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俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

偏見

2012-07-31 15:00:09 | Weblog
 世界の鰻の70%を日本人が食べているそうだ。蒲焼きという技法だけではなく、夏には売れなかった鰻を「土用丑の日」として夏食材にした平賀源内の功績も大きい。但し、日本人が食べ過ぎるせいで鰻が激減しているのは困ったことだ。
 日本人は鰻以外にも蛸や鯨など他の民族が余り食べない物を好む。さぞかし外国人は日本人をゲテモノ食い民族と思っていることだろう。勿論、日本人はこれらをゲテモノとは思っていない。猿の脳味噌を食べる中国人やエスカルゴを食べるフランス人や犬を食べる韓国人のほうがゲテモノ食いだと思っている。
 人は自分達の習慣を疑わない。自分達の習慣は正常なものであり違う習慣を異常と考える。
 伝統のあるものだけではなく新しい道具であっても導入当初の物に引き摺られる。洋式トイレの蓋はその典型例だ。バス・トイレがセットになった施設でなければ蓋は必要無い。今でこそ蓋の無いトイレは市民権を得ているが、10年ほど前に業務改善として「蓋の無いトイレ」を社内で提案した時には散々非難された。それほど人は今在る物は正しいと考える傾向にある。導入歴の短い様式トイレ以上に、長年続いた習慣を見直すことは難しい。人は偏見の塊とさえ思える。

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