長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ミッチェル家とマシンの反乱』

2021-12-16 | 映画レビュー(み)

 配給こそNetflixによる世界配信だが、元々はフィル・ロード、クリス・ミラーによって製作されたソニー・ピクチャーズ最新アニメ。ストレートな家族ドラマに『スパイダーマン:スパイダーバース』で培ったグラフィックアートのような手書き演出を加えた本作は、3Dアニメながらハンドメイドの楽しさに満ちている。ギャグの切れ味も抜群で、賞レースではお堅いばかりのディズニー『ミラベルと魔法だらけの家』をさっそく引き離しにかかっている。かつて『ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー』を途中解雇されたロード&ミラーはまたしても“うっちゃる”勢いだ。

 映画監督を夢見る主人公のケイティは念願叶って映画学校に合格。長年“変わり者”として行き場のない気持ちを抱えてきたものの、大学に行けば同じ志の仲間に会える。そう期待していたにも関わらず、父親が大学までのロードトリップを企画。新歓パーティに間に合わない事に腹を立てたケイティは世界が破滅することを願うが、時同じくしてAppleよろしくテック企業の発表した最新AIロボットが反乱を起こし…。

 わかっていても家族の絆を巡るクライマックスにはホロリとさせられる。しかし真のクライマックスはエンドロールにこそある。これも“最もパーソナルなことが最もクリエイティブな映画”だったのだ。


『 ミッチェル家とマシンの反乱』21・米
監督 マイク・リアンダ
出演 アビ・ジェイコブソン、ダニー・マクブライド、マヤ・ルドルフ、マイク・リアンダ、オリヴィア・コールマン
 

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