*先月ずっと暖かい日が続いたイギリスでは、ブルーベルが満開。お昼休みには病院の近くの森でブルーベルの海を見ながらピクニックをして息抜きをしています。
ギャップイヤーのなずなは半年働いて貯めたお金でイタリアを6週間旅している真っ最中。ベニスを始まりとした各地をめぐるユースホステル安旅で、さまざまなことや、人々の暮らしを目にしていろいろ感じていることでしょう。
わたしはTWITTERで原発事故のことを読むひびがたたったか、飛蚊症という、目の症状が悪化。スローダウンしなさい、ということなんだな、と理解し、コンピュータはほどほどにして、毎日早寝しています。皆さんも、原発のことで心労が重なっていると思いますが、眠るのは効きますよ。
第八十七話 映画「Children of Men」
原発事故の後、昔見た「黒い雨」を思い出し、映画の中で原爆症で苦しむ女性を演じていたのは元キャンディーズのスーちゃんだったなあ。あの夏、かんかん照りの日、映画を見て心も体も(クーラーで)冷え切ってしまったんだったなあ、とおもっていました。そんなところに、田中好子さんが乳がんで亡くなったとの訃報を聞きました。「もっと映画に出たかった」というスーちゃん。http://www.youtube.com/watch?v=ToT1lQXMRRM
「原発のせいでがんになりたくない」と声を大きくしていいのだと、スーちゃんも後押ししているように感じます。
このターニングポイントでもし社会が変われなかった場合、どんなことが待っているのか、かいまみせる怖い近未来映画があります。
「Children of Men」http://www.youtube.com/watch?v=NikEQy1XxDE
時は2027年。世界中で子供が生まれなくなって、18年がたっている。テロ、移民迫害、というすさまじいありさまのロンドン。主人公のクライブオーエンが巻き込まれるのは、奇跡的に子供を身ごもった黒人のティーンエイジャーの少女を守り避難させるという使命。
イギリスでは現在も日増しに、移民を入れるなとの声が高まっていて、外国人のあまりいないケントに住む私としてはもう人々の視線が痛いくらい(被害妄想もあり)。
移民たちが檻に入れられるシーンは人ごとではなく、ほんとに震え上がってしまう。
逆算すると世界中で一人も子供が生まれなくなったのは2009年という設定で、ピルを飲む女性たちが排出する尿が循環し、飲み水に入り、と想像すると実際ありそうな話だ、と思っていたが、放射能が不妊に及ぼす影響は、チェルノブイリ原発事故後の流産の増加を見るとわかるように明白です。
福島の避難所で15歳の少女が「子供が産めない体になるのではないか」と東京電力に質問したとのつらいニュースをみましたが、ここに核心があるとおもいます。この子供たちの未来をどうやったら保障できるのか?映画の中の奇跡的に子供を身ごもった黒人の少女のラフな話し方もまったくふつうの「いま」の若い人そのもので、私には、現実感のある怖い映画です。
歴史はコンセクエンスでおきています。ひとつひとつの出来事は影響し合い、次の出来事を生み出しています。政治家や経済界だけが歴史をつくるのではなく、民衆の意識が変化にかかわっています。どうか、自分のきもちや考えを声に出してお互いに伝え合ってください。
では、またお便りします。体には気をつけて。お元気で。
( 間美栄子 2011年 5月1日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
Nazuna in spring in Japan, 18 years ago