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長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『シュガーケイン』

2025-02-16 | 映画レビュー(し)

 1800年代末、カナダ政府の同化政策によって先住民族の子ども達がカトリック系寄宿学校に送られた。この制度は約100年間に渡って続くことになり、近年校舎跡からは多くの無名墓が発見され、恐るべき実態が明らかとなる。

 第97回アカデミー長編ドキュメンタリー賞にノミネートされている本作は、“もう1つの『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』”とも言うべき衝撃作だ。寄宿学校では神父たちによる虐待が繰り返され、不審死が相次いだという。そして少女たちへの性的暴行の結果、生まれた赤ん坊たちが焼却炉に送られ、遺棄されるまでが徹底的に管理運営されていたのだ。映画は地域住民4世代に渡る苦しみを追い、観客に布教の名の下の文化的侵略と虐殺の事実を突きつける。心して見てもらいたい。


『シュガーケイン』24・加
監督 ジュリアン・ブレイブ・ノイズキャット、エミリー・カッシー

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