ムジカの写真帳

世界はキラキラおもちゃ箱・写真館
写真に俳句や短歌を添えてつづります。

ころほひの

2016-12-22 04:22:43 | 






ころほひの かほをかぶりて わらふ雉     夢詩香







*「ころほひ」とは、「当代」とか「今のご時世」とかいう意味がある古語です。

要するに当節流行の顔をかぶって、雉のように派手な格好している人が笑っている、という意味です。

雉には失礼ですが、その姿が鶴に比べれば派手なので、使わせてもらいました。

テレビを見ると、似たような顔やスタイルをした美人が踊っていますね。流行ばかり追いかけていると、服も髪形もまた似たようなものになる。個性というものが全くないわけではないが、それが妙にしょぼいものになっている。

彼らの希望はただ一つなのだ。「他人」という、自分とは全く違う、よいものになりたいという。

その他人というもののすがたが、あれなのです。何もかも、人まねで作るから、ああなるのです。派手にとんがっているが、妙に画一的だ。

彼らは、個性的だということを尊重しながらも、他人と同じことをしていることに、安心を感じるらしい。みんなと同じことをしていれば、馬鹿にならないですむと、思うらしい。

だがそれも、目が覚めてみれば、むなしいことだ。

流行の美人の正体がわかれば、もうそれは美人ではない。

テレビの中の人はまだやっていますが、もうとっくに古い時代のものになっていることを認めたくなくて、無理にそれがいいのだということにしてやっている。なぜなら彼らは、ああいう方法しか知らないのです。今まであったものを研ぎ澄ませるか、馬鹿に発展させて、ヴァージョンアップさせるという方法しか知らないのです。

それではどんなにがんばっても、新しいものは創れない。

新しいものはいつも、それまでにあったものの殻をやぶって、出てくるものだ。それまでの価値観を全く覆す形で、来るものだ。

それは時に、古い時代の中では鬼子のように見える時もあるのです。自分を滅ぼしてかかる悪魔のようにさえ見える時があるのです。

なぜなら、それは全く違うものだからです。

新しい時代を産む子は、古い時代の人々に、最も憎まれるのです。絶対に、売れる芸能人のようにもてはやされることはない。






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