アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

The Calendar of the Soul (March 30- April 6)

2012-03-29 22:12:37 | calender of the soul

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

52. Fifty-second week (March 30- April 6)

 

When from the depths of soul

The spirit turns to the life of worlds

And beauty wells from wide expanses

Then out of heaven’s distances

Streams life-strength into human bodies,

Uniting by its mighty energy

The spirit’s being with our human life.

 

魂の深みから

スピリットは世界の命へと変わる

広い拡大されたところから 美しい泉が湧き出る

 

天の遠くはなれたところから

人間の体へと生命力が流れ込む

 

力強い力によって統合され

霊的存在は私たち人間のいのちとともにある


The Calendar of the Soul (March 23-29)

2012-03-22 20:38:48 | calender of the soul

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

51. Fifty-first week (March 23-29)

 

Into our inner being

The riches of the senses pour.

The Cosmic Spirit finds itself

Reflected in the human eye,

Which ever must renew its strength

From out that spirit source.

 

私たちの内なる存在へと

感覚の豊かさは注ぎ込まれる

宇宙的なスピリットは自身を見出す

人間の瞳の中に反射する

それはその強さを新たにしている

そのスピリットの源から


第108話 イギリスで食べる和食

2012-03-17 21:39:03 | イギリスでの暮らし

      

                     木の枝にかけられたスイング(ブランコ)

 

*春ですねー。こちらは、世界はスイセンの黄色であふれています。ホーソンの木が白い花を咲かせてまるで桜のように美しい季節です。

わたしもいよいよ今年のガーデニングを開始しました。植物を鉢植えから移植したり、庭木の剪定をしたり。ふと見ると去年植えた宿根草の鉢植えに小さな芽生えが。冬の間枯れたように見えていても、春が来ればまた活動を開始する、植物は強いものですね。

 

第108話 イギリスで食べる和食

 

皆さんは3月11日の震災から一年の日曜日をどうすごされたでしょうか。

わたしは仕事でしたが、暖かい日で、いつもの森の倒木に腰をかけて鳥のさえずりを聞きながらおひるごはんを食べ、命あることに感謝していました。夕食はティクナットハンのトークをYouTubeで聞きながらマインドフルに和食を味わいました。

 日本のことを思うとき、わたしは和食を料理します。去年、原発事故の後は、日本のみんなもヨードを取るために食べているのだろうなあと思いながら、わたしもひじきの煮物やこんぶをたべていました。同じものを食べていると想像するだけでつながっているような気持ちになるのでしょう。

 わたしはあまり凝り性でないので、普段はパスタや、野菜たっぷりラーメンなどを食べていて、和食はお休みのときにゆっくりした気分で作ります。和食といっても、食材はひじき、昆布、わかめの海藻類、小豆などの豆類、ふや、高野豆腐、干ししいたけ。乾物を使っての料理なので、予定をあらかじめ立て、水で戻してというひと手間があるわけですが、イギリスにきてからはじめてふっくりしっとりやわらかな高野豆腐の煮物がこんなにおいしいということを知りました。

 お米はずっとイタリア産短粒玄米を食べています。それが手に入らないときで貧乏学生時代は、スーパーで売っている長粒種の、それも壊れている、とても安いお米を食べていたりしました。「これは日本ではくず米で、おせんべいになっていたりするのかな」と思いながらも、なんにせよ炊き立てはおいしくいただけますし(もう日本のかおり高いご飯の味を忘れたのかも)、長粒種は油がよくあい、チャーハンがとてもおいしいんです。

 漬け物がこんなに懐かしい食べ物になるとは思ってもみませんでしたが、5年前に日本に帰省したとき、なにが食べたいかと聞かれれば、「漬け物!」と自家製の漬け物を、だしてもらっていました。チベット僧の野口法蔵さんの家を訪ね、奥さんがつけたさまざまな漬け物をたっぷり味あわせてもらったときは、ほんとに極楽気分でした。

 ふとしたとき、昔見た映画ガイアシンフォニーの中で、「わたしは面倒くさいという言葉が嫌いなんです」と話しながら丁寧に漬け物をつけていた人を思い出します。

漬け物にこもった愛情は、微生物に伝わって、不思議な深い味に変わっていくのでしょう。

 リリーフランキーさんの「東京タワーオカンと僕と、時々、オトン」では、息子の朝ごはんに、一番おいしいつかり具合の漬け物を出すために目覚ましをかけて夜中につけていたリリーさんのお母さんの姿が描き出されています。

 いつかわたしも、おいしい漬物をつけることが出来るような人間になれるでしょうか。

 

(間美栄子 2012年 3月15日  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

     ブルーベルも伸びたがっている


The Calendar of the Soul (March 16-22)

2012-03-14 20:14:47 | calender of the soul

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

50. Fiftieth week (March 16-22)

 

Thus to the human ego speaks

In mighty revelation,

Unfolding its inherent powers,

The joy of growth throughout the world:

I carry into you my life

From its enchanted bondage

And so attain my truest goal.

 

それは人間の自我に向けて語りかけてくる

力強い啓示のうちに

その生来の力を開示して

世界のうちそとに成長の喜びがみちる

 

わたしはお前の中に私の生命を吹き込む

その魔法にかかったようなむすびつきから

そしてわたしの真の目的を果たすのだ

 


The Calendar of the Soul (March 9-15)

2012-03-10 20:45:42 | calender of the soul

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

49. Forty-ninth week (March 9-15)

 

I feel the force of cosmic life:

Thus speaks my clarity of thought,

Recalling its own spirit growth

Through nights of cosmic darkness,

And to the new approach of cosmic day

It turns its inward rays of hope.

 

宇宙的ないのちの力を感じる

思考に語りかけてくる

 

自身のスピリットの成長を振り返ってみる

 

宇宙的な暗闇の夜の中を通りぬけてきた

そして新たな宇宙的昼に近づいている

 

それは希望の内なる光線を変えていく

 


第107話 映画「50回目のファーストキス」

2012-03-01 21:46:21 | アートセラピー

 

*いよいよ弥生3月。March と聞いただけで、春だなあ、とうれしくなります。うちの庭のピンクの椿が咲き始めています。

暖かい日で、このお休みには80才を越えた現役アーテスト草間弥生さんの特別展をテートモダンでみてきました。http://www.yayoi-kusama.jp/j/biography/index.html

 

桜並木をテムズ川河畔、ロンドンアイの足元に見つけました。10本くらいずつ両脇に並んでいるささやかなものですが、桜が開花するころに見にいってみようと思っています。

 

107話 映画「50回目のファーストキス」

 

わたしたちの病院にはたくさんの移民が住むイギリスの現在の情勢を反映して、ジャマイカ出身のボクサー、お店を経営していたイラン人、不法滞在中に車に当て逃げされて入院している英語のしゃべれないバングラデッシュ人等、さまざまな患者さんがいます。

 

アフリカのジンバブエから移住して、赤ちゃんが生まれたばかりのときに病気になってしまった若いGさんは、生命維持装置をとめたほうがいいと医者にさじを投げられたのを、パートナーの強い意思で何とか押しとどめ、以来4年、植物状態から奇跡的に回復して、歩けるようになり、ついにこのたびめでたく退院して家族との暮らしをはじめました。

 

アートセラピーでも2年半前は無口で、自信もなかったのが、まるで花がだんだん開いていくように、自分から質問をしたり、話しかけたりできるようになっていって、最後には、自分で冗談を言って笑うようにもなりました。まるで卵からかえったひよこが、初めて目にする顔を母と思い込む本能のように、かわいらしくわたしの口癖をまねをしたり、まねてほかの患者さんに働きかけたりしていました。

 

絵を描くときもとてもゆっくり、絵筆を洗うときはいつまでもいつまでも洗っていたりするGさん、障害のことをくよくよしたり、心配したりすることもなく、ありのままの自分で、淡々と病院での毎日をすごしてきたのですが、あるとき会話の中で、「ただ希望を持ち続けるだけ」といっていた笑顔が忘れられません。神を信じて、神とともに生きる人は、ほんとに強いものだと思います。

 

パートナーとは「道端で出会ったの」といっていたけど(こんなハンサムな人と出会えるなら、わたしも道を目的もなく歩いていたい)、Gさんは記憶にも障害があるのです。この間ずっと、Gさんはまだ自分がジンバブエにいると思っていて、赤ちゃんがいることも忘れているのですが、ときには、グループセラピーで自己紹介をするとき、「わたしも娘がいるのよ」と赤ちゃんの名前を言ったりして驚かせてくれました。

 

映画「50回目のファーストキス」は交通事故で記憶障害になった女性を好きになった人が、何度も何度も繰り返し、出会い、恋に落ちるように試みる、コメディです。

http://www.youtube.com/watch?v=6c9aMw37iW8&feature=related

記憶は寝ている間に消えてしまうのに、なんと無意識に彼の印象が残っていて、彼女は、彼の顔を絵に描いたりするのでした。

 

これからGさんとパートナーも毎日辛抱強く、生活を積み上げていくのだろうとおもいます。

 

(間美栄子 2012年 31  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef