今日も植物生態園の花(実)クイズの続き行きますね~
昨日はどちらかというと、林床や山すそなどに咲く花を中心にお届けしました。
今日は浜辺や河原などに咲く花、その他を中心にどうぞ~
そんなのあったっけ?
それがあるんですよね~
最初はこちらです。
まあ綺麗!しかも元気。沢山咲いていました。
草が生い茂る中に咲いているこの花はハマカンゾウ(ツルボラン科ワスレグサ属)です。
皆さん同様、私にもノカンゾウにしか見えませんでした。
浜辺に咲くカンゾウだそうで、葉が分厚いそうです。
でもこれじゃあ全然分かりませんよね。
なるほど!この暑さ・乾燥でも元気な植物は、海浜植物というわけか!
ということで、上の写真の右上あたりに見えているのがこの花です。
どこかで見たような姿ですね。名前は知らなくても、属は分かる人がいらっしゃるのでは。
こちらはトウテイラン(洞庭藍)。
近畿や中国地方の日本海側の海岸に自生するオオバコ科クワガタソウ属。
そう、こちらベロニカの野生種なんです。
園芸採取などによって自生は激減。貴重な花になっているとか。
・・・それにしても咲いている場所がごちゃごちゃしすぎですね。
ごちゃごちゃしたところにもう一種類咲いていたのがこちらです。
こちらも科はすぐに分かりますよね。
花はとても小さいです。後ろにニョキッと見えているのがハマカンゾウの蕾。
こちらはカワラケツメイ(河原決明)。
マメ科カワラケツメイ属で、全草を健康茶に使います。
ネムチャ(ネム茶)、ノマメ(野豆)、コウボウチャ(弘法茶)、マメチャ(豆茶)etc.
色々な名前で呼ばれており、古くから愛飲されていることがうかがわれます。
利尿作用があり、むくみや便秘などにもいいそうですよ。(Wikipediaより抜粋)
そういえば、エビスグサに似ていると思ったら、「ケツメイ」はエビスグサのことでした。
その横ではかなげに、
そのくせぼうぼうと藪のようになって広がっていたこの植物は・・・
こちらは絶滅が危惧されているマキエハギ(蒔絵萩)です。
ハギ科ハギ属の落葉小低木で、冬になると地上部が全部枯れてしまうそうです。
それって草じゃないの!?と思いますが、こちらは木です。木。
ネコハギと似たような色遣いの花ですが、蒔絵の花のように優雅なことからその名がつけられました。
ネコハギとの大きな違いは葉に毛がないことでしょうか。
こちらは浜辺ではなく、日当たりのよい草地に生える植物で、植物園では分布を増やしています。
お次は全員正解間違いなし!
考えすぎないでくださいね。答えはススキ(薄)です。
暑くてもススキの穂を見ると秋を感じますね。
もう少ししたら、根元にススキに寄生するナンバンギセルも出てくることでしょう。
こちらは実ですが、お分かりでしょうか。
育てている人はご存じでしょうけれど、こちらはヒオウギ(檜扇)の実です。
熟すと、ぱかっと開いて漆黒の実が顔をだし、烏羽玉と呼ばれます。
花は祇園祭の花として有名で、本州以南の草原や海岸に自生するそうです。
下の写真は同じ場所で過去に撮った花と種です。
続いて3つ木本です。
最初はこの星形の花。前にも載せたことがありますが覚えておられるでしょうか。
え、これだけでは難しいですか?
それでは、葉と(ボケボケの)実が写っている写真をもう一枚。
こちらはハマナツメ(浜棗;クロウメモドキ科ハマナツメ属)です。
東海地方以西の海岸に自生し、今は絶滅危惧になっているそうです。
なるほど、葉がつやつやして分厚く、いかにも海岸に向きそうですね。
お次の木本は・・・え、今頃アジサイ?
そうなんですよ~
晩夏に咲くこの花の特徴は蕾。ご覧くださいませ。
こちらはタマアジサイ(玉紫陽花;アジサイ科アジサイ属)です。
福島以西の山中や道路法面などに自生するそうですが、見たことはありません。
最後はこちらです。
お~ぶら下がり系の実ですね。
幹はこんな感じです。樹高はすごく高いです。
こちらはアカシデ(赤四手;カバノキ科クマシデ属)。
なるほどぶら下がった実を見ると、「シデ」という名前が付いたわけが何となく分かります。
山歩きをされる方にはおなじみの木かもしれませんね。
実(果穂)を作る小さい葉状のパーツ(果苞)がバラけて付いているのがアカシデの特徴。
一方、クマシデやサワシバは果苞がぎゅっと密着するので、全体にまとまって見えるそうです。
ながながと解説してしまってすみません。
チャレンジしてくださった皆さん、読んでくださった皆さん、お疲れさまでした~
書く方も疲れたので(笑)、明日は並べるだけにしますね。
【撮影:2023/8/27 京都府立植物園】