長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『トランスフォーマー 最後の騎士王』

2019-04-23 | 映画レビュー(と)

シリーズ第5弾。今回はトランスフォーマー達が太古の昔より人類と共存してきた…というプロットで、何とアーサー王や魔法使いマーリンが出てくる。え、架空の人物じゃないの?という野暮なツッコミはなしだ。

劇中、度々繰り返される「犠牲なくして勝利なし」を合言葉に、冒頭から”リドリー・スコット風ベイヘム”演出とでも言うべき大破壊を繰り広げるマイケル・ベイは今回も絶好調だ。大して愛のないロボット達に時間を割く事をやめ、アーサー王の遺物を探す人間達を主軸としたアドベンチャー映画に舵を切っている。前作(どんな映画か憶えている人、いる?)でトランスフォーマー側についたためお尋ね者となってしまったマーク・ウォールバーグはマッドマックスよろしくな流浪の戦士となり、どう見てもオックスフォードの学者には見えないローラ・ハドックと逃避行を繰り広げる(マイケル・ベイらしいリアリティもクソもない女優選択眼だ!)。この手のジャンルには珍しく子供の存在感は希薄で、もはやファミリー映画の体裁すら取る気のない潔さ。そんな中、近年『ウエストワールド』以外では一切やる気のないアンソニー・ホプキンスがやけに楽しそうなのが逆に不気味である。

 

本作の興行的惨敗をきっかけに軌道修正が図られ、トラビス・ナイト監督によるスピンオフ『バンブルビー』が製作された。期待以上の大ヒットにシリーズは再び息を吹き返す事になるが、プロデューサー陣は「次回作は『バンブルビー』にベイヘムテイストを増量する」と公言。わかってねーな!

 

『トランスフォーマー 最後の騎士王』17・米

監督 マイケル・ベイ

出演 マーク・ウォールバーグ、ローラ・ハドック、イザベラ・モナー、ジョシュ・デュアメル、アンソニー・ホプキンス、ジョン・タトゥーロ、スタンリー・トゥッチ

 

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