長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『キャッスルロック2』

2020-05-02 | 海外ドラマ(き)

 スティーヴン・キングの小説世界は全て同一宇宙の物語(ユニバース)である、というのはファンなら周知の事実。給水塔が印象的な田舎町キャッスルロックは多くの作品に登場するキング世界のランドマークだ。そこで起こる怪奇現象を描いたリミテッドシリーズが『キャッスルロック』である。

 とはいえ、これはキングが書いたのではなく、TVオリジナルのストーリー。今シーズンは『ミザリー』の登場人物アニーが主人公となり、狂気に陥った理由が描かれる(それがわからないから怖くていいと思うんだけど…)。出演は『ショーシャンクの空に』のティム・ロビンス、『IT』のペニー・ワイズことビル・スカルスガルド等々、キング作品ゆかりの役者達だ。

 ここまで聞いたら、なんだそりゃ?と思うのも無理はない。キング御大も関わっているとはいえ、本作は二次創作の色が濃く、『スター・ウォーズ』続3部作でも"ファン接待"に終始した製作総指揮J・J・エイブラムスの「この展開アがるだろ?んん?」というドヤ顔演出は正直、鬱陶しい。

 ちなみになぜいきなりシーズン2から見始めたかと言うと、僕の御贔屓サラ・ガドンが出演していたから。事件の鍵を握る人物として第5~6話に登場するのだが、ファンとしては物足りない扱いだった。デヴィッド・クローネンバーグやドゥニ・ヴィルヌーヴらカナダを代表する鬼才に愛される個性派女優であり、TVドラマ『またの名をグレイス』での名演も記憶に新しい演技派だが、ハリウッドではまだまだ外様の扱いである。

 今年こそは鑑賞本数を減らそうと思ったのに結局10話つきあってしまいました。


『キャッスルロック2』19・米
製作 サム・ショウ、ダスティン・トマソン
出演 リジー・キャプラン、ティム・ロビンス、エルシー・フィッシャー、ポール・スパークス、バーカッド・アブディ、サラ・ガドン


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