潮風に乗って-北から南から

船や港に関係する地名を訪ねて、その土地の情報を発信します。

レアメタル争奪戦、日本の安定確保は?

2007年11月27日 | Weblog

2007/11/27(火) TBS NEWS
レアメタル争奪戦、日本の安定確保は?

TBSニュースで「レアメタル争奪戦、日本の安定確保は?」と題して、自動車やハイテク製品の製造には欠かせない希少な金属の争奪戦について、報じていましたので掲載します。
 http://nawata01.eco.coocan.jp/07TV_movies/TBS/tbs_rare metal_20071127.wmv


 自動車やハイテク製品の製造には欠かせない希少な金属=「レアメタル」。この貴重な資源を巡り、いま、世界的な争奪戦が繰り広げられています。果たして日本は、今後もレアメタルを確保し続けることができるのでしょうか。
 東京・江東区にあるリサイクル工場。テレビやパソコンなど、毎日1500台を超える家電製品が持ち込まれます。

 「これは文字通り“宝の山”ですね」(東京エコリサイクル・馬場研二社長)
 最近、この会社では、従来の鉄や銅だけでなく新たな金属の回収に力を入れています。インジウムとは、世界でも産出量が極めて少ない希少金属=レアメタルの1つです。
 「地下鉱山から掘り出すのではなくてリサイクルから回収する時代が訪れている」(東京エコリサイクル・馬場研二社長)

 今やレアメタルは、パソコンや携帯電話、自動車などを製造する際に必ずと言っていいほど使われるもので、「産業のビタミン」などとも言われています。
 「大きなビジネスチャンスがあると思っています」(住友商事・稲葉誠さん)
 大手商社の住友商事は、カナダ、韓国の企業と組み、マダガスカルでレアメタルの1つ、ニッケルの鉱山開発に乗り出しました。投資総額、およそ4000億円のビックプロジェクトです。

 レアメタルを巡っては今、世界的な争奪戦が繰り広げられていて、この5年間でインジウムは8.4倍、ニッケルも7倍と市況が急上昇。世界的なレアメタル・パニックが起きているのです。
 「中国の勢いに応じまして、大体5倍くらい相場は上がっている」(住友商事・稲葉誠さん)

 急速な経済成長を続ける中国。これまではニッケルを輸出していましたが、北京オリンピックを控え建築資材などに使うニッケルの需要が急拡大。とても海外に回している余裕はないのです。日本もレアメタルの確保に必死です。
 「こちらの倉庫にはレアメタル7鉱種、およそ13万トンが保管されております」(JOGMEC・土居正典課長)

 ここは、国内で7種類のレアメタルを備蓄している倉庫です。およそ1か月分が国の管理のもと保管されています。
 「レアメタルの場合は、1カ国で8割生産している、例えばタングステンやレアアースは8割9割生産しています」(JOGMEC・馬場洋三審議役)
 レアメタルは、資源としての量が少ないだけでなく、生産地が極端に偏っていることが深刻な供給不安を引き起こしている原因となっています。世界的な争奪戦に乗り遅れないために、経済産業省も大臣自ら「レアメタル外交」を展開し始めました。

 「レアメタルは調達に国が後ろ盾となってやっていく姿勢を、先方の政府に理解してもらわなければならないと思っています。官民一体となったですね、資源外交が必要だと思っております」(甘利経産相)
 今後もレアメタルを如何に安定して確保して行くか。ハイテク立国を掲げる日本にとっては、まさに死活問題と言えます。