漢字の横書き

2020-02-16 17:12:19 | 篆刻


文字(日本語)を書く時は基本的には縦書きである、と確か石川九楊先生が本に書いておられた記憶があります。
その謂れは木簡・竹簡(まだ紙が発明されていない時代)は全て縦書きです。

便箋には縦書き用に線が引かれているのもこうした木簡、竹簡の歴史から由来しています。
そして漢字の行草書の書き方の流れは縦書きでないと次の文字に移りにくくなっています。



余談ですが、木簡、竹簡は1枚の中に出来るだけ多くの文字を書くため横幅が広い書体になっています。
お役人などが書く書体で「隷書体」と呼ばれています。
今でもお店の看板や表札などで隷書体が使用されていますね。

それでは看板、表札の類が横書きの場合、右から左へ書くのは何故か。
それは1行が1文字で縦書きに記入しているとすれば理解できます。

それでは特に戦後になって横書きで左から右に書くようになった理由は?
それは英文の影響のようです。

篆刻も便箋の縦書きと同様に右から左へと字入れします。
ハンコの字入れも同様です。

写真から拝見しますと何らかの意図があるんでしょう。
寺名が右から左へ、説明文は左から右へ、混在している珍しい例と思われます。

光明寺という名前のお寺は全国各地にあるんですね。
長岡京市の西山浄土宗総本山・光明寺は有名ですが。
(写真は総本山・光明寺ではありません)



般若心経 第16節
「不垢不浄」
汚れているとか清らかであるとかいうことでもない。
「垢」は汚れた俗世間、「浄」は仏や神々の聖なる世界。

地位や名誉、他人からの評価、それらの全ては、空の相から見れば無価値である、と。

作品は「不」が上部の横並びになり、作品に変化をつけるため回文という手法で制作しています。
時計と逆回りで字入れしています。


ブログの内容とは関係ありませんが巨人の長嶋茂雄終身名誉監督はこの20日、誕生日を迎えられます。

今年の春は例年より早い気がいたしますのでテンプレートも変更です