俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

感謝

2008-02-05 15:58:09 | Weblog
 人は様々な人から「お世話になっている」。これは単にビジネスマンの口先だけの挨拶ではない。
 上司・同僚・部下には助けられている。隣人には気を使ってもらっている。小売店や飲食店には良い商品を提供してもらっている。医師には病気や怪我を治してもらっている。親には大変お世話になった。
 実際には助けてもらっているのに感謝せず、「金儲けのために働いているだけだ」と考える人が増えた。たとえそれがその人の仕事上のことであっても、本来しなくても良いことまでしもらっていることが多い。これを感謝せずに当たり前だと思うことが情けない。もっと感謝することを学ぶべきだろう。

漢字

2008-02-05 15:49:19 | Weblog
 日本では中国と同じ「漢字」を使っている。と言うより、中国人が発明した漢字を勝手に使っている。もし漢字に知的財産権が認められるなら、どれほど使用料を払わねばならないことだろうか。
 同じ文字でも必ずしも同じ意味で使っている訳ではない。「湯」が中国語ではスープを意味することはよく知られているが他にもこんな例がある。手紙=トイレットペーパー、汽車=自動車、愛人=配偶者、老婆=奥さん、娘=お母さん、人間=世の中(世間)、新聞=ニュース、猪=ブタなど。
 似ているのに少しだけ違う場合に一番誤解が生まれ易い。東洋人同士は外見は似ているがやはり違った歴史と文化を持っている。それだけに小さな違いを針小棒大に捕らえて非難し合うのではなく、それぞれの特性として尊重し合いたいものだ。
 (他に「同文字異義語」をご存知のかたは教えてください。)

救急車の有料化

2008-02-05 15:36:34 | Weblog
 行政サービスの低下にはなるが、厚かましい人が増えている現状では、救急車は有料化したほうが良いように思われる。救急車をタクシー代わりに使う人がいるから本当に必要な人が利用しづらくなってしまっている。
 「妻が出産寸前です」という電話で駆けつけたら、入院に必要な道具一式を持った奥さんに「○○産婦人科まで」と言われたり、「息子が指を切った」と言われて切断かと思って行ったらただ単に小さな切り傷だったりするそうだ。
 救急車はタクシーより早い。緊急性があるから特権を持っているのに、この特権を緊急性の無い人が無料で利用しようとするから、本当に緊急事態の人が利用できにくくなってしまう。
 何か事件があってどこかの企業が緊急連絡用にフリーダイヤルを設けると、緊急連絡と関係ない電話までフリーダイヤルにかかって来るそうだ。電話代をケチるからだ。これは決してケチで知られる大阪人だけに見られる特異な現象ではないだろう。
 有料にしたほうが本当に緊急性のある人しか使わなくなるから、かえって救急車の利便性は高まるだろう。

クリスマスケーキ

2008-02-05 15:00:22 | Weblog
 クリスマスケーキは年間のケーキ需要の約2割を占めるそうだ。わずか2日間でこれだけの商品を捌くためにメーカーはどんな手を使っているのだろうか。
 ビジネスにおいて「ピーク対応しない」ことが鉄則だ。もしクリスマスイブの直前の4日間で年間生産高の2割を作ろうとしたら、毎日、年間生産高の5%を作らねばならない。それに必要な設備や人的投資をして300日間フル稼働すれば生産量は1,500%、つまり本来必要な生産量の15倍になってしまう。これでは1年に僅か4日間だけフル稼働して残りの296日は18分の1しか使わないようにしないと過剰生産になってしまう(5%×4日+5%×295日÷18≒100%)。こんな馬鹿な投資をしないということが「ピーク対応しない」ということだ。毎日の仕事量を平準化して常に設備と人員をフル稼働させるようにしていれば設備投資も人件費も最小限に抑えられる。
 クリスマスケーキは前年の12月25日から作り始めて、冷凍保存しておくという手法が最も合理的だ。本体部分(多分スポンジというと思う)は12月20日までにせっせと作り溜めしておいて、最後の4日間は解凍と仕上げのデコレーションだけに専念すれば最も低コストで生産できる。
 これは決して私の妄想ではない。平成19年12月3日付けの朝日新聞にはこんな記事が出ている。
「山崎製パンでは12月1日から製造を開始。スポンジケーキからクリームまですべての装飾を施して冷凍する。」「解凍する日に2日加えた日付を消費期限としている。」(コメント欄にもとの記事のアドレスを掲載)
 冷凍したら劣化する生クリームや果物まで冷凍する山崎製パンのケーキよりは私の想像のほうがマシだ。こんな事情があるから製造年月日を表示できないし、クリスマスケーキが普段のケーキよりも不味くなってしまうのだろう。
 製造年月日の代わりに消費・賞味期限を表示するようになったのは、こんなメーカーの要望に旧・厚生省が応えたのだろうか?
 直前の4日間で作れるケーキしか売らない良心的なメーカーは堂々と製造年月日を表示すれば良いだろう。表示を見るだけで冷凍か「生」か識別できるようになる。

買う側が偉い?

2008-02-05 14:34:11 | Weblog
 「お客様は神様です」と宣言する歌手がいた。そのせいか日本では買う側のほうが売る側より偉いということは半ば常識となっているが、本来商取引は対等な筈だ。売りたい側と買いたい側の利害が折り合って初めて取引が成立する。人は「欲しいから買う」のであって「買ってやった」り「(乗物に)乗ってやった」りする訳ではない。利用者と供給者は対等の関係だ。但し需要と供給はシーソーの関係にあり、需要が多いと供給側が偉くなり、供給が多いと需要側が偉くなり勝ちで、慢性的に供給過剰気味の現代の日本では自分を神様と錯覚した傲慢な消費者がしばしば発生する。
 「売る側が偉い」商品の代表例は石油で、産油国は石油とそれを売って得た莫大なオイルマネーの力で世界に対して圧力を掛ける。
 日本人は余り意識しないが、実は食料品も「売る側が偉い」商品だ。アメリカの穀物は核兵器にも劣らぬ武器であって世界中に圧力を掛けている。
 日本の食糧自給率は40%しかなく、外国が食料品を売ってくれなければ国民の生活は成り立たない。もし輸入食品が無くなれば食料品価格は暴騰し、金にモノを言わせる金持ちだけしかまともな生活を営めなくなってしまう。
 平成6年に米不足になりタイ米を輸入した時の日本人の傲慢さには呆れ果てた。正しい炊き方をせずに「臭い」とか「不味い」とか「ゴミが混じっている」とか勝手なことばかり言っていた。足りないから「売ってもらった」ということを忘れている。
 輸入食品の約15%(国内消費の約10%)を占める中国に対して礼を失うべきではない。貴重な食品を「輸出してくれている」ということを忘れてはならない。

危機を煽る

2008-02-05 14:14:36 | Weblog
 国民が不安を持つ時、マスコミはどうあるべきか。言うまでも無い、正しい情報を伝えるべきだ。情報不足に基づく不安が過剰反応などの間違った対応を招くのだから、マスコミは正しい情報を発信して無用な騒動の沈静化を図るべきだ。
 日本のマスコミはこんな基本的な姿勢さえ守らない。テレビはデマに便乗して視聴率を高めようとして煽り立てる。雑誌は煽動的な名前を付けて不安を煽る。小売店や飲食店には風評被害があるのでデマに対応せねばならないが、本来風評被害を防ぐべき立場の筈のマスコミが騒ぎを煽る側に回ってしまっている。
 農薬入り中国製餃子は多分構造的な問題ではなく個人の犯罪だろう。かつて和歌山で砒素入りカレー事件が起こった時に「日本中の食べ物が危ない」などと馬鹿げた主張をした人がいただろうか。昨今の中国食品バッシングはこれと同じぐらい低レベルな主張だ。不安が広がった時にこそ正しい情報を広く告知することがマスコミの義務であり存在価値だ。
 2日付けの「農薬入り中国製餃子」でも書いたことだが、「危険だ」と叫べば自分は「安全」だ。周囲が「危険かも知れない」と思っている時に「安全だ」と主張して万一事故があれば責任を追及されるからだ。
 明日大地震が起こるかも知れないし、航空機が落ちるかも知れないし、宇宙人が攻めて来るかも知れないし、ゴジラが大暴れするかも知れない。可能性は常にあるから嘘ではない。しかしマスコミがすべきことは客観的事実を伝えることであって無闇に騒ぎを煽ることではない。増してやそれに便乗して儲けようとするなど許されることではない。