俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

無視による公害

2013-01-18 13:28:51 | Weblog
 かつての公害は無知に基くものだった。生活排水が自然浄化されるように工場廃水や煤煙なども浄化されると思っていた。あるいは水銀などの金属はそれほど有害なものとは認識されていなかった。これらは重大な環境破壊ではあったが無知に基く公害なので罪は軽い。言わば過失罪だ。
 しかし今の中国で拡大している公害は無知ではなく「無視」によるものであり罪は重い。国民が公害病で苦しむことや世界中に汚染が広がることが分かっているのに環境破壊を続けている。これは確信犯だ。国家レベルでの犯罪行為だから国内問題ではない、国際問題だ。
 かつて大日本帝国軍は中国を侵略した。これは歴史的事実であり否定できない。しかし中国は今、日本を含む世界を汚染している。これは過去のことではなく現在のことだ。過去の悪事について追及することよりも現在の悪事の改善のほうが喫緊の課題だ。
 旧日本軍は中国で毒ガスを作った。しかしどの程度使われたかはよく分からない。一方、現代中国は毒ガスを世界中に大量にバラ撒いている。歴史的事実は変えられないが現在の事実なら自らの意思で改めることができる。
 領土問題で我儘放題の屁理屈を並べる中国だが、世界を汚染している責任を自覚すべきだ。日本は過去における加害者だが中国は現在の加害者であり「人類の敵」だ。

悪い競争

2013-01-18 13:05:40 | Weblog
 競争は本来望ましいものだ。競争は進歩や進化を促す。
 インフルエンザウィルスは最も厳しいレベルの生存競争に晒されている。種族内での競争は勿論、人類によって次々に新しい抗生物質で攻撃される。この過酷な状況で生き延びられるのはその変異力と繁殖力の賜物だ。
 抗生物質によってウィルスの99%以上が殺される。ところがその抗生物質に対する耐性をたまたま持っていた個体が生き残って繁殖をする。新しい抗生物質によって再び攻撃されても同じようにして生き残る。ウィルスと抗生物質とのイタチごっこのような状況だが今のところウィルスの進化のほうが医学の進歩を凌駕している。インフルエンザウィルスが進化するのは困ったものだが、このことが明らかにしていることは淘汰が種の強化に繋がるということだ。
 人間社会も競争と淘汰によって進歩する。競争相手が強ければ強いほど自分が強くならなければ生き残れない。生き残るために死に物狂いで努力する。こうして自分自身が向上する。
 悪い競争もある。所謂「足の引っ張り合い」だ。同級生の成績を下げることを狙ったり同僚の悪い噂を流したりすれば相対的に自分の地位が上がる。しかし自分の絶対的レベルは下がる。アメリカの大統領選挙でのネガティブキャンペーンもそれに類するものだ。自分を高めないのだからこれらは悪い競争だ。
 政府は低所得者の生活費を基準にして生活保護費を引き下げようとしている。生活保護費を引き下げたら今度は受給資格を引き下げるだろう。そしていずれは引き下げられた生活保護費を基準にして賃金の引き下げが目論まれるだろう。こんな貧者同士の対立を煽るようなビリ争いの競争は不毛だ。下げるための競争ではなく上げるための競争が望ましい。