長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『フレッシュ』

2022-03-20 | 映画レビュー(ふ)

 ノア(デイジー・エドガー=ジョーンズ)はマッチングアプリでデートを繰り返しているが、どうにも上手くいかない。今日の男は会う前から“現金、割り勘で”と場所を指定。会話はどうにも退屈だし、おいおいスカーフが焼きソバにくっついているのにも気付いていない。当然、店を出る時にドアを開けて待ってくれるハズもなく、正直に「私達は合わないと思うから、次はないかな」と告げると“クソ女”と吐き捨てられた。あー、なんなんだ。
 そんなある日、スーパーの野菜売り場でナンパされた。ちょっと変わってる人だけど面白いし、何よりイケメンだ。意気投合したノアはこの謎のナンパ男スティーヴと恋に落ち、ついに2人揃って週末の小旅行に出かけるのだが…。

 おっと、ここまで。『フレッシュ』はできる限り予備知識なしで見る事をオススメしたい。明らかにMe too以後の作品であり、同時上映するなら『プロミシング・ヤング・ウーマン』がベストのカップリングだろう。このジャンルで114分はちょっと長過ぎだが、アルモドバル映画に影響を受けたというミミ・ケーヴ監督の奇妙なプロダクションデザインは、緊張感をキープする事に成功している。

 デイジー・エドガー=ジョーンズがブレイク作『ノーマル・ピープル』の次に本作を選んだというエッジの効き方も心強いし、何と言ってもセバスチャン・スタンに驚かされる。フォックスサーチライト配給による本作はディズニープラスからのストリーミングデビューとなり、日本では同時期にhuluのTVシリーズ『パム&トミー』もディズニープラスから配信された。どちらもMCUのバッキーを目当てに見たファンが卒倒しかねないキワモノ演技で、彼が喜んで自身のイメージをぶち壊しているのがわかる。さしずめ“2022年春のセバスチャン・スタン祭り”であった。


『フレッシュ』22・米
監督 ミミ・ケイヴ
出演 デイジー・エドガー=ジョーンズ、セバスチャン・スタン、ジョジョ・ア・ギブス、シャルロット・ルボン、ダイオ・オケニイ
※ディズニープラスで独占配信中※

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