アートセラピストのイギリス便り

アートセラピスト間美栄子のシュタイナー的イギリス生活のあれこれを綴った友人知人宛のメール通信です。

The Calendar of the Soul (May 26- June 1)

2011-05-28 22:25:36 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

8. Eighth week (May 26- June 1)

 

The senses’ might grows strong

United with the god’s creative work;

It presses down my power of thinking

Into a dreamlike dullness.

When godly being

Desires union with my soul,

Must human thinking

In quiet dream-life rest content.

 

感覚の力はますます強くなり

神の創造的な仕事とひとつになる

 

それは私の思考の力を抑え

夢のような鈍さに変えていく

 

神なる存在が

私の魂と結びつくことを望んでいるこの季節

人間の思考は

静かな休息のなかにある


The Calendar of the Soul (May19-25)

2011-05-18 21:08:23 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

7. Seventh week (May19-25)

 

My self is threatening to fly forth,

Lured strongly by the world’s enticing light.

Come forth, prophetic feeling,

Take up with strength your rightful task:

Replace in me the power of thought

Which in the senses’ glory

Would gladly lose itself.

 

 

誘惑的な光に魅了されて

私自身は前に飛んでゆく

予言のようなFEELING

強さを持ってタスクを果たしていくよう促す

 

この光の季節 

思考の力は

感覚の栄光のうちにそれ自身を置き換え

自身を失うのだ


第八十八話 現代史映画「存在の耐えられない軽さ」

2011-05-15 21:50:34 | 社会

                    映画Three colours- blue」ジュリエットビノッシュ

  

 

*我が家の庭では春から順に、れんぎょう、八重桜、カメリア、と花木が咲きつづけていて、今は日本にはない毒のあるマメ科の黄色い花の木バーナムがたくさんの花をぶら下げています。わたしは日本の原発事故のことを考えると落ち込んでしまい、ぼんやりと花を見て座っていることが多かったりするこのごろです。

なずなはイタリアを6週間旅しているところで、これまでは電話で話していたのが、それもないとなると、やっぱりさみしく、「これが空の巣症候群か」というかんじ。

 

 第八十八話 現代史映画「存在の耐えられない軽さ」

 

映画ショコラの主人公(ジュリエットビノッシュ)は小さな女の子を連れて流れてきた、ちょっと魔女のようなチョコレートの秘伝を代々受け継ぐシングルマザー。

私もなずなとふたりイギリスに流れ着いたときはマクロバイオティックをしていて、なんだか黒い料理や黒いパンなど食べていたので、映画ショコラを見たときは自分たちのことみたいに感情移入したものでした。

 

さて、そのジュリエットビノッシュが若いころ出演したチェコが舞台の映画で、「存在の耐えられない軽さ」という長編があります。http://www.youtube.com/watch?v=1wtFIt5PVS4&feature=related

田舎娘のテレザ(ジュリエットビノッシュ)は出張に来たプレーボーイ脳外科医トマーシュに出会い、いきなり押しかけ結婚をするのですが、このトマーシュには愛人がいるのでした。テレザにはそれが耐えられない。

時代はソ連の強圧にプラハが苦しんでいるころ。政府批判を書いたトマーシュは脳外科医の仕事を失い、窓磨きとなるのですが、徹底した「軽さ」のトマーシュはそれをまったく苦にもしないところがすごい。

 

現在の東電原発事故以後の日本の状況を見ていると、まさに、歴史の大きな転換期にあると感じます。そんな時、テレザのようにカメラを戦車に向けて証言者となれるのか。トマーシュのように職を捨ててでも自分の考えを表現していけるのか。一人ひとりの勇気が変化への力とつながっていくようにおもいます。

 

私の職場の同僚でチェコからきた三十代の人が言っていました。「ほんとに社会が変わっていくのは私たちの代が死んでから、共産主義を経験していない次の世代からだろう」と。

私たちもみな日本の教育を受け、日本の社会で育って、「洗脳」されているので、この日本の政治、社会管理システムを疑い、変えることはなかなか出来ない。でも、この東電原発事故では、そのシステムがいかに人間をおろそかにしているのかをあからさまにして、いまや誰にでもおそろしさが見えるようになった。

 

次の世代まで待てない危機的な状況にある現在、どうか、一人ひとりの声をTwitterでも、Facebookでも使って伝え合ってください。少なくとも日本では言論の自由があるのですから。

 

間美栄子 2011年 515  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

P.S, ジュリエットビノッシュが主演した映画でも特にいいのは、フランス映画の「Three colours- blue」交通事故で夫とこどもを亡くした女性の心の様を細かく描写しています。http://www.youtube.com/watch?v=jJetkmTWxQc


The Calendar of the Soul (May12-18)

2011-05-11 22:38:43 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

6. Sixth week (May12-18)

 

There has arisen from its narrow limits

My self and finds self

As revelation of all worlds

Within the sway of time and space;

The world, as archetype divine,

Displays to me at every turn

The truth of my own likeness.

 

 

自らの狭い限界からのぼりあげ

わたしは真の私を見出すことができる

 

時間と空間のゆれのうちに

霊的世界は、神的存在のアーキタイプとして

わたしがいかに神的存在のイメージの生き写しかを示している


The Calendar of the Soul (May 5-11)

2011-05-05 22:18:33 | 魂のこよみーセカンドスパイラル

The Calendar of the Soul

 by Rudolf Steiner

5. Fifth week (May 5-11)

 

Within the light that out of spirit depths

Weaves germinating power into space

And manifests the gods’ creative work:

Within its shine, the soul’s true being

Is widened into worldwide life

And resurrected

From narrow selfhood’s inner power.

 

スピリットの深みからのひかりのうちに

芽生えの力が空間へと織り込まれている

そして神々の創造的な仕事をあらわしている

 

その輝きのうちに 魂の真の存在が

狭い自己の力から 復活させられ

霊的世界の生命の中へと 広げられている

 


第八十七話 怖い近未来映画 「Children of Men」

2011-05-03 01:14:59 | 社会

*先月ずっと暖かい日が続いたイギリスでは、ブルーベルが満開。お昼休みには病院の近くの森でブルーベルの海を見ながらピクニックをして息抜きをしています。

ギャップイヤーのなずなは半年働いて貯めたお金でイタリアを6週間旅している真っ最中。ベニスを始まりとした各地をめぐるユースホステル安旅で、さまざまなことや、人々の暮らしを目にしていろいろ感じていることでしょう。

わたしはTWITTERで原発事故のことを読むひびがたたったか、飛蚊症という、目の症状が悪化。スローダウンしなさい、ということなんだな、と理解し、コンピュータはほどほどにして、毎日早寝しています。皆さんも、原発のことで心労が重なっていると思いますが、眠るのは効きますよ。

 

第八十七話 映画「Children of Men

 

原発事故の後、昔見た「黒い雨」を思い出し、映画の中で原爆症で苦しむ女性を演じていたのは元キャンディーズのスーちゃんだったなあ。あの夏、かんかん照りの日、映画を見て心も体も(クーラーで)冷え切ってしまったんだったなあ、とおもっていました。そんなところに、田中好子さんが乳がんで亡くなったとの訃報を聞きました。「もっと映画に出たかった」というスーちゃん。http://www.youtube.com/watch?v=ToT1lQXMRRM

「原発のせいでがんになりたくない」と声を大きくしていいのだと、スーちゃんも後押ししているように感じます。

 

このターニングポイントでもし社会が変われなかった場合、どんなことが待っているのか、かいまみせる怖い近未来映画があります。

 

Children of Menhttp://www.youtube.com/watch?v=NikEQy1XxDE

 

時は2027年。世界中で子供が生まれなくなって、18年がたっている。テロ、移民迫害、というすさまじいありさまのロンドン。主人公のクライブオーエンが巻き込まれるのは、奇跡的に子供を身ごもった黒人のティーンエイジャーの少女を守り避難させるという使命。

 

イギリスでは現在も日増しに、移民を入れるなとの声が高まっていて、外国人のあまりいないケントに住む私としてはもう人々の視線が痛いくらい(被害妄想もあり)

移民たちが檻に入れられるシーンは人ごとではなく、ほんとに震え上がってしまう。

逆算すると世界中で一人も子供が生まれなくなったのは2009年という設定で、ピルを飲む女性たちが排出する尿が循環し、飲み水に入り、と想像すると実際ありそうな話だ、と思っていたが、放射能が不妊に及ぼす影響は、チェルノブイリ原発事故後の流産の増加を見るとわかるように明白です。

 

福島の避難所で15歳の少女が「子供が産めない体になるのではないか」と東京電力に質問したとのつらいニュースをみましたが、ここに核心があるとおもいます。この子供たちの未来をどうやったら保障できるのか?映画の中の奇跡的に子供を身ごもった黒人の少女のラフな話し方もまったくふつうの「いま」の若い人そのもので、私には、現実感のある怖い映画です。

 

歴史はコンセクエンスでおきています。ひとつひとつの出来事は影響し合い、次の出来事を生み出しています。政治家や経済界だけが歴史をつくるのではなく、民衆の意識が変化にかかわっています。どうか、自分のきもちや考えを声に出してお互いに伝え合ってください。

 

では、またお便りします。体には気をつけて。お元気で。

 

間美栄子 2011年 51  http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef

 

   Nazuna in spring in Japan, 18 years ago