俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

警察

2013-07-10 09:54:43 | Weblog
 我々は警察を信頼している。普段は鬱陶しいだけの存在だが、いざ被害者になれば頼りになる。一挙に正義の味方に格上げされる。どういう訳か今年の第一生命の「大人になったらなりたいもの」調査では男子の2位にランクされた。しかし残念なことに警察権力は国内でしか通用しない。
 アメリカの場合、警察は州に属する。州はstateでありこれは「国」という意味でもある。西部劇では州境を越えて権力を行使できなかった。この不合理を解消するために1908年にFBI(連邦捜査局)が作られた。
 これと同じように国際警察があれば良いと誰でも思うだろうが、国ごとに法律が違うという事情もあってそれは難しい。では治安は誰が守るのか、軍隊だ。
 ソマリア沖の海賊には誰が対処すべきか。国際警察など無いのだから各国の軍隊が対応している。では日本は?丸腰でいる。日本国籍の船には銃刀法が適応されるため民間人の武装が禁じられているからだ。
 しかしこれは奇妙な話だ。国内なら警察が市民を守るのだから武装の必要は無い。ところが公海上では殆んど守れないにも関わらず武装が禁じられている。「平和憲法があるから日本は平和だ」という奇妙な迷信を信じる人なら「銃刀法があるから日本の船は安全だ」と考えるかも知れないがそれはあり得ない。
 アメリカに住む日本人なら武装が許される。これはアメリカの国内法に基く。それと同様に警察権力が及ばない公海では武装が認められるべきではないだろうか。国が治安の責任を果たせないのなら自主防衛権が認められて然るべきだろう。
 政府も見て見ぬ振りをしている訳ではない。武装警備を認める日本船警備特別措置法が通常国会に上程されていた。しかし会期末の混乱で廃案になった。政争のために国民の生命や財産が危険に晒され続けることは好ましくない。

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