「寒い冬でも散歩するイギリス人(わたしは日本人だけど)。ブリストルの港が見える丘の公園にて」
*新年あけましておめでとうございます。今年も自分の知らない、新しいことをやってみる、ということを常に心がけてやっていきたいと思っています。
どうぞよろしくおねがいします。
第五十六話 逆境をいく
キャットフードをふんだんにもらっている猫がそれでもハンティングをしてしまうのが本能であるように、人間もなにかハンティングと言うか、チャレンジと言うか、やったーと思えるようなことが、本能として必要なのかもしれません。
やりたいことがあってそれがむづかしそうなとき、ほかに簡単そうな選択があるとそれを選びがちですが、実はむづかしい方を選んだほうがいいともいえるのではないかとおもったりするのです。
水の無いところで植物の根がもっと強く張るように、私の例では、英語が話せないからこそ、イギリスに留まらなければならないのではないか、と考えてきました。逆境を自ら選ぶのは馬鹿らしいように見えて、生き物の本能を考えた場合、これで生きる力が増すのだったらしめたものです。
先日わたしと同じ月に病院に採用になったパートタイムのシュタイナーのアートセラピストが3ヶ月で辞めてしまいました。彼女にしてみると患者さんの反応がない、病院側からのサポートが無い、と不満が多い職場が、私から見ると、「患者さんは話せないけれど絵を描くことができる人も多いし、みんな熱心ないいセラピストチーム」と、正反対の見方になり、これはどうしてなのか考えてみました。
まず、彼女はイギリス人で、英語が話せるので、もっとほかの職場を探しやすい。シュタイナーのアートセラピートレーニングしかしていないので、よい環境しか体験していないのではないか。
わたしは反対に、アートサイコセラピーの実習で、ひどい精神病院の実態も経験した。もっと重い精神病の患者さんとセラピーをしていた。と、当時はほんとに大変でしたが、あの経験が今生きているんだなと思い当たるわけです。
ということで、いま逆境にある人は、自分を強くしている、いつかこの体験が生かされる、と信じてがんばってください。
(間美栄子 2010 年1 月1日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
by Rudolf Steiner
39. Thirty-ninth week (December29 - January 4)
Three kings ( red king-thinking)
スピリットの啓示につつまれて
わたしはコスミックビーイングの光を得るのだ
思考の力はより明白になっていく
大きな私に小さな私自身をささげる強さを持つようになるのだ
命を与えるものが自身を解き放つ
三人の賢者の思考の力がわたしの自我をつらぬく
The Calendar of the Soul
by Rudolf Steiner
38.Thirty-eighth week (December 22-28)
Christmas
私の魂の中のスピリットチャイルドよ
魔法から解かれていくのを感じる
心の中で喜びと明るさが沸き起こる
聖なる宇宙の言葉が生じる
天なる希望の果実
それは私の存在の神的な根から育つ
外の世界からは離れた深いところで
by Rudolf Steiner
37.Thirty-seventh week (December 15-21)
WINTER
精神の輝く光を外の世界にもたらすこと
私の心はそれだけをひたすらにおもっている
冬の夜
魂の輝く種は 静かに根を伸ばしているところ
そして神の言葉は
暗闇を つらぬき ひびき
すべての存在を変容させている
(ユダヤ人夫妻のジュリエット&ラリーがプレゼントしてくれたモロッコのランプ)
*街角では、大人の身長ほどの高さの生のクリスマスツリーが売られており、それらを買い求めては運んでいる人々もみられる季節となりました。
今年も一年大変お世話になりました。わたしにとってはフルタイムのセラピストの仕事を得て、おおきな転換期となったよい年でした。皆さんにとってはどんな年でしたか?
このメール通信も、はや3年目、書き溜めた小話も尽き、新年からはいよいよ、リアルタイムのお手紙となります。また、どうぞ懲りずにお付き合いください。それでは、よいお年をおむかえください。
第五十五話 フィンドホーンの実践
思えばいくつものクリスマスをむかえ、すごしてきたものです。季節は巡り、また同じところに戻ってきたような錯覚はあっても、それは一回り高くなっているスパイラルを描いていて、よく見てみれば、何かを経験し変化している自分に気づくでしょう。
変わらないことは、12年間「Opening Doors Within」という、フィンドホーンをはじめたアイリーンの365日、日々の瞑想の本を、毎晩眠りに着く前に読んでいるということでしょうか。大きな力と一体であって、安心していられること、不可能なことは何もないこと、すでに力は豊かにあって、それをひきだせばいいということ。それらの言葉が何度も繰り返されるうちに体にしみこんでいくようです。
フィンドホーンで得たことを自らの持ち場で、普通の生活の中で実践していくこと。それがこの12年間だったのではないでしょうか。
私は、外国で暮らし、お金の無い、不安定な場所に身をおくことで、なんでもお金で買ってしまうのではなく,人とのつながりの中で与えられていくことを学びました。失敗を数多く繰り返しながら、それでも不可能なことはなにも無いと信じ続け、小さな奇跡を目の当たりにしてきました。
実は、今の職場の病院の面接に行くときも小さな奇跡がありました。
「どやどやと汽車に乗り込んで来た小学生たち、半分以上は黒人の子供たち。
どの子もみんなうきうきとはしゃいでいる。おとなしそうなインド人の女の子は若い引率者とチョコレートをシェアーして話している。
彼らを微笑ましく眺めていた私の目に突然涙が溢れ出て来た。私も小学校の先生になろうと思っていた頃があったんだった— 外国でセラピストになろうなんて、思えばずいぶん遠くまで運ばれて来たものだ。
それまでの朝からの緊張が急に緩んだのか、涙腺も緩んでしまったようだ。
そうだ背伸びをしてもしょうがない、ここまで来れたことをよしとしよう。ありのままの私を話してこよう。」
こんな一瞬を奇跡とよぶことができたら、わたしたちの普通の日々や一年は小さな奇跡にみちたものとなるでしょう。
(間美栄子 2009年 12月15日)
by Rudolf Steiner
36. (December 8-14)
私の存在の奥深いところで
黙示が開示される。
宇宙の言葉が神秘のうちに語りかけてくる。
「小さなあなた自身を儀牲にするのだ。大きな私を通して生きるのだ。
精神の輝く光のうちにあなたの力を進めるのだ。」
(とあるオーガニックガーデンの夕暮れ)
*もう12月ですね。暗くなるのが毎日早まっていく今日この頃、みなさんはどんな気分で過ごしていますか?
私はアートセラピールームで、アドベントの、冬至(クリスマス)に向かってのムードについて話したり、水彩の青で中心が明るく、周辺が暗い絵を描いたりして、この季節を患者さんたちと味わっています。
第五十四話 光を見つめるしごと
先日見たニュースに、23年間もの間、こん睡状態にあると診断されてきた男性が、実は絶えず意識があったという話がありました。医者や周りの人たちの声は全部聞こえていて助けを呼びたいのに体は動かない。恐ろしいことに、このような誤診が世界中に多く存在するのではないかというのです。
私の勤めるリハビリの病院でも、脳卒中や交通事故にあった患者さんたちはみなこのこん睡状態の期間を経てきています。最初はベットに寝たきりだった人が理学療法を受け、体を起こし、車椅子に座れるようになり、立つ練習をし始める。それはまったく奇跡の様でもあります。
脳卒中で、思考は完全にはっきりしているのに体が一切動かず、声も出せない状態を‘Locked in’といいますが、この状態にあるひとりの女性の患者さんは、まぶたの動きでコミュニケーションをします。まぶたを上に上げると‘Yes’ でさげると‘No’。わたしたちセラピストや看護婦さんが文字盤を読み上げて一字づつ、綴っていきます。
アートセラピーの場面でも、絵筆が握られること、絵筆を自分で動かせること、と一見わずかな能力でも貴重となっています。
アートセラピーは紙の上に光を創り出していくことなのだと思っていますが、セラピストは、動かない体の中に閉じ込められた精神の光を信じ、見つめ続ける仕事なのだなと感じるしだいです。
(間美栄子 2009年 12月1日)
by Rudolf Steiner
35. (December1-7)
私に人生の真実を理解することができるだろうか
魂の創造の衝動の中に
それは再び見出されるだろう
私は力が与えられていると感じる
宇宙のハーモニーの一部分としての
役割を果たす私自身を作り出すために