我がもとに 来しがつらきか 赤子泣く 夢詩香
*最初に生まれた子は、けっこう神経質な子でした。
抱いてあやしている間はいいんだけど、やっと眠ったと思って、ベビーベッドに寝かしたとたんにまた泣き始める。そんなことで、眠れない日々が続いていました。
赤ん坊が泣くたびに、自分が悪いのかと思って、情けなくなって泣きたくなる。おまえはわたしが嫌なのか。わたしが親なのがいけないのか、なんて思ったり。
子供は親を選んで生まれてきているとか、親を選べないとか、どちらも言う人がいるけど、本当はどっちなんでしょうね。
そういう時は、自分と、自分の親のことを考えてみたりします。わたしは、あの親を選んで生まれてきたんだろうか。
そうすると、なんとなく、自分は親を選んで生まれてきたような気がするんです。
わたしが生まれた家も、結構事情のある家庭で、わたしは子供の頃にいろいろつらい思いをしたこともあるんです。でも今思うと、あの家庭で、あの親を見て育ったことが、自分の人生に役立ってる。
曲がりなりにも今、自分の人生の舵をとれているのには、親が見せてくれた人生が、かなり参考になってる。
多分わたしは、自分の人生に役立つと思って、あの親を選んで生まれてきたんじゃないだろうか。そう思うと、なんとなく納得がいく部分があるんです。
この子はどうだろう。わたしを選んで生まれてきたんだろうか。そうだとしたら、何を求めて生まれてきたんだろう。
上の子は、今とても反抗的で、あまりわたしと話もしないんです。でもたぶん、あの子にも、何かの思いがあるのだろう。
きっとわたしの子として生まれてきたことが、あの子の人生に役立つんだろう。
そんなことを思うと、子育ての苦労も、なんとなく和らいでくるような気がします。