俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

役人の奴隷

2011-02-22 15:31:59 | Weblog
 先日「老人の奴隷」というやや過激な記事を書いた。しかし実は現役世代を食い物にしているのは老人だけではない。政治家を含む公務員こそ老人以上に悪質な搾取者だ。今では信じられないような話だが戦前までは政治家も公務員も薄給だった。
 戦前の政治家はボランティアに近い位置付けだった。戦後になってから厚遇され、今では日本の国会議員の報酬は世界一高額となり、政治家を家業とする人々まで現れる始末だ。
 戦後すぐの公務員は薄給だった。勤務時間が短く責任も問われない楽な仕事だったからそれ相応の給料だった。
 政治家と公務員が高給取りになったのは両者が結託したからだ。政治家と公務員がグルになってお互いの待遇を良くした。決算発表も株主総会も無いから簡単に自分達の給料を上げ続けた。
 給食のオバちゃんや市バスの運転手が7・8百万円の報酬を得ているという事実は比較的広く知られている。これは「現業手当て」が加算されるからだ。気楽な事務仕事よりも苦しい仕事と見なされている。しかし「気楽な事務仕事」に対する過大な報酬こそ見直されるべきだろう。
 さすがにやり過ぎたということに気付いた政治家が見直しを主張し始めた。名古屋の河村市長であり大阪の橋下知事だ。
 ビートルズにTaxmanという作品がある。これはお馴染みのレノン&マッカートニーではなくジョージ・ハリスンの作品で最後の言葉が痛烈だ。「お前達は他の誰のためでもなくただ私(Taxman)だけのために働いている。(You're working for no one but me.)」
 民間の労働者は税金を納めるために働かされているようなものだ。企業による搾取は労働者と協調的でさえあるが、役人による搾取は全く一方的でありかつ悪質だ。搾取という言葉は資本家に対してよりも役人に対してこそ使われるべきだろう。

コメントを投稿