リッスン・トゥ・ハー

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祭囃子の鳴る方へ

2006-07-06 | 若者的詩作
とんとんとんとんという太鼓の音、追い重なるように笛が鳴り、高らかに謳いあげる艶声。老婆も、おっさんも、若い娘も、入り乱れ、踊る。踊る。女、踊りの渦に巻き込まれ、浴衣の帯結び具合、和らいで、露にすれば、中年男子から来る遠慮のない視線を避けることなく、燃え盛る松明が、照らす指先の動きを追う、描く弧を。満月の下。甘い林檎飴を齧り齧り広い背に、もたれかかってうとうと眠り込み、甘く赤い汁、背に垂らし逆鱗に触れる。狐さん、目隠しをした狐さん、こちらへおいで、油揚げ、山ほどあげるから。化けて代わりに殴られ蹴られ。本日、祭で、この世の全て浄化され。たまや、たまや、空に雲ひとつなく、満天の星を覆い隠す花が咲く。照らせや、照らせや、酔っ払い野次を背に、真っ黒けっけの金魚を掬う。


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