいの距離なのか判断することができないわけで、日本やイギリスのような小さな島の距離感覚ではどこにも行くことができないのです。縮尺が違いすぎる!砂漠の真ん中のあの赤い岩の聖地エアーズロックに行きたいなと思っていたのに、飛行機代やツアー代がかなりかかるということが判明。

 

ウーフィングをさせてもらったお宅のジョセフィンの友人アランは一日3000km走ることができ、エアーズロックまで車で3日半でたどりつける、まあ10日みればよいだろう、といってくれましたが、アランの年齢 (80歳)をかんがみ、今回は砂漠行きはあきらめました。

 

イギリスからブリスベンに飛ぶにしても、途中ドバイとブルネイにとまり、なんだか日本行きの直行便の3倍を飛んだ感じで、それをやっちゃうともうほかはどこでも近い、というふうに距離感覚がずいぶん変わったのが今回の旅でした。

 

ギャップイヤーのなずなも、今度はシベリアを鉄道横断をしてそのついでに日本により、アジアを回って、オーストラリアにもまた行く、などといい始めました。わたしもまた「何でも見てやろう」熱に火がついたというわけで、机の上の地球儀をくるくる回しながら、次はどこに行こうか考えているところです。

 

(間美栄子 2010年 111     http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef