リッスン・トゥ・ハー

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タワー

2007-05-22 | 若者的詩作
止まらない毎日がぼんやりかすみだす高い位置で
映った街が曖昧になってくるみたいな気がするんだ

止まらない季節に泳がされて長い列に
なんとなく並んでいたみたいな気がするんだ

「またいつかさよなら。なんでそんな嘘をついたのでしょうか?」

よく分からないが何かが足りなかっただけで
君がいないなら、いつかそれが当たり前になってしまいそうだ

またいつかさよなら全部放り出す街並みに落ちた

誰も知らない場所から見ている

アスファルトに埋もれた地面の上に映ったちいさな二人の影も、
見下ろすタワーも
またいつか


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2 コメント

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止まること (三四郎)
2007-05-26 21:04:46
>止まらない毎日がぼんやりかすみだす高い位置で
映った街が曖昧になってくるみたいな気がするんだ

おそらく、この世の中で「止まることができるもの」というのは「人の心」だけでしょう。モノも生物も止まれる、空間的には。でも「時間的」に止まれるのは人の心だけです。だから時に、「毎日」だけが過ぎ去り周囲がかすみだす感覚に襲われます。

止まるのは足りない何かを探すためかもしれないし、「君」がいなくなったのは「君」がいっしょに止まらなかっただけかもしれない。

>またいつかさよなら全部放り出す街並みに落ちた

ほうり出したのではなく、街から放り出されたのかもしれない。でも「またいつか」は少なくとも心のありかたとしては嘘ではない。人の心は「時間」を超えますからね。

とても虚無的ですけど、今は歩き続けているだけの私にとっては既視感のある一編です。

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Unknown (なゆら)
2007-05-28 22:01:44
するどいですねえ。実に鋭い。

止まることに意味はあるのでしょうか。
止まるってなんだろう。
何か変化したような気がするだけで、何も変わっていないんでしょうね。
ただ、忙しなくて困ります。

かわらなくてもいい、止まらなくてもいい、
とにかく、ゆっくり歩けばいい。

この解説によって、しょうもない詩が輝きました。
ありがとうございました。
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