俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

売買春

2008-05-11 10:41:11 | Weblog
 売買春について考える時に男と女の意見は大きく分かれる。男は男の立場で考えるから売春する女が悪いと考える。女は女の立場で考えるから買春するスケベオヤジが悪いと考える。これでは議論が進展しないから些かアブノーマルな状況を設定して考えてみたい。
 同性愛の男が性欲を満たそうとしたらどうするだろうか。身近な人に手を出して失敗すれば社会的地位を失う恐れがあるからネットやゲイバーで同好の士を探すだろう。好みの相手が見つかって性行為をするために金を支払ったとすれば金を払う側と受け取る側のどちらが悪いのだろう。
 気持ち悪い話だがそれはさて置き、どちらも余り悪くないように思える。合意に基づいた金銭の授受と思える。しかし同性愛ということを「悪」とするなら金を貰ったほうが一層悪いと言えよう。払う側は金を払ってでも欲望を遂げたいという苦しい立場だが、金を貰う側は(やはり同性愛者なのだから)楽しい思いをして金儲けをしているのだから。
 麻薬を売る側と買う側はどちらが悪いだろう。売る側がはるかに悪いと断言できる。売る側は麻薬を蔓延させて悪事を拡大してそれによって儲けているのだから。売る側の悪さを考えれば、買う側は被害者とさえ言えよう。
 贈収賄ならどうだろうか。やはり貰う側が悪い。賄賂を納める業者は喜んで納めている訳ではなくそうしなければ仕事が得られないための必要経費として賄賂を納めている。言わば被害者だ。賄賂を要求する者が加害者だ。
 偽ブランド品ならどうだろうか。やはり売る側が悪い。売る側は「買う馬鹿がいるから売っているだけだ」と開き直るかも知れないが売る側のほうが圧倒的に悪い。
 以上の類例から、私は売買春は売る側のほうが悪いと結論したいがどうだろうか。特に女性からの反論に期待する。
 霞を食って生きる訳には行かない人間が金を稼ぐことは決して悪いことではない。必要な行為だ。しかし悪事で金を稼ぐことは悪事そのもの以上に悪い行為ではないだろうか。

1 コメント

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神よ… (8357)
2009-03-19 16:02:29
これは2005年5月の記事だから、確かにこの時は僕も厳しく取り締まるべきと思いました。だが現在は100年に一度と言われる世界同時不況を背景に雇用環境の悪化が加速しています。そこで生きる為にリスク回避として売買春をする場合は、多額の利益が得られる可能性がある半面、取り締まられた場合は多額の損失を被る危険の伴う取引の為、取引を開始されるにあたり、売買春の仕組みや特徴を十分に理解した上、自己の財産状況、取引経験、取引目的等に照らして適切と判断する場合のみ、自己の判断と責任において行うことが肝要だという事を念頭に置くように、と彼女達に伝えたいです。しかしこの様な状況を打破する為にも政府は一刻も早く、有効な景気浮揚策を打ち出す事が求められるでしょう。
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