空気やその他もろもろの地球にある条件下でなくとも成長した。納豆菌の威力を見たか。研究者は胸を張った。別に研究者が偉いわけではなく、納豆菌の潜在能力のなせる技であるから、納豆菌としてはいささか鼻についていた。あいつ、なんであんな偉そうなの、とお付きの人に耳打ちをした。お付きの人は、利用してやりましょう、アイツを利用してこの世界でのし上がり、ディズニーランドのキャラクターになってしまいましょう、と返したから、まあそれもいいか、って納豆菌は黙っている。その間にも、ぺちゃくちゃ研究者はあれやこれやと言葉を発する。ほら報道陣はうんざりしているじゃないか、もうさ、あいつ、ダメなんじゃね、と納豆菌は心配になってきた。研究者が見向きもされなくなったら、ディズニーキャラになれなくなる。長年の夢であるディズニーキャラになれないなんて、これから先生きていく意味なんてない。ねえねえ、あいつ、そろそろ止めないとやばくね?大丈夫ですよ、ああ見えて弁は立つ。しかしいくら弁が立っても、ほらあの報道陣のうんざりした表情、飽きかけてるんじゃ。たしかに、ちょっと飽きてるかな。ね?そうでしょ、どうしよう。わかりました、私がなんとかしましょう。お付きの人、突然研究者を殴り倒して、注目を浴び、これが納豆を毎日食べつづけた強靭な肉体が織りなす凶暴さじゃい、って。短い悲鳴。
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