BUTTERSAND / PIANORGAT／THE WORLD IS MINE／くるり

最後の、物体が収縮し消えてしまうような音がすごく生々しい。

でもって歪みが浸食してきている。

もう少しでもろとも犯されてしまいますよ。気をつけてくださいこれはいけませんよ。
歪みが、知らぬ間にすぐうしろにいて、紛れ込んできているんですよ。
揺らいで、窓から入ってきている。カーテンがほんの少し揺れただけなので全然気づいてないし。
誰も。お父さんもおかあさんも、気づかずにドラマなんて見ながら談笑している。

わたしは叫びます。おとうさんおとうさんほれそこに魔王がいるよ恐ろしいよ。
お父さんはそれを聞いても全然焦ってくれません。
ははは、それはカーテンが風に揺れているだけだよ、大丈夫だよ、ほらこのぶどうパンを食べなさい。
ぱさぱさのぶどうパンを食べてなさい。
おとうさんおとうさん、ぱさぱさのぶどうパンなんて食べたくないよ、ほら魔王が食べているのはあつあつぷりぷりのホッドドッグだよ。わたしはそっちを食べたいよ。
そんなこと言う子はうちの子じゃありません、とおかあさんが叱るよ。
わたしはおかあさんに言ったんじゃないし、黙っといてくれる？
まあなんて子なの、あたしが継母だからってこのボケが、なめとったらパンパンやどこら。
おとうさんおとうさん、ほれそこに魔王がいるよわたしをパンパンにされるよ
それはおかあさんだよ、さあ、いいかげんおかあさんって呼びなさい。
あなたもういいわ、あたし我慢できません、もうこれ以上この家でやっていく自信がありません。

歪みはこのように浸食してきています。
気をつけてください。