日本年金機構 国税庁の源泉徴収データを基に、厚生年金の加入を強制する
2015年7月14日の日本経済新聞に、「厚生年金、加入逃れ阻止政府、納税情報で特定 中小など80万社指導へ」という記事が掲載されています。
http://www.nikkei.com/article/DGKDASDF03H09_T00C14A7MM8000/
政府は厚生年金に入っていない中小零細企業など約80万社(事業所)を来年度から特定し加入させる方針だ。国税庁が保有する企業情報をもとに厚生年金に加入していない企業を調べ、日本年金機構が加入を求める。応じない場合は法的措置で強制加入させる。加入逃れを放置すれば、きちんと保険料を払っている企業や働く人の不満が強まり、年金への信頼が揺らぎかねないと判断した。 |
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加入逃れをしている企業を特定するため、所得税を源泉徴収している事業所に関する国税庁のデータを使う。所得税を従業員に代わって納めている企業・事業所は全国に約250万カ所あり、名称と所在地、給与支給人員などを年金機構に提供することにした。 |
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年金機構は実際に厚生年金を納めている約170万の事業所のデータと照合する。税金は払っているが、年金保険料を払っていない約80万の事業所は大半が中小零細とみられる。これらに年金加入を強く求めていく。 厚生年金の適用事業を再確認しておきましょう。
所得税は源泉徴収する義務があり、事業主が納税義務を負っています。ちなみに、源泉徴収の仕組みはナチスドイツが発祥だと聞いたことがあります。(間違っているかもしれません・・・)所得税法です。
国税庁から年金機構に提供されるデータは、「名称と所在地、給与支給人員など」となっています。記事を読む限りでは、法人だけでなく個人事業も対称になるようです。ただ、所得税額そのものは個人情報に当たりますので提供されないのではないでしょうか。
今でも、年金機構は、標準報酬月額の改定時(算定基礎届)に、加入が適正に行われているかどうかの監査を、定期的に実施しています。期日を指定されて、賃金台帳、出勤簿、源泉所得税額領収書等を持参して出頭しなければなりません。 同じような調査が、未加入の事業所に対して行われるということになりそうです。「法的措置で強制加入させる」そうですので、厚生年金保険料も所得税並みに徴収義務が強化されるということでしょうか。 |
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厚生年金未加入企業への立ち入り検査強化に関する厚生労働大臣の発言
2016-01-20 09:01:30
テーマ:社会保険未加入対策
「厚生年金 故意の加入逃れ
立ち入り検査を 強化 厚労相表明
塩崎恭久厚生労働相は19日の閣議後記者会見で、厚生年金の加入を故意に逃れている事業所に対し立ち入り検査を強化する方針を表明した。
「立ち入り検査をの実施手順を見直す」と述べ、これまでより早い段階で検査することなどを検討する。
厚労省によると、厚生年金の加入を逃れている可能性がある事業所は2015年9月末時点で約79万か所。
すでに日本年金機構を通じて調査しており、支払い能力があるにもかかわらず加入しない事業所には早期に立ち入り検査して加入を促す。
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社会保険の強制徴収の問題が火急的速やかに解決しなければならない問題なので
わかりやすい、状況説明のブログがありましたので引用させていただきました。
徴収の時効は2年、督促を行えば中断される。だから強引に税額を決定し徴収する可能性があります。
私も会社としてやっていた故、督促された経験がある。
ただ、当時の30時間以上勤務のクルーさんは1名。
本人と話し合い、違う名前で一部を勤務してもらった。
そして全員30時間以内の勤務表を提出しどうにか徴収を免れたが、それは10年以上昔の話。
マイナンバーが導入され、会社にもナンバーが付与されたら逃れられない。
ある本部との契約書の項目に、以下の部分がある。
第 条(改訂)
甲は、この契約の各条項に規定される数額が、社会.経済情勢の急激な変動または
物価変動の継続による価格体系の変化などにより、合理性を失うに至った場には、
均衡の実質を維持するため、改訂することができる。そのため、この基準値が定められた
年 月 日から5ヶ年間経過するごとに、乙の意見を聞いた上、見直しを
するものとする。
本部サイドの都合で書き加えた条項かもしれないが、逆手にとって
交渉は可能だ。
今まで、社会保険が払えない状況でオーナー、クルーさんを奴隷的に
使ってきていたことが問題なので、払えない加盟店の問題ではない。
毎年、最高益を出し、株主、本部社員に払った原資はオーナーさん、クルーさんの
犠牲の上に成り立っていたこと反省し、をここで精算していただきたい。
少なくとも、加盟店に指針を示すべきだと思います。
破綻して、業界が消去されればいい。
今のコンビニビジネスでは、多くのオーナー、クルーさんが無年金の老後を迎えます。コンビニをやめて想うのは、コンビニをやっていては、確実に生活が破綻します。その根幹は、不公正な契約内容にあります。どんなに努力しようが、生殺与奪の権、本部に握られます。時給1000円、社保加入を前提としたビジネスモデルをつくらなければ本部も破綻します。直営でやれる仕組みをつくったコンビニが、生き残ると思います。今のビジネスモデルは、確実に破綻すると思います。
コンビニ加盟店も法律上は立派な事業所扱いです。社会保険には必ず加入手続きしなければならなくなります。加入対象者の人数次第ですが、コンビニ加盟店なら一般的には、100万円台~500万円あたりの年間の社会保険料の事業主負担でしょう。10店舗以上のMOや大型法人加盟店なら、桁一つ変わってきます。これまで社会保険料の事業主負担をしてこなかった加盟店が、年間数百万円の支払いにどこまで耐えられるかです。
また、最低賃金も毎年上がっていきますので、社会保険料もそれに連動して毎年少しずつ負担額は上がっていきます。社会保険未加入状態で年間2000万円以上の店利益をあげているくらいの加盟店でもない限り、今後はやっていけなくなるのは確実だと思います。
商品がたくさん並び、賑わいを見せるコンビニの経営内容が火の車だなんて、消費者は知る由もありません。
破綻しても閉鎖か直営化。お近くの同店舗をご利用くださいの貼り紙で終わりです。1軒の店が無くなっても、これだけ店が乱立してるので、消費者は気にも止めません。
回避するには、人件費を減らすか、クルーを増やすかどちらかです。
仮にクルーを増やして社保負担を回避しようとしても、売上は上がらないので、人件費倒れしてします。
だから、逆にクルーを減らし、自身のシフトインを増やすしかないでしょう。
人件費を5年後まで計算し、社保も計算してみてください。
潔いという表現はおかしいけど、潔く破綻の道を進むのか、破綻したくなければ自分が家族と1日12時間店に出れば良い。
売れる売れないは問わず、最低保証で最低の利益は確定してるので、あとは自分が楽に過ごせる発注量にすれば良いだけです。
社保を逃れるには、クルーの削減とそれに伴う商品の削減しか方法はないと思います。