議会雑感

国会のルールや決まりごとなど、議会人が備忘録を兼ねて記します。

参議院の行政監視委員会-その1

2019-05-20 | 国会雑学
○日本国憲法第90条

国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。(以下略)


日本国憲法第90条に基づき、毎会計年度の決算は、内閣から衆議院、参議院の両院に同時に提出され、それぞれの院で審査が行われます。

決算は、予算と異なり法規範性は有しませんが、決算審査の意義は、国会で議決された国の予算の執行実績を審査することにより、その結果を後年度の予算編成や政策遂行に反映させることにあります。

つまり、国の活動、国の予算を事後的に監督することで、国の予算が適法に目的どおり使用されたか、行政が適正に行われたかどうかを監視する重要な意味を持つのが決算審査なのです。

衆議院では、委員40人からなる決算行政監視委員会を、参議院では、委員30人からなる決算委員会が常任委員会として設置されています。

なお、参議院の場合は、行政監視を別の委員会で行うこととしており、行政監視委員会が設置されています。

では、なぜ、行政監視委員会が新設されたのでしょうか。

参議院改革の中で設置に至りました。

平成7年8月(第133回国会)に設置された行財政機構及び行政監察に関する調査会は、「時代の変化に対応した行政の監査の在り方」をテーマとして調査を進めた結果、参議院に期待される行政監視機能を向上させるため、オンブズマン的機能を備えた行政監視のための第二種常任委員会を設置する旨の中間報告が取りまとめられました。

平成9年6月9日に、調査会長がこの中間報告を議長に提出し、6月18日に議長は中間報告の取り扱いを各会派代表者懇談会に諮り、その後、議長は行政監視委員会新設のための国会法及び参議院規則の改正について、議運委員長に指示したのです。

結果、平成9年12月5日、国会法及び参議院規則の一部が改正され、行政監視委員会が新設されました。

平成10年の第142回国会の召集日に施行され、現在に至ります。設置当初は活発だった調査活動も、現在は低調と言わざるを得ません。

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