*日がずいぶんと長くなり、仕事が終えた後に散歩したり、サイクリングをしたり、夕暮れ前のひとときを楽しんでいます。病院のまわりには森も多く、この季節には、少し足を伸ばしただけで、香りも強い濃い青紫のブルーベルの群生をみることができます。茎の先端が垂れ下がっているブルーベルが野生のイギリスのもので、庭に生えているのはスペインのものだとのこと。
第六十五話 100歳のシュタイナーアートセラピーのパイオニア
私の勤務する病院では最近はニューロリハビリではない、ほかの理由での2,3週間の短期間の入院が増えています。毎週のように新しい短期入院の、意識がしっかりしている患者さんたちとの出会いで、批判も含むはっきりしたフィードバックがあることもあり、私の学びも加速しているように感じます。
もうすぐ100歳になる、シュタイナーアートセラピーのパイオニアのおばあさんが入院してきました。彼女が描いた52枚の絵は「魂のこよみ」の挿絵になって出版されていて、そのようなアンソロポソフィーの大家、画家そしてセラピストを前に、私がどんな顔をして、セラピーができるのか?
彼女の顔は微笑が浮かび、やさしく、美しく、見ているだけで尊敬の念がわき起こってきます。記憶も思考もはっきりしていて、まるで人間の無限の可能性を体現しているようです。
アートセラピーでは、彼女には自分が描いた「魂のこよみ」をコピーすることをすすめてみました。もう絵筆はコントロールできないから描きたくないというので、チョークパステルを削って粉にしたもので指で直接色をつけて描く方法をとり、小さなパステル画を仕上げていきました。
今週の「魂のこよみ」はインディゴブルーの丘の上に立つ自分自身と空に浮かぶ神的存在とが同じ赤と黄色で描かれ、人間は神的存在のイメージで作られているということが表現されています。私は彼女が赤のパステルでまっすぐに指を動かし描いていくのを横で見ていて、かくも美しい100歳の人間がしっかりと地上に立っているという事を見ることができたこの幸運に感謝していました。
(間美栄子 2010年 5月15日 http://blog.goo.ne.jp/nefnefnef)
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検索をしていて、立ち寄りました。
100歳のアートセラピストは、とても気になります。
ぜひとも会って見たいような方ですよね。
しかも「魂のこよみ」の挿し絵を…。
素晴らしい~。
60歳をすぎてからTobias (アートセラピーの学校)を設立したのですから、人生ってほんとにいろいろなことができますよね。
彼女の52枚の絵の入った「魂のこよみ」、今度シュタイナーハウスで買ってこようと思っています。
間美栄子